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日記だったり、ネタだったり、備忘録だったり。 若鶏のからあげ先生が日常をユーモラスに描きます。
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「髪の毛~ 手のひら~」から始まるTHE YELLOW MONKEYの球根、
私が高校の時から好きでよく聞いていたんですが
この歳になって初めて気がついたことがあり、取り上げようと思いました。

まったく意味のわからなかったこの球根の歌詞ですが、
冒頭の「髪の毛、手のひら」がなんかピンと来たんです。


”髪の毛 手のひら 愛の光
夢より まばらな 淋しい熱 Ah”

この髪の毛、手のひらは子供を触る順番じゃないかと。

例えば幼児と公園なんかで遊んでいて帰るときに呼ぶとする。

頭をポンと叩いて、帰るよ!といって自然に手を握る。
どうですか、子供と触れ合うとき、子供を触る部分って頭を撫でるか手を繋ぐくらいしかないと思いませんか。

なのでこの歌はありがちな男女の恋愛ではなく、
子供のことを歌っているのではと解釈して
考察してみます。


愛の光という歌詞も子供であることを示唆してると感じます。

子供とは両親の愛の結晶です。
眩しいくらいに光り輝いている。

次の部分
”Ah"に注目すると、聞いたことあるひとはわかると思いますが
歌い方が溜息に近い感じなんですね。

主人公は溜息をついたんです。

なぜか?

淋しいから。なぜ淋しいのか。

子供の頭を触って、手をつないで帰ろうとしている親子を見たから。

そして、自分には子供がいないから。だから溜息がでた。

”夢より まばらな”

そして夢と言えない。もっと可能性の低さを伝えている。



次の歌詞です。

”許されない 誰にも 喜ばれない
お前が咲くならば 僕は穴掘ろう”


結婚後、その状態を許せない人からの重圧。
自分にできることは、打開するためには、穴を掘るしかない。


”世界は壊れそうになった
今流星のような雨の中”


重圧は自分だけではない、折り合いが悪くなり喧嘩も増える。
この生活が壊れることもある。いろいろな悪い感情が交錯する中、

"身体で身体を強く結びました
夜の叫び生命のスタッカート”

あえて書きませんがここはそのままですね。


”土の中でまで命の球根よ
悲しいだけ根を増やして”


この悲しい思いをした分、だめかもしれないけどなにか少しでも前進していてほしい。
そんな強い気持ちが本当に胸に来る歌詞ですね。


”この真っ赤な情熱が
二人を染めた”


とあるブログによるともともとは情熱の部分は鮮血だったそうです。
その歌詞に置き換えると、生理がきたということ。
そして身体を震わせて泣いたということ。


”死ぬか生きるかそれだけのこと”


結果だけみればそう。


”世界はコナゴナになった
でも希望の水を僕はまいて Fu Fu”

また、だめだった。
でも、僕にできることはもう一度チャレンジすること。
希望を叶える唯一の方法だから。


”土の中でまて命の球根よ
魂にさあ根を増やして

咲け、花 花 花 花 花・・”


どうか早く出てこないでくれ
命の球根が魂に根を増やして

生まれてきてくれ・・・



という今、悩んでいる夫婦に向けた壮大な応援歌であり
自分の命というのはもしかしたら両親の深い努力の結晶ではないかと
そういうものを歌った曲にならないですかね。

僕はこの記事を書きながら涙が止まりませんでした。

この曲が出た当時、愛のない性が言われていた時代ですが
生殖としての性、命を繋ぐための性も社会的なテーマを込めて歌にしていたことに
今更ながらすごいと感じています。(遅いね)

吉井さんは10年に1度の曲といわれているみたいですが
魂が揺り動かされる100年に1度の名曲だと思います。

拍手[15回]

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私の大好きなBUMP OF CHICKENの曲
「スノースマイル」について

世の中のブログにはこねくり回した解釈や考察が多くてびっくりした。

よく読んでみると、スノースマイルは公式に「ラブソング」ではないとアナウンスされており、
そのことが比喩的に何か別の物事を例えた歌詞なんだろうと憶測を生み
様々な解釈がなされている。

調べて読んでみてほしい。
結局何がいいたいわけ?となる。

やっぱり何か作品を作るにあたって、作者はメッセージを込めると思う。
世に出すものなので漠然とは作らないと思う。
その極限まで削られた歌詞の真のメッセージを受け止めることは
ただなんとなく漠然と聞くときよりももっと感動が大きいはずだ。


スノースマイルをもっとシンプルに解釈できないだろうか。

ここにスノースマイルについて私なりの解釈をまとめてみようと思う。

まず、注目するべき歌詞は

”二人で歩くには少しコツがいる 君の歩幅は狭い”

の部分。

多くのブログでは彼女の歩幅と自分の歩幅が違うからという解釈だ。

よく考えてほしい。
彼女と手を繋いで歩くとき、どうなるか。
お互いが歩幅を合わせようとする。
コツなんかいらない。


誰か他の歌の歌詞でもあるように女の子が頑張って彼氏の歩幅についていくというのはある。
彼氏が紳士的なら少しゆっくり歩いてエスコートする。これはコツではない。
だいたい女の子が「君と歩くにはコツがいるね」って言われたら嫌だろう。


でもここの歌詞では「歩幅が狭い」と断言し、「コツがいる」とまで言う。

自分が相手に合わせている。

相手は自分に合わせられない。

つまり小さな子供だということだ。
そして歌詞の距離感から「息子」か「孫」だと断言する。

ここでは

君=息子

これを頭に入れて歌詞を見ていく。


”冬が寒くって本当に良かった
君の冷えた左手を
僕の右ポケットにお招きするための
この上ない程の理由になるから



お父さんが息子と手をつなぐ口実。「寒いから」
僕=お父さんなんですね。


”「雪が降ればいい」と 口を尖らせた
思い通りにはいかないさ
落ち葉を蹴飛ばすなよ 今にまた転ぶぞ
何で怒ってるのに 楽しそうなの?”

これは息子が雪が降ったらいいのに!と言ったら
お父さんが何でも思い通りにはならないよと教えてくれている場面。
また雪が降らないので落ち葉を蹴りながら歩いている息子を注意している。
息子はお父さんが怒ってると思ったんだけど、
なぜか楽しそうにしているのが疑問。

なぜお父さんは楽しそうなのか。次の歌詞でわかる。

”まだキレイなままの 雪の絨毯に
二人で刻む 足跡の平行線”

もし雪が降ったら息子と二人だけで雪の絨毯を歩く。
息子は喜ぶだろうし、いい思い出になるなぁと想像して楽しみ。

でも

”こんな夢物語 叶わなくたって
笑顔はこぼれてくる
雪のない道に”


そんな夢物語のような出来事が起きなくても、
今この瞬間息子と歩くのが幸せだ。自然と笑顔がこぼれる。


ここまでが1番の歌詞の出来事。

息子と手をつないで歩く。
息子がぶーぶー言いながら歩く。
息子と雪が降ったらいろんなことをしようと考えながら歩く。

お父さんと小さい息子が一緒に歩いている楽しい感じを表現していると思う。
お父さんが息子と歩いてこれからいろいろな思い出を作るんだとにやけている。


2番の歌詞を見ていきましょう。

”二人で歩くには 少しコツが居る
君の歩幅は狭い
できるだけ時間を掛けて 景色を見ておくよ
振り返る君のいる景色を”


息子と一緒に歩くにはコツが居るということと
できるだけ息子と一緒に過ごせる時間を作って
小さい息子を見ておきたい。
すぐに大きくなって一緒に同じ景色を見ながら
何かを感じながら歩くということができなくなるから


”まだ乾いたままの 空のカーテンに
二人で鳴らす 足音のオーケストラ
ほら夢物語 叶う前だって
笑顔は君がくれる
そんなの わかってる”


雪が降るまえだけど、寒空のなか二人で霜柱を踏む。

足音のオーケストラという歌詞が霜柱の比喩表現だと思うが、
これはお父さんと息子が毎日幼稚園か保育園に通園するときの
通学路での出来事ということがわかる。

足元で音がして息子が笑顔になる。
お父さんもそれを見て笑顔になる。

ここまでの歌詞で
二人で雪道を歩くという出来事が実現しなくても
お父さんと息子は二人で同じ感性を持って笑い合える。

息子に自分の感性が伝わったことがわかった。
息子が今、自然の景色の中で感じ取って笑顔になったことが
その証明だ。


”まだキレイなままの 雪の絨毯に
二人で刻む 足跡の平行線
そうさ夢物語 願わなくたって
笑顔は教えてくれた
僕の行く道を”

