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日記だったり、ネタだったり、備忘録だったり。 若鶏のからあげ先生が日常をユーモラスに描きます。
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仕事中に電話がかかってきた。


千石君からだ。



急には出られなかったので



5分後、すきを見てかけ直す。




でない。




少ししてまた電話がかかってきた。



今度は電話にでる。





「若鶏です。どうした?」



「若鶏さん、事故りました。助けてくれませんか?」



事故と聞いて驚いた。



「どうした?どこでやった?」



「自転車で単独で事故りました。山の中です。

 手が折れてるかもしれない。

 頼れるのが若鶏さんしかいなくて。」



「わかった、でも仕事だから助けに行くのは早くても

 6時から出発だから、少しかかるぞ。」



「大丈夫です。幸い駅の近くなんで、チャリは置いて

 電車でそっちに向かいます。」



「こっちに来るのか・・・なら俺、ジムに行けるな。

 ジムに行ったあとでいい?」




「なら、僕も手が折れてるかもしれないですけど、

 ジムに行きます。」




「よし、ならそのあとチャリを回収しに行こう。」



「ありがとうございます!」




という、わけのわからない約束をして、


終業時間となった。



千石くんは職場の近くに到着していた。


二人でジムに向かい、


僕は普通にトレーニングする。



千石は手が痛そうだ。




「千石、今も手が痛いの?」


「そうですよ、動かないです。」



「それは病院に行ったほうがいいな。」


「そうすね。」



「そんな手でどうやって電話したの?」



「いやー、若鶏さん、Androidじゃなかったら死んでましたよ。」




「なんでよ?」



「事故ったあと手が痛くてスマホを操作できないんです。

 若鶏さんに電話しなくちゃ、若鶏さんに電話しなくちゃって思いながら


 でもスマホが言うことをきかない。」


「ほう。」



「で、ピーンとひらめいたんですよ。




 

 スマホにむかって






 OK、googleと叫んだんです。





 すると、




 検索画面が出てきたので、






 電話、若鶏!




 
 と叫んだんです。



 
 そしたら若鶏さんに電話がかかったんです。





 始めてですよ、OKGoogleを使ったの。」





山の中、自転車で単独事故を起こして


両手が折れたってすぐに助けを呼べる。



そう、iPhoneならね。







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僕達の伝説の先輩、野上さん。

仕事の効率というのを考えないので毎日夜遅くまで残って仕事をする。


「おれ、毎日こんだけ仕事してるんだけん!」が口癖。


仕事している時間の長さが野上さんのセールスポイントらしい。


職場の宿直の人が夜見回りをするときにも


「まだ残ってるのか!」


と驚かれるくらい残って仕事をしている。



ある時、宿直の城田部長が事務所を通りかかると


野上さんが自分のデスクで


ガタガタと震えていた。




「おい野上!どうした?

 なんで震えてるんだ?」




城田部長が声をかける。





ガタガタガタガタ





野上先輩の震えは止まらない。






「野上!風邪か?どうしたんだ?」








「い、いえ、あ、あの」





ガタガタ震えながら答える。




「落ち着け!どうした!」




「あ、あの、お客様から頼まれた引き出物の


 手配を忘れてました・・・・」



深刻な表情で報告を始める。




「いつのだ?」




「明日の夜のです。」




「バカ!間に合わんじゃないか!」




「は、はい、すみません・・・どうしましょう。」



「そういうのは、すぐに報告しなくちゃいけない!


 毎日残って一体何してたんだ!!」


「はい、すみません。」



ひとしきり罵声を浴びた後、対策を考えることになった。



「で、どの引き出物なんだ?」



「この商品です。」



野上先輩はカタログに赤丸している商品を指差して


城田部長に見せた。




「これか・・・・あれ?」



「城田部長どうしました?」




「これ、俺の同級生の会社の商品だ。」




「そうなんですか?」



「野上!お前ラッキーかもしれんぞ!

