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日記だったり、ネタだったり、備忘録だったり。 若鶏のからあげ先生が日常をユーモラスに描きます。
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8回生の角川先輩が大学を辞めたと聞いたのは、

その後のことだった。



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数日前、

角川先輩が突然家に来た。

「今まで、ごめんな。ありがとね。」

ダンボール二箱分のエロ本を置いていった。

そしていつもの様に僕の家の灰皿から長いシケモクを5本ほど選んで、

持っていった。

僕はこの時、それが最後の別れになるとは、思っていなかった。




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「角ちゃん知らない?」

木田先輩から連絡があった。

「携帯掛けても全然出ない、おっかしいんよ。」

「そうですか、僕も見かけたら連絡するように言っときます。」

「ありがとう」


角川先輩の行動パターンはだいたい分かる。

朝起きて、まず俺の家に来る。

そして、うちのシケモクを回収する。

そして次は田原先輩の家にいき、シケモクを回収する。

そうやって知り合いの家を周り

一日分のシケモクが集まったら、遊びに行く。



こんなスケジュールだ。

だから探すまでもなく、ただ待てばいいのだ。

でも、それにしても2週間くらい見ていない。

何故だろうか。


少し心配になった。


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僕は、角川先輩がよく出入りしているボックス棟の

将棋部の部室を訪ねた。

将棋部にも角川先輩がシケモクを貰いに行く

将棋の学生名人がいるのだ。

だが将棋部は何やら総出で大掃除をしているらしく、

とても角川先輩の事を聞き出せる状態では無かった。



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僕は、角川先輩がよく出入りしている、

今では珍しいブー麻雀の雀荘にも足を運んだ。

だがそこにも角川先輩の姿は無かった。



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一体どこにいるんだろう。

もちろん自宅にもいないし、

パチンコ屋などなど行けるところは全て探した。

もう探す所なんてなかった。


あきらめて自宅でゆっくりしている時、

将棋部の名人から電話がかかってきた。


「若鶏くん、おつかれ。今ちょっといいかな。」


「名人、なんでしょう?」


「ちょっと聞きたいんだけど

 将棋部にモーニング娘。のDVD置いてた?」



「いえ、確かにモーニング娘。のDVDは何本か家にありますけど

 将棋部には持っていってないと思います。」



「そうか、確認だけど今家にそのDVDはあるかな?」


「ちょっと待って下さい。」


僕は家の中を探した。









無い!



僕のモーニング娘。の
DVDが1本も無い!








「名人!無いです!」





「そうか、わかった、ありがとう。また連絡する。」



僕は名人からの電話を待った。




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名人に呼ばれて将棋部の部室に行く。

将棋部は大掃除をした後できれいになっていた。


名人が話し始める。

「若鶏くん、将棋部には皆で遊べるようにいろいろなゲーム機を

 置いていたんだけど、ソフトが誰かに盗まれたんよ。」


「え、そうだったんですか。」


「犯人はすぐにわかったよ。角川さん。」


「うわ、そうだったんですね。」


「いっとき牢屋に入ってたみたい。」


「まじすか。」


探してもいなかった理由がわかった。


「総額8万円の被害。お母さんが泣いて返していったんだけど

 このモーニング娘。のDVDだけ、誰のかわからなかったんだけど。」


「あ、これ僕のです。でも全部じゃないですね。」


「誰のかわからなかったから、買い戻さなかったんだよ。

 ごめんけど、許してもらえるかな。」


「僕もどこにあるかわからなかったくらいだから、全然だいじょうぶです。」



「じゃあ、3000円渡すから、これで許してほしい。」


「あ、じゃ、頂きます」


財布の中身は少し増えたものの、寂しい気持ちになった。


まさか牢屋にいたなんて。



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角川先輩は何故そんなことをしたのだろう。


僕はいなくなった2週間前の事を思い出した。









そういえば角川先輩は僕と麻雀して
2万程借金を増やし、




累計が8万に到達していた。



何かわかったような気がした。



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角川先輩が置いていったダンボールを開けると

殆どが僕が貸したエロ本だった。


いつのまにか盗んでいってたんだ。



懐かしいエロ本を手に取り、パラパラとめくると

大事な場面でページとページが張り付いて見れなくなっていた。






借りたエロ本に掛けるのは
人間として終わっていると思った。





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無題
盗みをする人間は人のグズ
人のエロ本にかけるのはさらに下の下の下じゃ
beck 2017/01/17 (Tue) 12:24 編集
無題
盗みをするのは人のクズ
人のエロ本にかけるのはさらに下の下の下じゃ
beck原慎二 2017/01/17 (Tue) 12:26 編集
無題
ブレーキを踏まない心。人のエロ本に躊躇なく掛けれる精神こそが博徒には必要なんだ
若鶏のからあげ 2017/01/17 (Tue) 12:44 編集
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若鶏のからあげ
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