時代が進む。息子は大人になった。

お父さんがきっと楽しいだろうと想像した
雪道を二人で歩くということ
それは結局叶わなかったが、一緒に通園するときに感じた
お父さんの笑顔は僕に伝わっている。
僕はお父さんの感性を受け継いでいる。

また、僕=大人になった息子=作者だとすると

自分が笑うこと=お父さんが笑う=同じ感性。
つまり自分が好きなこと(笑顔になること)をする道を選んだのは
1番や2番の歌詞で歌っているお父さんとの思い出から影響を受けている。

と解釈できる。


”君と出会えて 本当に良かった
同じ季節が巡る
僕の右ポケットに しまってた思い出は
やっぱりしまって歩くよ”


君のいない道を


最後の部分の歌詞は時代が進んでいるので

君=息子が成長して大人になっている。

自分の道を見つけて独り立ちした息子。
もう一緒に並んで歩くことなんてなくなった。

お父さんは昔一緒に通学した道を一人歩いて
右のポケットの中で息子の左手を一緒に手をつないだ日々を思い出している。

だけどお父さんが息子に教えたかった感性。
それを伝えることができたことに満足している。

うれしいけどさみしいような気持ちだと思います。
そして多分お父さんは笑顔なんじゃないかな。
雪が降ってるから。

子供の成長は早く、かわいい時は一瞬で雪のように消えてしまう。
でもその時の思い出は一生残ってるよ。ということを言いたいのではないでしょうか。
だからスノースマイルじゃないんですか。



作者がスノースマイルに込めたメッセージは
「お父さんは何歳になってもずっと子供の成長を見守っている。子供のころを思い出してごらん。あなたの中にもきっとお父さんから受け取ったものがあるはず」ってことじゃないかな。

一言でいうと
「子離れと父から受け取った大事なこと」






補足
君=彼女とすると矛盾がでる。
彼女の笑顔が自分の道を行く決心をさせ、結局別れる
彼女どうなるの?
自分の道に彼女はいなかった。自分が売れるためにしょうがなかった。
こんなバッドエンドを歌にする?
BUMP OF CHICKENはそんなエゴイズムなメッセージを絶対に歌にしない。


拍手[6回]


仕事中に電話がかかってきた。


千石君からだ。



急には出られなかったので



5分後、すきを見てかけ直す。




でない。




少ししてまた電話がかかってきた。



今度は電話にでる。





「若鶏です。どうした?」



「若鶏さん、事故りました。助けてくれませんか?」



事故と聞いて驚いた。



「どうした?どこでやった?」



「自転車で単独で事故りました。山の中です。

 手が折れてるかもしれない。

 頼れるのが若鶏さんしかいなくて。」



「わかった、でも仕事だから助けに行くのは早くても

 6時から出発だから、少しかかるぞ。」



「大丈夫です。幸い駅の近くなんで、チャリは置いて

 電車でそっちに向かいます。」



「こっちに来るのか・・・なら俺、ジムに行けるな。

 ジムに行ったあとでいい?」




「なら、僕も手が折れてるかもしれないですけど、

 ジムに行きます。」




「よし、ならそのあとチャリを回収しに行こう。」



「ありがとうございます!」




という、わけのわからない約束をして、


終業時間となった。



千石くんは職場の近くに到着していた。


二人でジムに向かい、


僕は普通にトレーニングする。



千石は手が痛そうだ。




「千石、今も手が痛いの?」


「そうですよ、動かないです。」



「それは病院に行ったほうがいいな。」


「そうすね。」



「そんな手でどうやって電話したの?」



「いやー、若鶏さん、Androidじゃなかったら死んでましたよ。」




「なんでよ?」



「事故ったあと手が痛くてスマホを操作できないんです。

 若鶏さんに電話しなくちゃ、若鶏さんに電話しなくちゃって思いながら


 でもスマホが言うことをきかない。」


「ほう。」



「で、ピーンとひらめいたんですよ。




 

 スマホにむかって






 OK、googleと叫んだんです。





 すると、




 検索画面が出てきたので、






 電話、若鶏!




 
 と叫んだんです。



 
 そしたら若鶏さんに電話がかかったんです。





 始めてですよ、OKGoogleを使ったの。」





山の中、自転車で単独事故を起こして


両手が折れたってすぐに助けを呼べる。



そう、iPhoneならね。







拍手[1回]


僕達の伝説の先輩、野上さん。

仕事の効率というのを考えないので毎日夜遅くまで残って仕事をする。


「おれ、毎日こんだけ仕事してるんだけん!」が口癖。


仕事している時間の長さが野上さんのセールスポイントらしい。


職場の宿直の人が夜見回りをするときにも


「まだ残ってるのか!」


と驚かれるくらい残って仕事をしている。



ある時、宿直の城田部長が事務所を通りかかると


野上さんが自分のデスクで


ガタガタと震えていた。




「おい野上!どうした?

 なんで震えてるんだ?」




城田部長が声をかける。





ガタガタガタガタ





野上先輩の震えは止まらない。






「野上!風邪か?どうしたんだ?」








「い、いえ、あ、あの」





ガタガタ震えながら答える。




「落ち着け!どうした!」




「あ、あの、お客様から頼まれた引き出物の


 手配を忘れてました・・・・」



深刻な表情で報告を始める。




「いつのだ?」




「明日の夜のです。」




「バカ!間に合わんじゃないか!」




「は、はい、すみません・・・どうしましょう。」



「そういうのは、すぐに報告しなくちゃいけない!


 毎日残って一体何してたんだ!!」


「はい、すみません。」



ひとしきり罵声を浴びた後、対策を考えることになった。



「で、どの引き出物なんだ?」



「この商品です。」



野上先輩はカタログに赤丸している商品を指差して


城田部長に見せた。




「これか・・・・あれ?」



「城田部長どうしました?」




「これ、俺の同級生の会社の商品だ。」




「そうなんですか?」



「野上!お前ラッキーかもしれんぞ!

 電話してやる!」




「あ、ありがとうございます!!」



こうして、城田部長の人脈を駆使して


発注漏れ事件は無事に解決、引き出物を大至急送ってもらう手配ができた。




「おい、でもこれは重大な問題だ。


 どうする?」



「始末書を書きます。」



「そうだな、そのほうが良いかもな。わかった。」



2日後、お客様の会合も終わり、

野上先輩が社長に始末書を報告した後、




「いや~、まじ城田さんいなかったら危なかったっすよ~」



と野上さんが事務所で僕達に先輩面吹かせてると、





職場に一本の電話がかかってきた。









前日の会合をしたお客様からだった。




「事前に打ち合わせした引き出物が違うんですけど


 どうなってるんですか?」






野上先輩はひとしきり謝り、対応を検討すると伝えると、






また、






ガタガタガタガタと震え始めた。






城田部長が騒ぎを聞きつけてやってきた。




「野上!お前、俺にカタログみせたよな?」



「・・・・はい。」



「あれじゃなかったのか?」




「・・・・わかりません!」





「わかりませんじゃないだろ。

 お前が丸つけてたの、一体なんだったの?」




「わかりません!」




「結局俺がやったこと無駄じゃないか!」




「はい、すみません・・・・」




ガタガタガタガタ震えながら、


野上さんはまた始末書を書くことになった。










1回の仕事で2枚始末書を書く。

遅くまで残って。





伝説の先輩、野上さんの仕事はまだまだ終わらない!




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「やまちゃん、獣王打たせて~。」


そういって僕達はやまちゃんの家に遊びに行った。


時は2002年。


スロット全盛期。


今のスロットからは考えられない


大量獲得機だらけのパチスロ界。


やまちゃんもスロットにハマった一人。


家には獣王というスロット台が置かれていた。


みんな獣王を目当てにやまちゃんちに集合していた。



ある日いつもの様にやまちゃんちに遊びに行くと、


獣王のメダルが3枚しかない。



「やまちゃん、メダルどうしたん?」




「うん、向かいのゲーセンのスロットで使った。」



「いやいや、意味わからん。使ったら家でできんやん。」




「できるよ。」







「えっ!?」





「こうやって3枚いれて、空けて、


 ホッパーからだして、



 また入れて、50クレたまったらできる」




「いや、それできてない。何で使っちゃうのよ。」





「いやぁ、ゲーセンのスロットに入るかなって思って入れてみたら


 入ったから嬉しくなって、つい使っちゃったのよ。」




「そうか。ま、とりあえずやるか。」



ひたすら作業して50クレためて獣王を打ち始める。



設定6の為、すぐにボーナスを引いた。



絵柄が揃う度に、ホッパーからメダルを取って入れてを繰り返す。



1ボーナスを消化するのに1時間強掛かった。





「やまちゃん、これ無駄だわ。」



「ゲーセンでメダルをとって持って帰らなくちゃきびしいね。」



「それもいかんやろ」



そんな話をしていると急に外が騒がしくなった。




窓から顔を出すと、



パトカーがゲーセンに停車しており


スロット台から指紋を採取しているのが見えた。








拍手[2回]