 電話してやる!」




「あ、ありがとうございます!!」



こうして、城田部長の人脈を駆使して


発注漏れ事件は無事に解決、引き出物を大至急送ってもらう手配ができた。




「おい、でもこれは重大な問題だ。


 どうする?」



「始末書を書きます。」



「そうだな、そのほうが良いかもな。わかった。」



2日後、お客様の会合も終わり、

野上先輩が社長に始末書を報告した後、




「いや~、まじ城田さんいなかったら危なかったっすよ~」



と野上さんが事務所で僕達に先輩面吹かせてると、





職場に一本の電話がかかってきた。









前日の会合をしたお客様からだった。




「事前に打ち合わせした引き出物が違うんですけど


 どうなってるんですか?」






野上先輩はひとしきり謝り、対応を検討すると伝えると、






また、






ガタガタガタガタと震え始めた。






城田部長が騒ぎを聞きつけてやってきた。




「野上!お前、俺にカタログみせたよな?」



「・・・・はい。」



「あれじゃなかったのか?」




「・・・・わかりません!」





「わかりませんじゃないだろ。

 お前が丸つけてたの、一体なんだったの?」




「わかりません!」




「結局俺がやったこと無駄じゃないか!」




「はい、すみません・・・・」




ガタガタガタガタ震えながら、


野上さんはまた始末書を書くことになった。










1回の仕事で2枚始末書を書く。

遅くまで残って。





伝説の先輩、野上さんの仕事はまだまだ終わらない!