バイト先の先輩、野上さんが


「おい若鶏!飲みに連れて行ってやる!」


と激しく息巻いて連絡してきたので、


飲みに連れて行ってもらった。


中路さんも千石くんも一緒に呼ばれた。


ビールを2杯くらい飲んだ時、野上先輩が


「おれ、こう見えて昔は結構悪かったんよ。」


と話し始めた。



あ、これ、先輩のやんちゃ自慢という一番めんどくさい話が始まる


と全員が思った。



すると千石くんが機転を利かせて


「じゃ、野上さん、今から一人ずつ、

 今までで一番悪かった話していきますんで、

 最後、野上さん、一番悪かった話してください!」



「いーねー!」


野上さんも


「千石!わかった。最後に話すわ!」


と了承。



中路さんから話すことになった。


「僕は、普通に、喧嘩したことぐらいですかね。」



普通や!おもしろくない!髭剃れ!なんて罵声が浴びせられた。



若鶏の番。


「僕は、麻雀で友達から20万くらい刈り取ったことですかね。」


ひどい!人でなし!なんて罵声が浴びせられた。



続きまして千石の番。


「僕は普通に万引きくらいですかね。」





 
すると、野上さんが嫌な顔をして


「うわ~、俺、千石と被ったわ~」


と話しだした。


千石が、



「野上さんも万引きっすか!普通っすね。何万引きしたんですか?」









「冷蔵庫と電子レンジ。」







!?









冷蔵庫と電子レンジはデカイやろ。

ありえへん。






「ど、どうやって運んだんですか?」







「えっ?台車で運んだ。」








「いやいや、台車ってバレるじゃないですか。」





「だから、バレないように業者の服きたよ」







「どこから入ったんですか?」






「正面から堂々と業者のふりして入ったよ。」






「野上さん、すいません、それ



 窃盗団の手口ですよ。」







犯罪や!







昔悪かった自慢、一番悪かったのは頭だったかもしれない。






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僕達はそれぞれ違う。

得手不得手、できること、できないこといろいろある。

でもその基本的な得手不得手を超えて、

この人にしかできない、ものすごい能力があることがある。

所謂、特殊能力というものだ。


僕の特殊能力は、変な人、癖のある人と仲良くなる能力だ。

千石くん、中路係長、藤木くんなどなどこのブログに登場する

際立っておかしな人と、仲良くなりやすい。



僕はこの能力を「猛獣使い」という名前で呼んでいる。



人の特殊能力は、ある特定の場面で発現するものがある。



僕の好きな麻雀のプレー中でも、麻雀に絡んだ能力が現れる場合がある。












後輩の煙川君の場合。

僕達先輩が卒業し、麻雀部の部長となった煙川君。

新しく入った新入生、河津君に熱心に麻雀を教えていた。


麻雀はなんとなくやるゲームではない。

一打一打、必ず理由がある。

意味がないことはするな。



この教えは麻雀部の先輩から脈々と受け継がれている、伝統だ。

煙川君もその教えを伝え、河津君はメキメキと麻雀の実力をつけて

先輩とも肩を並べる程の強豪に成長していった。



熱心に麻雀を教え、何百、何千と麻雀を打っている中で、

煙川君はある特殊能力に目覚めた。


「相手の聴牌が分かる」という能力。

通称「聴牌察知能力」




相手がもう1枚で上がりですよというのが分かるので

上がらないように邪魔したり避けたりできるというメリットがある。



この特殊能力を身につけた煙川君は、

「やっと僕の麻雀が次のステージに行ける!」

と期待に胸を膨らました。



そしていつもの様に雀荘で麻雀を打ちつづけ、

教え子の河津くんと対戦することになった。



煙川君は調子よく、最初の半荘で1位を取った。

次の半荘、


煙川、東1局、親。


巡目を進めていくと、急に上家の河津くんから聴牌の気配がした。


能力の発現。


捨て牌は何も変わったところはないが、河津から聴牌の気配がする。


慎重に打ち進める。


振り込まないように振り込まないように。


ふいに対面から六萬が出る。


上家の河津かツモ切る。


六萬をあわせ打つ。




「ロン!1000点」



河津に振りこむ。



「何で東1局から、俺から出和了りせないかんのや!」


煙川君、ブチ切れる。



これは麻雀の教え

意味が無いことはするな、に反する行為で、

あえて煙川君を狙っているただの嫌がらせ。


「俺がこんなこと教えたか!?」


「いや、前の半荘、勝ってたんで、煙川さんからは

 たとえ1000点でも上がろうと思ってたんです。」



「前の半荘と今の半荘は関係ないだろ。いかにトップを取るか。

 それが麻雀だろ!」







煙川君の怒りは収まらず、喧嘩腰で次の局が開始される。






怒りすぎが原因だろうか

その時からすでに煙川君の特殊能力

「聴牌察知能力」を失っていたらしく


ただのよくキレる麻雀好きのおっさんになってしまったらしい。




最近の煙川君の一言
「俺の麻雀人生を狂わせた河津は絶対に許さない」

拍手[2回]


若鶏33歳の夏。

マイクロソフトからWindowsXPのサポートを終了するとアナウンスがあった。

職場で使っている業務用システムはXP上でしか動かないため、

対応を余儀なくされた。


会社のそれぞれのセクションからパソコンが詳しそうな人を一人づつ集めて、

今までの操作実績を踏まえ、よりよい業務用システムの構築をしてほしいと

会社から要請があった。



そのチームの名前は「ITリーダーズ」

そのチームの取りまとめを私、若鶏のからあげが務めることとなった。

とても大きな仕事。失敗のゆるされない仕事。

だがやりがいのある仕事だ。




今まで、非効率だった部分、システム上で行えば早く作業ができる部分。

若手を中心としたそのチームは、それぞれ理想とする業務を思い描き、

システムを構築する会社と粘り強く打ち合わせをし、

システムも業務も、思い通りに変えた。

こんな若手のみのチームが会社の仕事のルールを変えたんだ。





この仕事をする中で、違う発見もあった。

一番驚いたのは、いつものらりくらりと仕事をしている後輩の千石くん。

彼の頭のキレはすさまじく、仕事を組み替えることで

いままでの業務の40%を圧縮した。感動した。

(ただし、圧縮した分、なぜか他の仕事が増えるのは世の常であるが)



ITリーダーの仕事も一段落したある日、千石君から質問を受けた。



「若鶏さん、システム使っていて、一つ自分で解決できない問題を発見したので

 システム会社の人に伝えてほしいのですが。」



「どうした?」



「このブラジル人の集計のところだけが何故かずれるんです。」



「それは、なんか特殊だな。プログラム上のミスの気がするな。

 わかった、伝えておく。」



「ありがとうございます。」



早速事務所に戻り、システム会社の担当者にメールを書く。




次の日返信がきた。




件名:帳票について

昨日のブラジル人の集計がずれる現象について
個人はブラジル人で登録されていますが、
ブラジル人の団体が誤って日本人というコードで登録されていたためズレているようです。

よくご確認ください


<引用>

>担当者さま

>お世話になっております。
昨日の帳票でブラ汁人がズレているようです。

>ご対応お願いします。

>若鶏のからあげ





うん、確認した。








ブラ汁人はまずい。



昨日の自分が恥ずかしい。


普通に答える担当者にも申し訳ない。



ていうか、俺のgoogle日本語が変な予測変換を覚えてる。




業務システムの入れ替え。

まずは予測変換を表示しないところから始めて行きたい。



ITリーダーより。


拍手[2回]


大きな台風5号が接近するらしい。

台風が上陸する予定の日は、どうも僕の宿直の日と重なるようだ。


そうなると結構準備が大変で、身体を休めることなんかできない。

最悪、徹夜になるかもしれない。

僕は覚悟を決めて出勤した。


出勤する前、廊下で営業の森岡部長に呼び止められた。



「若鶏、今日は台風が来るけど、夜の責任者はお前だから、

 頑張れよ。」


「ありがとうございます。今日は相当気合い入れて来たんで

 大丈夫っす。」


適当に返事をした。


というのも森岡部長は職場でも有名な、「ヅラ」の持ち主で、

話をするだけで、頭の方に気がいってしまい、ちゃんとお話ができない。



「頼んだよ。」



「うす。(半目、適当)」



森岡部長と別れて、自分の事務所に出勤し、すぐに台風情報を調べる。


いや、結構強くて、がっつり上陸しそうだ。


今日は覚悟を決めた。




午前中、仕事を進めている中、他のセクションに確認事項が出たので、

1階の事務所に向かうと



森岡部長が、いつものスーツではなく、ポロシャツを着ていた。

うちの会社では ポロシャツ=駐車場の応援 という方程式が成り立つため、



僕は森岡部長に


「あ、今日、駐車場なんすね!」


と声を掛けた。





「そうなんだよ、今日は台風だから





 飛ばされちゃうよ!!」





と返ってきた。






一体何が飛ばされるんだろう。





事務所にいた全員が、同じことを思い、

そして凍りつき



笑ってはいけない雰囲気が流れた。




事務所にいた、大堀さんが




「バフ!」




と吹き出した。






森岡部長も何かを感じ取ったのか、




「ようし!飛んできたもの全部打ち返しちゃうぞ!」





と素振りをし始めた。




話題をすり替えようとしたが、フォローになっていなかったため、



みんな顔をくしゃくしゃに歪め、死にそうになりながら笑いをこらえた。




台風って怖いなと思いました。




拍手[2回]



「千石さん、ちょっといいですか?」


仕事中、後輩の毛利さん(女性)に呼び出された。



「今、お客様の対応中だから、ちょっとまってくれない?」


僕(千石)は今できる最高の笑顔で返した。


「分かりました。」




そういえば今日はバレンタイン。

とうとう、告白されるか。


そう思いながら毛利さんのいるバックスペースへ下がる。



「どうしたん?急に。」


優しい声でささやいた。




「千石さん、お話があるんです。」


「言ってごらん。」




「千石さん、もしよかったら、これ使ってください。」





手渡されたのは、





紙袋に入った検便の容器




毛利さんの名前が入ってる。




えっ!?





意味がわからない。

いろいろな疑問が湧いてくる。



まず、その容器に物が入っているのか、いないのか。

そして、なぜ、それを僕にくれるのか。



何から聞いたらいいのか。



「あの~、これって。」





「もしよかったら、使ってください!」


強く言ってきた。



「もしよかったら」という前提がわからない。



どう考えても、

僕がうんこをもらったらうれしい人間と思っているのではないか。



「毛利さん、ちなみに僕の容器はどこ?」



「私が使っちゃったんで、

 もしよかったら、使ってください。」




なるほど、理解した。


毛利さんは間違って俺の容器を使ってしまった、

だから僕に、容器をくれる、と、そう言っているんだな。

もしよかったらという言葉の意味がわからない。



良いことなんか一つもない。



「ああ、わかったよ。俺が、コレ使えばいいのね。」



「すみません・・・」


毛利さんが泣きそうになりながら、謝ってきたので、

流石に怒るわけにもいかない。



「いいよ、いいよ。で、毛利さんのはどうしたの?」



「もう出しました。」



「名前は訂正した?」



「してません・・・」







・・・・バカか!






検便の回収ボックスは男子は男子トイレ。

女子は女子トイレの中にある。



女子トイレに「千石」の名前で容器が出してあったら

自ら犯行を自白してるようなもんじゃないか。



「総務には連絡したの?」



「してません・・・」






最悪や。






「わかった。」




慌てて総務に行く。



「・・・ですから、僕の名前が書いてあるのが毛利さんの容器なんですよ。」



総務の女性に何度も確認される。



検便のほろ苦い思い出です。







(千石君から聞いたバレンタインデーに違うチョコをもらう話)











ちなみにこの事件以降、千石くんは検便の度に

総務の女性から、「今度は間違えないでね」と注意されるそう。




「だから俺じゃないんですよ」(千石)

拍手[2回]

会社から「これからはブログがアツイ」

というわけのわからない理由で、

ITが強そうなやつにブログの研修に行かせようという話がでた。


そのITが強そうなやつというのが若鶏のからあげ当時25歳。

「若鶏くん、ブログの研修、鹿児島であるんだけど行ってくれるか?」

「えぇ?僕ですか?行ったらブログ書かなくちゃいけなくなるじゃないすか。嫌ですよ。」

「まぁまぁ、新幹線乗せてあげるから。九州新幹線。」

このとき九州新幹線は新八代⇔鹿児島中央のみ運行しており、

ちょっと珍しかった。

「うーん、わかりました。ブログの書き方を勉強して、

 それを社内の人に伝えられるよう、研修頑張ります。」

ワクワクしながら研修に向かった。

熊本駅からリレーつばめで出発して、

新八代でいよいよ、九州新幹線に乗る。


快適な移動。

やっぱり、九州には新幹線が必要だ。

早く博多まで開通してくれよ。

そう思いながら、過ごしていると、

前の方から客室乗務員のお姉さんが近づいてきた。

「何か、ございませんか?」

「お困りごとはございませんか?」

座席に座っている客、一人ひとりに声をかけている。

しかもただ、声をかけているだけではない。


トイレに行きたそうにしてる人にはトイレの案内をしたり

その人その人に合わせた、接客をしている。






さすがだな。





このサービス精神をうちの職場にも伝えられたらな。

研修って何も座学だけが研修じゃない。

こうやって移動するときに感じたことだって立派な学びなんだ。




そう思いながら待っていた。





「お困りごとはございませんか?」



若鶏の前の乗客に声がかかる。

次は僕の番だ。











「ゴミ、捨ててきましょうか?」





えぇ!?



ふと周りを見渡すと、僕の周りだけ、異様にゴミが散らかっていた。

弁当ガラ、おにぎりのフィルム、ジュース、ガムの包装紙。





「だ、だいじょうぶです・・・」






一人ひとりに合わせた接客。


わざと恥ずかしいプレイで、僕の羞恥心は最高潮に達した。








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来た。


ものすごい地鳴り。


ガタガタと鳴る食器。


パッと目が開いた。




地震だ。




と思うと同時に、激しい揺れ。




携帯がギュインギュイン鳴る。




身体が飛んでいきそうな激しい揺れだ。




熊本が2度めの大地震に見舞われる。




昨日の前震では動かなかった身体。



昨日の今日で、シミュレーションは出来ている。



揺れに耐えながら嫁と息子に覆いかぶさる。




停電。




長い長い揺れ。




家がミシミシときしむ。




家が壊れたら終わりだ。



このまま死ぬのは嫌だ。




たまらなくなって嫁と息子の名前を叫んだ。







揺れが収まった。



「昨日よりひどいんじゃない?」




テレビもつかない。



「そうだね。」



そう言って息子が寝ている布団をめくった。









そこに息子はいなかった。









あれ?



背筋がぞっとした。

息子がいない。





嫁が


「息子くんは!?」



と大きな声で叫ぶ。





一か八か、机の下に手をやると、暖かい感触があった。



引っ張ると息子だった。



セーフ。





「若鶏くんが息子くんを机の下に入れてくれたと?」



嫁が涙目になりながら僕に聞いた。







僕は静かに頷いた。














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8回生の角川先輩が大学を辞めたと聞いたのは、

その後のことだった。



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数日前、

角川先輩が突然家に来た。

「今まで、ごめんな。ありがとね。」

ダンボール二箱分のエロ本を置いていった。

そしていつもの様に僕の家の灰皿から長いシケモクを5本ほど選んで、

持っていった。

僕はこの時、それが最後の別れになるとは、思っていなかった。




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「角ちゃん知らない?」

木田先輩から連絡があった。

「携帯掛けても全然出ない、おっかしいんよ。」

「そうですか、僕も見かけたら連絡するように言っときます。」

「ありがとう」


角川先輩の行動パターンはだいたい分かる。

朝起きて、まず俺の家に来る。

そして、うちのシケモクを回収する。

そして次は田原先輩の家にいき、シケモクを回収する。

そうやって知り合いの家を周り

一日分のシケモクが集まったら、遊びに行く。



こんなスケジュールだ。

だから探すまでもなく、ただ待てばいいのだ。

でも、それにしても2週間くらい見ていない。

何故だろうか。


少し心配になった。


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僕は、角川先輩がよく出入りしているボックス棟の

将棋部の部室を訪ねた。

将棋部にも角川先輩がシケモクを貰いに行く

将棋の学生名人がいるのだ。

だが将棋部は何やら総出で大掃除をしているらしく、

とても角川先輩の事を聞き出せる状態では無かった。



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僕は、角川先輩がよく出入りしている、

今では珍しいブー麻雀の雀荘にも足を運んだ。

だがそこにも角川先輩の姿は無かった。



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一体どこにいるんだろう。

もちろん自宅にもいないし、

パチンコ屋などなど行けるところは全て探した。

もう探す所なんてなかった。


あきらめて自宅でゆっくりしている時、

将棋部の名人から電話がかかってきた。


「若鶏くん、おつかれ。今ちょっといいかな。」


「名人、なんでしょう?」


「ちょっと聞きたいんだけど

 将棋部にモーニング娘。のDVD置いてた?」



「いえ、確かにモーニング娘。のDVDは何本か家にありますけど

 将棋部には持っていってないと思います。」



「そうか、確認だけど今家にそのDVDはあるかな?」


「ちょっと待って下さい。」


僕は家の中を探した。









無い!



僕のモーニング娘。の
DVDが1本も無い!








「名人!無いです!」





「そうか、わかった、ありがとう。また連絡する。」



僕は名人からの電話を待った。




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名人に呼ばれて将棋部の部室に行く。

将棋部は大掃除をした後できれいになっていた。


名人が話し始める。

「若鶏くん、将棋部には皆で遊べるようにいろいろなゲーム機を

 置いていたんだけど、ソフトが誰かに盗まれたんよ。」


「え、そうだったんですか。」


「犯人はすぐにわかったよ。角川さん。」


「うわ、そうだったんですね。」


「いっとき牢屋に入ってたみたい。」


「まじすか。」


探してもいなかった理由がわかった。


「総額8万円の被害。お母さんが泣いて返していったんだけど

 このモーニング娘。のDVDだけ、誰のかわからなかったんだけど。」


「あ、これ僕のです。でも全部じゃないですね。」


「誰のかわからなかったから、買い戻さなかったんだよ。

 ごめんけど、許してもらえるかな。」


「僕もどこにあるかわからなかったくらいだから、全然だいじょうぶです。」



「じゃあ、3000円渡すから、これで許してほしい。」


「あ、じゃ、頂きます」


財布の中身は少し増えたものの、寂しい気持ちになった。


まさか牢屋にいたなんて。



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角川先輩は何故そんなことをしたのだろう。


僕はいなくなった2週間前の事を思い出した。









そういえば角川先輩は僕と麻雀して
2万程借金を増やし、




累計が8万に到達していた。



何かわかったような気がした。



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角川先輩が置いていったダンボールを開けると

殆どが僕が貸したエロ本だった。


いつのまにか盗んでいってたんだ。



懐かしいエロ本を手に取り、パラパラとめくると

大事な場面でページとページが張り付いて見れなくなっていた。






借りたエロ本に掛けるのは
人間として終わっていると思った。





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高校生の時、西くんという気の合う友達がいた。

帰る方向は違ったので、一緒に遊んだりということは無かったのだが、

学校ではいつもランチを一緒に食べていた。

この西くんをいかに笑わせるか。

それが僕の、クラスでの最大の関心事だった。

そして西くんはいつも笑ってくれた。

西くんも僕のことを友達だと思ってくれていたと思う。



ある日、西くんが大事な話があると言い出した。

ははーん、さては好きな人でも出来たのかな?

友達としてここは協力してあげたいな。

なんて思いながら、

「お、何だね西くん、早くいいなさい」

と話ししやすそうな軽い感じで聞いてみた。






「お、よかった。ちょっとこれを見てくれ」






西くんが、カバンから取り出したのは











紫色のブラジャーだった。







「ちょ、これどうしたん!?」




「しーっ!声が大きい」


西くんは静かにするように求め、



「これね、向かいの家の女子大生のブラジャーをパクってきた。」


とニヤリと笑いながら小さい声でカミングアウトした。

突然の告白に、呆然としながらもかろうじて

「お、おう」

とだけ返事をすると、西くんの口から興奮冷めやらぬ様子で

溢れんばかりの言葉が紡ぎ出された。


「いつもは風呂を少し覗いて、そこでシコって帰るんだけど

 昨日はブラジャーが干してあって、それでこのブラジャーに

 掛けるとどうなるのかと思って持って帰ってきたんだよ。

 みんなに言わないでよ!」


何から突っ込んでよいかわからずに、少し考えた後、


「犯罪や」


と一言いうと、西くんは残念そうに


「若鶏くんならわかってくれると思ったのに。」


とつぶやかれた。

そしてこの話は、無かったことになって普通の生活が始まった。



半年くらいたったある日、

朝から西くんの様子がおかしい、

顔色が悪く落ち着かない。

気になって声をかけた。


「西くん、何か今日元気ないね、どうしたの?」

「うん、まあね。そうだ、若鶏には言っとかなくちゃいけないな。」

「どうした?」

「若鶏、あの話覚えてる?」

「あの話って、ブラジャーパクってきた話?」

「しーっ!声が大きい!そう、その話。





 俺はあの後、パンツも盗んだんだ。」



「お前まだそんなことしてたのか!」



「声がでかいんだよ、若鶏!

 で、そのパンツの当たる部分に掛けて、

 また元の干してある所に戻しといたんだよ。」


「なんでそんなことするん!」


「いや、パンツに掛けたらどうなるかと思って・・・」


「そこじゃない!元に戻す意味がわからんのよ。」


「いや、戻したらどうなるかと思って。」


「もう思うなよ!思考を止めろ!実行に移すな!」


「でさ、今日の出来事なんだけど、

 その女子大生のお腹が大きかったんよ。




 俺の子だったらどうしよう?うわーん」




「何の話やねん!そんなんで生まれるかい!」



「でも、我慢汁でも妊娠するって」



「何の話やねん?空気に触れたら死ぬ、
 そんなんで生まれるかい!」





「そうなの!?ありがとう若鶏!」



そして、この話は無かったことになって、普通の生活が始まった。






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僕達はとにかく、その「玄人」というのに憧れた。

くろうととは読まない。

玄人と書いて「ばいにん」と読む。

高校生の時、坊や哲という麻雀マンガが流行った。

麻雀で生計を立てる博打打ちのことを玄人と呼び
玄人が使うイカサマを玄人技と呼んだ。

哲、房州、ドサ健、みんなカッコよかった。

麻雀のことなんか全然知らない真面目高校生なのに
玄人になった気がして、
俺は麻雀の才能があるかもしれないと思い始めた。


大学生の時、
実際に麻雀を打ち始めると、そのルールの複雑さに度肝を抜かれた。
そしてルール違反のペナルティが重い。

ペナルティはチョンボと言って、
ルール違反やゲーム続行不可能になった場合に発生する。

ルールが複雑なため、
新しく麻雀を覚えようとした時には必ず何らかのチョンボをしてしまう。

チョンボのペナルティは重く、殆どの場合、
他の参加者に満貫分という単位の点数を支払わなくてはいけない。

だから麻雀を新しく覚えようと思った人は
ある程度負けることが前提となってくる。

これが初心者にはハードルが高いと言われる理由だろう。



実際私もルールを把握し点数計算ができるまで3年くらいかかった。
興味があってもそれぐらいかかる。

この初心者がよくやるペナルティをどうにか柔らかくして
もっと初心者を呼びたい。麻雀人口を増やしたい。

大学生のときに所属していた麻雀サークルの藤木君が
そのように考えペナルティを柔らかくするルールを考案した。


それは、
「倒牌以外のチョンボは原則として続行」
「倒牌した場合も罰符ではなくトータルポイントからマイナスするだけ。
 同卓者の順位に影響しない」


そのルールの甲斐あってか、女性の部員も増えてきた。


そして女性の部員が同卓している最中、事件は起こった。

女性1人と男性3人でスタート。
その女性が親番だった。

1巡目、全員の打牌が完了。
親の2巡目、その女性がツモ番でゴリっと2トン持ってきた。

その2トンを手牌で展開。

総勢17牌の多牌に。




「あれ~?何か多い~?」


通常ルールだと即チョンボのこの場面。

藤木くんの裁定は


「え~、ゲーム続行」



驚きを隠せない同卓者。

その女性はもうどうやっても和了れないので、
真ん中の牌をガンガン切り始める。

対面から立直が入る。


「うわ~い!安牌がいっぱいある!」

字牌を連打する女性。

流局する。


対面が抗議する。


「こんなん立直したら4枚ずつ持っていけば誰でも流局まで持っていけるやろ!」



それもそうだ。


だが、そもそも何故、2トン持っていったのか、そこを確認しなければいけない。
恐る恐る聞いてみた。


Question:あの、何でもう1巡目終わってるのに
     2トン取っていったんですか?


Answer:え?だってかゆみ止め飲んで来たっちゃもん



藤木、初心者はサークルに入れてもええけど、
頭おかしいやつはいれるなよ。







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どうも、若鶏のからあげです。

いつの間にかブログ開設2周年、
そして2017年を迎えておりました。

去年はいろいろなことがあって大変な年でした。
またいろいろな意味で成長できた一年でした。

ここで去年の事を総括して、また今年も頑張ろうと思っています。

去年は何と言っても熊本地震。
この影響が一番大きかったです。

4月14日9時半
息子が寝ないので僕達夫婦は寝たふりをしてたんですが
息子がそれを無視してリビングに行こうと立ち上がり
寝室とリビングの間のタンスに差し掛かったときにグラッと来ました。
震度6弱。

僕は最初ボーっとしていたんですが、嫁が息子の名前を呼んだので
ハッと気がついて、息子に覆いかぶさりました。

揺れが長く、
これは建物が倒壊したら終わりだな。
息子を守りたいけど、倒壊するなら安全な場所なんてないな。
建物が倒壊するのだけは勘弁して欲しい。

こんな事を思いました。

揺れが収まった時、後ろを見たら嫁がタンスを支えていました。
何か逆のような気がしたけど、うまくいったと思いました。

ただ、この咄嗟のときに家族を守る行動をすぐに起こせなかった自分に
非常に腹が立ちました。

いつも僕はそうだ。
初見殺しを突破できない。

次、こんな事が起きたら真っ先に家族を助けないといけない。
俺が家族を守らなくて、誰が守るんだ。
そんな危機管理意識で、家族が守れるのか?
改めて命を守る行動ということを再認識させられた経験でした。

(この強い決意は次の日の本震発生時に生かすことができました。)

その次に気になったのは会社のことです。

4~5年程前に四国で地震があった際に、
僕はちょうど四国にいて、震度5を経験したんですが
そのときに会議で「大きな地震があったときには
会社は大変になっている場合があるので、手伝いましょう」
みたいな感じになってたので

行ったほうがいいのかなと思いながら、会社に行きました。

するとやっぱり大変なことになっていて、
みんなどうしたらいいのかわからない状態。

その中で一人の後輩が指示を的確に出し、
上下関係なく使っていたのが、印象深かったです。

治世の能臣、乱世の奸雄というのはこういう人のことをいうのかと思いました。
ちょっと違うか。

そのあとは、ずっと対策本部で幹部の人達と一緒に仕事ができたのが
今となってはいい経験だったなあと思います。

熊本地震に関連する話も何個か考えていますが、
長くなるのでまとまった時間がほしいです。

それと、もう一つの出来事として
仕事の話ばかりになってしまいますが、
部下に優秀なひとが入ってきて非常に良かったです。
いろいろと教えていこうと思っています。

去年の総括はこんなもんでしょうか。

今年は新しい家族も増えるので、
地震が起きた際の守り方を考えなければいけません。

皆様にとってよりよい一年となりますようにお祈りしております。
それでは、引き続きブログをお楽しみください。


星野源


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人は、あり得ないと思っていることが実際に起きた時、
また自分の力ではどうしようもない巨大な力を前にした時、
その現象、力に対して、まずは恐怖し、そして畏敬の念を抱く。

今までニュースでしか知らなかった巨大地震。
今回、実際経験した事で、地震に対する考え方も変わった。

どこかで地震が起きる度、その地域の人の事を考えられるようになった。

震災を経験して、わかったこと。
それは謙虚になるしかないのだ。

あり得ないこと、と切り捨て、想定外にすることは容易い。

だが、無いとは言い切れないのできちんと準備をする。

こういう謙虚な気持ちを持たなくてはいけない。
それが畏敬の念を抱くという気持ちだろう。


熊本地震を経験して改めてそう思った。


「改めて」と書いたのは、
僕は昔この畏敬の念を1度、抱いたことがあるからだ。



時は大学生のときまで遡る。

女にはモテなかったけどこの時期に酒と煙草とギャンブルを覚えた。

友達のヨウヘイと毎日パチンコに出かけて
勝ったら焼肉、負けたら吉野家。

そんな生活だった。


その日もヨウヘイに朝から
「今日はどこに打ちに行こうか」
と電話入れたら、

ヨウヘイが
「それじゃあ、昨日、角川先輩が言っていたパチ屋に行ってみようか」
と言ったのでその店に行くことになった。

車で20分、店に到着。

随分とレトロな店構えだった。
入口は引き戸。
このデジタルな時代にすごい店だった。
だがきれいなパチ屋しらない僕達には新鮮だった。

ガラガラガラ。
店のドアを開ける。

隣でヨウヘイが「オスイチ、オスイチ」と呟きながら入店した。


入ってすぐ違和感を感じる。

そうだ天井が低いんだ、そして店が暗い。


そして客が僕達しかいない。


気を取り直してとりあえず打つことにした。

5000円札を全て500円玉に両替する。

天才バカボンの台に座った。


お金を入れ打ち始める。

玉が全て流れていく。
真ん中の方に寄っていかない。

ハンドルを微調整しながら玉を発射するも、
風車が玉を全部下に弾いていく。



ここでピーンと来た。


この天才バカボンという台は釘が左右対称な台なわけで、
左側の釘は調整してあるけど、右側が攻略ルートのときがままあるわけなんですよ。

さすがパチンコの申し子。
と自画自賛しながらハンドルをフルに右に切る。








まったく効果無し。




一度も入賞口どころか、その周辺にさえ近づけない。


と、思った瞬間、

1発の跳弾が入賞口目掛けて飛び込んだ。


きたぞ!










ガキィッ!













何が起きたのかわからなかった。











ヘソ釘に玉が乗ったのだ。


スタートチャッカーまでたどり着けないこの糞台。



若鶏は激怒した。
必ず、邪智暴虐の玉を除かねばならぬと決意した。


急いで呼び出しボタンを押す。


店員が来る。


「これ見てみぃ!どうなっとるんこれ、店長出せぇ!」


玉を指差しながら叫ぶ。

店員が店長を呼びに行った。









すると数分後







ヤクザが来た。










ヤクザが話し出す。


「お客様。」


ドスの利いた野太い声だった。


「はい。」


僕は言葉遣いを丁寧にしようと心がけた。


「台を開けてもよろしいでしょうか。」

「はい。」


ヤクザが台を開ける。






「お客様、見ててください。」




そう言うと




玉を指でグッと押し込んだ。




そして、こちらを振り返りながら








「お客様。入るじゃないですか。」



と言い始めた。










「はい。」


僕は、謙虚に元気よく返事をした。





人は、あり得ないと思っていることが実際に起きた時、
また自分の力ではどうしようもない巨大な力を前にした時、
その現象、力に対して、まずは恐怖し、そして畏敬の念を抱く。

これを経験して、わかったこと。
それは謙虚になるしかないのだ。


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「そう、奇しくも同じ日の出来事なんです。」

Wi-Fiが来た日


中路主任が外国のお客様と流暢な英語で会話を
楽しんでいるその頃、事件は起きていた。

「はい・・・何から話せば良いか・・・
 そうですね、それでは当時の状況から・・・」

若鶏K氏(当時33・仮名)の独白が始まった。

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僕は当時、丸田さんという女性と一緒に
大きなプロジェクトを推進していました。

職場の業務システムの更新という骨のある仕事です。

システムの更新は通訳のようだった。

部門ごとの要望を取りまとめ、SEが分かるように説明し
SEからの回答や方針を、現場に分かるように説明する。

そうやって決めた仕様が2週間くらいで構築され
それをまた部門ごとにテストして要望をまとめる。

その繰り返しだった。

システムを旧から新に切り替える日までに
全ての人が納得できる形で作り込まなくてはいけない。
そして何より、このプロジェクトを手伝うためだけに
他の部署から異動となった丸田さんの存在もあった。

会社のお金も人も時間もたくさん使っている。

重圧だった。

そしてさらにこのプロジェクトと並行して
業務エリア全面のWi-Fiスポットの導入が鶴の一声で決まった。

調整、調整、飲み、調整。

僕達の業務時間は調整に追われ、手を動かす仕事は深夜に及んだ。


Wi-Fiを導入する前日。

その日は
旧システムと新システムを並走させるために
新システムに火を入れる大切な日でもあった。

夕方までに現場との調整を終え、直前の新たな仕様変更を
急ピッチで進める開発陣。

システムの導入の合間を縫ってWi-Fi工事の進捗確認をする。

Wi-Fiの工事は完了したと連絡があった。
良かった。
これで中路主任の期待にも応えることができた。

残るは新システムの方だけだ。


午前4時。

新システムの火入れが完了。
これから1ヶ月間、並走させ運用状況をモニタリングできる。

僕達は安堵した。

これからさらに調整はあるものの
一旦は新システムの形を作ることができたからだ。

開発陣にねぎらいの言葉をかけ、解散。

僕達二人も朝から仕事の為、会社で仮眠をすることにした。


「やっと一山越えたぞ」

一人になってようやく仕事から開放されたが、
やり遂げた興奮からか中々寝付けない。

そうだそうだ。

今日Wi-Fiも入れたんだよなぁ。
テストも兼ねて、ちょっと見てみるか。

携帯を見るとWi-Fiの電波をビンビンに受信していた。

「あらいいですね。」

通信速度を見るためには動画がスムーズに見られるかどうかだ。

これが肝心だと思った僕は
いつものトーキョーナントカチューブを立ち上げてみる。

早い!

シームレスに動画を再生できる。
これならお客様にも十分にオススメできる。

そう確信した僕は、
8回前後の前前前立腺の律動を
そのぶきっちょなティッシュめがけて出して来たんだよ。


8回目でようやく訪れた賢者タイムの中、
僕は事の重大さに気がついた。

このゴミ箱に咲いたいっぱいの
青春の白いバラたちをどう処理するか。

これをこのまま放置していたら、
あとでなんて言われるかわからん。

近くにあったスーパーの袋に摘んだバラの花弁を
一つ一つ丁寧に収めた。

ここで、千石君が僕によく言っていた言葉を思い出した。

「若鶏さんって、最後、ぜったい油断してツメが甘くなりますよね。」

そうだった。

僕は油断する男だ。

このスーパーの袋は会社では捨てない。
証拠は残さない。

明日コンビニに捨てに行く。

そう決意して、就寝した。


Wi-Fiを導入した日、

僕はギリギリで間に合った朝の全体ミーティングで連絡を流した。

「今日から、お客樣の声に応えてお店にWi-Fiを導入します。
 お客様から問い合わせがあったらかくかくしかじか・・・」

発表が終わって上司を見ると、満足そうな顔で大きく頷いていた。
新システムも並行して実施できたことに手応えを感じていた。


仕事場にいくと丸田さんが出勤していた。
「すごいクマですね!昨日大変だったんでしょう。」
「そんなことないさ」

さわやかな笑顔でスマイルを返す。
僕の手さげの中にはとんでもないスーパーの袋が入っている。
早くこいつを処理しないといけない。

丸田さんが続ける。
「若鶏さん、さっき電話があってて、
 中路主任がWi-Fiの案内の英語版はないかって問い合わせあってます。」
「ああ、さっきなんかやってたのは見たよ。対応する。」

そうこうしているうちに、
仕事がどんどん舞い込んできた。

一生懸命に仕事に打ち込む若鶏。

僕のデスクと丸田さんのデスクの間には無造作に置かれた
処理をするはずのパンドラボックス。

僕はこのパンドラボックスを死守しなければいけない。
死と隣り合わせの危険な仕事だ。

重圧だった。

結局その日はそのまま夜8時まで仕事をすることになった。


やっと仕事から開放され、荷物をまとめ
フラフラしながら一直線に家に帰る。
そして泥のように眠った。

嫁の声で眼が覚めた。

起きると、僕の手さげの中のスーパーの袋は消え、
キレイに畳まれた泊まり用の下着が入っていた。

僕は帰りにコンビニには立ち寄っていないんです。

今思い返してもとても不思議な事件でした。



システムアドミニストレーターの仕事ってこんなに大変だけど
不思議なことがいっぱいあります。

もしこのブログを見ている人の周りに
システムアドミニストレーターの人がいたら
やさしくしてあげてください。


そしてこのブログを誕生日を迎えた
嫁に捧げます。

ハッピーバースディ!


拍手[3回]

あの夏、僕たちは麻雀に命を賭けていた。


賭けない、飲まない、吸わない。

この3つの掟を守って麻雀をする。
所謂健康マージャンというやつである。

人によっては
「賭けない麻雀では強くならない」
「賭けないと面白くない」

そういう人もいる。
それは博打としての考え方、面白さだろう。

賭けずに麻雀をする面白さとは、純粋な勝負ということに尽きる。
真剣に打てば打つほど、勝ちが純粋なのだ。


そんな真剣に競技麻雀に取り組んでいる僕達の元に
後輩の藤木くんから連絡があった。

「今年の夏、千葉でいろんな大学の麻雀サークル集めて 
 麻雀合宿があるみたいだけど行きますか?」

(…今まで、いろいろな大会に参加したけど合宿は初めてだな)

「よし、皆で行こうか。」

「わかりました!メンバー集めときます!」


そうやって、千葉の麻雀博物館隣の道場で麻雀合宿が始まった。

麻雀、麻雀、麻雀、ずっと麻雀だらけの時間を過ごす中で

異変に気がついたのは1日目、午後8時過ぎだった。

風呂に入るために着替えを準備しようとしたところ







無いのだ。





パンツが。





着替えのパンツを1枚も持ってきていないことに気がついた。

あるのは今履いている、このトランクスだけ。


流石に藤木くんのパンツは借りれない。
また、借りれても履けない。


千葉までの長旅でダメージを受けたパンツをずっと履くわけにもいかないので
しかたなく、脱衣所の洗面台でパンツをしゃぶしゃぶ洗った。

直接ジャージを履き、中はノーパンで風呂からでる。

みんなが寝る大部屋に戻ると、誰にも気づかれないように、
窓にパンツを挟んで干した。

次の日、ノーパンの僕は、何食わぬ顔をして麻雀を打ち、
そしてお昼の時間に大部屋に戻って何食わぬ顔をしてパンツを履く。

そして、何食わぬ顔をして風呂でしゃぶしゃぶパンツを洗い、
何食わぬ顔をして、パンツを干し、ノーパンで寝る。

そして次の日…







これが後に、ノーパンしゃぶしゃぶ事件として後世に伝わっている。






拍手[3回]

2016年4月14日
熊本地震が発生した。

熊本地震の影響は凄まじく、
僕達が働いている職場も大きな被害を受けた。

建物やその設備、備品などなど様々なものがやられた。
水や電気、ガスなどのライフラインも復旧まで時間がかかった。

この3つの中で一番復旧が遅れたのが「水」

ライフラインが復旧した後も給水設備のダメージで
水だけが出ない状態が何日も続いた。

若鶏は対策本部入りし、全力で復旧をすることになった。

水が使えないといろいろなことが起こる。

トイレが使えない。
手を洗えない。
冷却装置に水が必要なので、
空調が使えない、冷蔵庫が使えない。

職場という集団生活する場で水が無いのは致命的なので
とりあえずはトイレ用の水ということで、
近くから水を汲んで、トイレ用の水瓶に入れるという
ジャッキーの修行のような仕事をみんなで頑張った。

でもキレイに流すためにはバケツ2杯半くらい水を使うので

こうなってくると、
職場に来てトイレにいく→水がなくなる
→水を汲む→トイレにいく→水がなくなる…

と一つの循環系をなして、鶏が先か卵が先かのような
トイレするやつは仕事に来るな、仕事増えるだろ状態となった。
早く復旧して欲しい、皆そう願っていた。


そして冷蔵庫。

生鮮食材はどんどん傷んでくる。
そこで、捨てるのはもったいないので、皆で分けることになった。

野菜、肉、魚、牛乳などいろいろなものを職場の皆で仲良く分け合った。

地震を経験して若鶏は改めて皆の絆が深まったと思いました。




水が復旧するまで
夜勤で働く皆さんは、予約のキャンセルなどいろいろな処理をしていました。

その中でも地震が発生した当日に夜勤として働いていた千石君は、
何か覚醒したらしく皆のためにいろいろな仕事をしていました。

その千石君が対策本部の若鶏の所に来て、
「若鶏さん、ちょっといいすか」と声を掛けてきた。

「どうした?」

「若鶏さん、この前僕夜勤に入ってたんですけど

 対策本部で冷蔵庫の食材配ってたじゃないですか。」


「おう。」

「で、ウチの夜勤の連中が牛乳を貰ったらしいんですけど

 そこの片隅で放置して、賞味期限切れてるんすよ。」


「うわ、意味ないじゃん。最悪。」

「でしょ?もったいないから配ってるのにですよね。

 だから、飲むわけにもいかないからせめてトイレ用で使おうと思って。」

「で、トイレに行ったんですけど、

 前の奴が、流して無いんですよ。」


「うわー、最悪だな。」


「僕も最悪だと思って、牛乳をバーって便器に入れたらうんこが



 カフェオレと同じ色になったんですよ。



 それから僕、カフェオレ飲めなくなりましたよ。」


「お前、マジやめろ、オレも飲めなくなるやん。」



熊本地震の影響でカフェオレが飲めなくなる二人。

爪痕はこんなところにもあった。

拍手[3回]

どうも、若鶏のからあげです。
11月12日はブログを開設してから1周年です!

いやー、早かったですね。

途中、放置しましたが、何とか書く気力を取り戻し、
少しずつではありますが、更新できました。

これからも気負わず続けていけたらと思います。


拍手[4回]

その昔、中路主任がレストランで中路くんと呼ばれ、
バイトリーダーとして働いていた時のこと、

お客様に長い間呼び止められていた後輩の女の子が
青い顔をして戻ってきた。



セクハラでもされたのか。
その後輩がちょっぴり気になっていた中路くんは、
心配になり声をかけた。

「大丈夫か?何か変なことでも言われたか?」

すると、後輩は首を横にふる。


「いえ、何か、掛け声とか、ナントカ言われているんですけど、
 ちょっとわからないので、中路さん行ってもらえますか?」


ここは後輩にいいところを見せたいところ。


「ふーん、何かわからないけど、ちょっと行ってみるわ」

そう応え、先ほどのお客様の方に向かった。


お客様と目が合う。


「お!君ならわかりそうだな!」


すかさず応える。


「なんなりと、お申し付けください」



「あのさー、ドラゴンボールでさー、
 神龍呼び出す時の掛け声ってなんだったっけ?」















「タッカラプト ポッポルンガ 
 プッピリット パロでございますか?」









「そう!!それ!!
 お前良く知ってるな!いやーすっきりした!
 ありがとう!」



「ありがとうございます。それでは失礼致します。」



後輩と目が合う。

「中路さん、すごい、すごい!
 お客様すごいよろこんでるじゃないですか!」


中路さんもまんざらではない様子。

「中路さん、どうやったんですか?」


「いやね、ドラゴンボールの神龍を呼び出すときの掛け声を聞かれたので
 タッカラプトポッポルンガプッピリットパロって答えたんだよ。」



「うわー、さすが中路さん!すぐに答えられるなんて
 キモチワルイですね。」




がんばれ、中路主任。
まけるな、中路主任。


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どうも若鶏のからあげです。

一部の人達から要望があって
PCで見ている人には右側に、
スマホで見ている人には一番下に

ブログ記事のまとめを載せるようにしました。
最近の記事は年代が紫色です。
そのうちもう少し見やすくしたいと思います。




今日は仕事でエクセルの行を検索するマクロの改修をしたんですが
ものすごい処理が遅い。

見てみると

for文の中に(to 35000程度)

If InStr(Sheet1.Range("B" & i ).Value, strName) > 0 Or InStr(Sheet1.Range("C" & i ).Value ,strName) > 0 Or ~~~~~~~~~~~~~~~・・・ then
のような条件式の中で関数を8回ほど呼び出すif文が8行くらい含まれており
僕の事務所のcore i3が5分以上悲鳴をあげていたので

頭のほうで先に変数にInStr関数の結果を代入してあげたら
10秒ぐらいで処理ができるようになった。


こんな嫌がらせ記述したの誰だよ。




俺だった。




6年前の俺はtoの値がそこまで大きくなるのを
予想していなかったようだ。

ともあれ早くなってよかった。

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年代別のブログ記事のまとめです。


年代 年齢 記事タイトル カテゴリー
1991 10歳 火花 暴力、親父
1991 10歳 勇者よ、目覚めなさい 下ネタ、親父
1992 11歳 勇者の挑戦 下ネタ
1993 12歳 そして伝説へ 下ネタ、親父
1994 13歳 ココロオドル 汚物
1996 15歳 ネガティブチェイン 暴力、親父
1998 17歳 顧問の先生 暴力
1999 18歳 グランドスラム 親父
2000 19歳 じょいふる 暴力、友人
2001 20歳 カラオケとオールバック 暴力、友人
2001 20歳 約束のあの場所で 友人
2002 21歳 炎の八索 麻雀
2002 21歳 名前のある怪物 友人、汚物
2003 22歳 風にきえないで 麻雀
2003 22歳 ボランティア  
2004 23歳 クイズ 友人
2004 23歳 おさむ、大地に立つ! 友人、汚物
2005 24歳 空と君の間に 汚物
2006 25歳 ヒカリへ 社長、上司
2006 25歳 永遠ブルー 中路主任
2008 27歳 ペーパーボードコア 汚物
2008 27歳 目の前にある全てのものが 汚物
2008 27歳 設定6 千石君
2009 28歳 チキン南蛮物語 下ネタ、食堂
2010 29歳 オートロックが開かない 親父
2010 29歳 サニタリー 千石君、汚物
2010 29歳 研修の成果 同僚
2012 31歳 ザナルカンドにて1 下ネタ、汚物
2012 31歳 ザナルカンドにて2 下ネタ、汚物
2013 32歳 池中玄太95キロ 同僚
2013 32歳 コラボレーション 上司
2013 32歳 サムライドライブ 千石君
2014 33歳 視察団 上司
2014 33歳 GOサイン 社長、上司
2014 33歳 Wi-Fiが来た日 中路主任
2014 33歳 空気をください 社長、上司
2014 33歳 チキン南蛮物語2 食堂
2014 33歳 アドバイス 中路主任
2014 33歳 もう一曲遊べるドン 社長、上司
2014 33歳 インフルエンザの予防接種 社長、上司
2014 33歳 ゆるキャラ 社長、上司
2015 34歳 親子丼物語 食堂
2015 34歳 プロジェクト 上司
2015 34歳 ~拝啓三十四の君へ~ 下ネタ

ネタ帳消化率 44/80 55%

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小高い丘に建つ、私立もえぎの高校・・・。
丘のふもとに、普段の通学路とは別に、
今では使われなくなった一本の旧道があります。

旧道の入り口にひっそりと建つのが、男社と呼ばれる古いお社。
それは、学校の裏に建つ女社と対になるように建てられたと言われています。

そして2つのお社を結ぶ旧道の途中に素敵な伝説があります。
運命のその日、桜舞い散る中で愛を誓い合った二人は永遠に結ばれる・・・
これが、もえぎの高校に伝わる坂の伝説です。



この伝説を聞いて、私立もえぎの高校に入学した若鶏のからあげ。

期限は3年間。


高校3年間のうちに、女の子と仲良くなり、
伝説の坂で告白されればクリアという




そんな伝説のゲーム

ときめきメモリアル3を一生懸命やっていた

大学2年の冬。


サークルの後輩の北室君が
僕の一人暮らしのアパートに毎日、
弁当持参で遊びに来るようになった。

僕のプレイしているときめきメモリアルを見る為だ。


「うわー、まっきーのほっぺがもう真っ赤になってる!」

「若鶏さん、これはいける。Aまでならいける!」

と僕の実況を楽しそうに見ている、北室君。


僕が1週間くらいかけて、2人くらいクリアした頃。

北室君が貸してほしいと言い始めたので貸してあげた。




それから2週間ほど、北室くんの姿を見なかった。





サークル活動をしていたある日、
久しぶりに北室君が、顔を出した。


「おー、北室君、ときメモどうだった?」


「いやー、若鶏さん、死ぬかと思った。」



「どういうこと?」


「僕って、ゲームは絶対アンプ繋いで大音量でやるんですよ。」


「はぁ」


「で、いつもは、僕が普通のゲームを始めると、

 隣のアパートのヤツが大音量で音楽を掛けてくるんですよ。」



「それは、お互い様やな。」



「で、今回ときメモをやるじゃないですか、大音量で。」



「そうですね。」



「で、ゲームの女の子と仲良くなると


 きたむ~って呼ばれるじゃないですか。」


「はぁ。」



「そうすると、隣のやつがちょうどベランダに出てて


 はぁ~?って言い出したんですよ。



 僕が、女の子を連れてきたとでも思ったんでしょうね。


 その日は壁を殴られました。」




「さすがですね。」




「で、次の日も画面の女の子が


 きたむ~って呼ぶじゃないですか。


 するとすぐに壁を殴られるんですよ。


 でも壁殴られるのもだんだん慣れてきて



 結局、クリアしたんですよ、ときメモ3を。」



「お、さすがです。」



「で、クリアしたのは嬉しかったんだけど、

 健全なゲームだったんで、フラストレーションが貯まるじゃないですか。」



「はい?」



「で、パソコンでエッチなゲームをやり始めたんです。」



「さすがです。」




「で、パソコンから、アンアンと大音量で流したら、

 また隣のヤツがベランダに出てて、



 はぁ~?って言い出したんですよ。」




「(笑)」



「多分、女の子を連れて来て、そして何かを始めたと思ったんでしょうね。


 壁を殴られるのはなくなりました。






 その代わりに、クラリネットの演奏が始まったんです。



 昼夜問わず。


 流石に楽器の音はすごいですよ。


 寝れないですもん。死ぬかと思いましたよ。」




僕はそんなことをしているから配牌が悪くなるんだよ!
と言いたい気持ちをこぶしを握りしめながらぐっとこらえた。



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プロフィール
HN:
若鶏のからあげ
性別:
男性
趣味:
料理
自己紹介:
時は来た!それだけだ!

HNの由来:
好きな食べ物から

ブログ名の由来:
僕の国という意味です。

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