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「やまちゃん、獣王打たせて~。」


そういって僕達はやまちゃんの家に遊びに行った。


時は2002年。


スロット全盛期。


今のスロットからは考えられない


大量獲得機だらけのパチスロ界。


やまちゃんもスロットにハマった一人。


家には獣王というスロット台が置かれていた。


みんな獣王を目当てにやまちゃんちに集合していた。



ある日いつもの様にやまちゃんちに遊びに行くと、


獣王のメダルが3枚しかない。



「やまちゃん、メダルどうしたん?」




「うん、向かいのゲーセンのスロットで使った。」



「いやいや、意味わからん。使ったら家でできんやん。」




「できるよ。」







「えっ!?」





「こうやって3枚いれて、空けて、


 ホッパーからだして、



 また入れて、50クレたまったらできる」




「いや、それできてない。何で使っちゃうのよ。」





「いやぁ、ゲーセンのスロットに入るかなって思って入れてみたら


 入ったから嬉しくなって、つい使っちゃったのよ。」




「そうか。ま、とりあえずやるか。」



ひたすら作業して50クレためて獣王を打ち始める。



設定6の為、すぐにボーナスを引いた。



絵柄が揃う度に、ホッパーからメダルを取って入れてを繰り返す。



1ボーナスを消化するのに1時間強掛かった。





「やまちゃん、これ無駄だわ。」



「ゲーセンでメダルをとって持って帰らなくちゃきびしいね。」



「それもいかんやろ」



そんな話をしていると急に外が騒がしくなった。




窓から顔を出すと、



パトカーがゲーセンに停車しており


スロット台から指紋を採取しているのが見えた。








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僕達はそれぞれ違う。

得手不得手、できること、できないこといろいろある。

でもその基本的な得手不得手を超えて、

この人にしかできない、ものすごい能力があることがある。

所謂、特殊能力というものだ。


僕の特殊能力は、変な人、癖のある人と仲良くなる能力だ。

千石くん、中路係長、藤木くんなどなどこのブログに登場する

際立っておかしな人と、仲良くなりやすい。



僕はこの能力を「猛獣使い」という名前で呼んでいる。



人の特殊能力は、ある特定の場面で発現するものがある。



僕の好きな麻雀のプレー中でも、麻雀に絡んだ能力が現れる場合がある。












後輩の煙川君の場合。

僕達先輩が卒業し、麻雀部の部長となった煙川君。

新しく入った新入生、河津君に熱心に麻雀を教えていた。


麻雀はなんとなくやるゲームではない。

一打一打、必ず理由がある。

意味がないことはするな。



この教えは麻雀部の先輩から脈々と受け継がれている、伝統だ。

煙川君もその教えを伝え、河津君はメキメキと麻雀の実力をつけて

先輩とも肩を並べる程の強豪に成長していった。



熱心に麻雀を教え、何百、何千と麻雀を打っている中で、

煙川君はある特殊能力に目覚めた。


「相手の聴牌が分かる」という能力。

通称「聴牌察知能力」




相手がもう1枚で上がりですよというのが分かるので

上がらないように邪魔したり避けたりできるというメリットがある。



この特殊能力を身につけた煙川君は、

「やっと僕の麻雀が次のステージに行ける!」

と期待に胸を膨らました。



そしていつもの様に雀荘で麻雀を打ちつづけ、

教え子の河津くんと対戦することになった。



煙川君は調子よく、最初の半荘で1位を取った。

次の半荘、


煙川、東1局、親。


巡目を進めていくと、急に上家の河津くんから聴牌の気配がした。


能力の発現。


捨て牌は何も変わったところはないが、河津から聴牌の気配がする。


慎重に打ち進める。


振り込まないように振り込まないように。


ふいに対面から六萬が出る。


上家の河津かツモ切る。


六萬をあわせ打つ。




「ロン!1000点」



河津に振りこむ。



「何で東1局から、俺から出和了りせないかんのや!」


煙川君、ブチ切れる。



これは麻雀の教え

意味が無いことはするな、に反する行為で、

あえて煙川君を狙っているただの嫌がらせ。


「俺がこんなこと教えたか!?」


「いや、前の半荘、勝ってたんで、煙川さんからは

 たとえ1000点でも上がろうと思ってたんです。」



「前の半荘と今の半荘は関係ないだろ。いかにトップを取るか。

 それが麻雀だろ!」







煙川君の怒りは収まらず、喧嘩腰で次の局が開始される。






怒りすぎが原因だろうか

その時からすでに煙川君の特殊能力

「聴牌察知能力」を失っていたらしく


ただのよくキレる麻雀好きのおっさんになってしまったらしい。




最近の煙川君の一言
「俺の麻雀人生を狂わせた河津は絶対に許さない」

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会社から「これからはブログがアツイ」

というわけのわからない理由で、

ITが強そうなやつにブログの研修に行かせようという話がでた。


そのITが強そうなやつというのが若鶏のからあげ当時25歳。

「若鶏くん、ブログの研修、鹿児島であるんだけど行ってくれるか?」

「えぇ?僕ですか?行ったらブログ書かなくちゃいけなくなるじゃないすか。嫌ですよ。」

「まぁまぁ、新幹線乗せてあげるから。九州新幹線。」

このとき九州新幹線は新八代⇔鹿児島中央のみ運行しており、

ちょっと珍しかった。

「うーん、わかりました。ブログの書き方を勉強して、

 それを社内の人に伝えられるよう、研修頑張ります。」

ワクワクしながら研修に向かった。

熊本駅からリレーつばめで出発して、

新八代でいよいよ、九州新幹線に乗る。


快適な移動。

やっぱり、九州には新幹線が必要だ。

早く博多まで開通してくれよ。

そう思いながら、過ごしていると、

前の方から客室乗務員のお姉さんが近づいてきた。

「何か、ございませんか?」

「お困りごとはございませんか?」

座席に座っている客、一人ひとりに声をかけている。

しかもただ、声をかけているだけではない。


トイレに行きたそうにしてる人にはトイレの案内をしたり

その人その人に合わせた、接客をしている。






さすがだな。





このサービス精神をうちの職場にも伝えられたらな。

研修って何も座学だけが研修じゃない。

こうやって移動するときに感じたことだって立派な学びなんだ。




そう思いながら待っていた。





「お困りごとはございませんか?」



若鶏の前の乗客に声がかかる。

次は僕の番だ。











「ゴミ、捨ててきましょうか?」





えぇ!?



ふと周りを見渡すと、僕の周りだけ、異様にゴミが散らかっていた。

弁当ガラ、おにぎりのフィルム、ジュース、ガムの包装紙。





「だ、だいじょうぶです・・・」






一人ひとりに合わせた接客。


わざと恥ずかしいプレイで、僕の羞恥心は最高潮に達した。








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来た。


ものすごい地鳴り。


ガタガタと鳴る食器。


パッと目が開いた。




地震だ。




と思うと同時に、激しい揺れ。




携帯がギュインギュイン鳴る。




身体が飛んでいきそうな激しい揺れだ。




熊本が2度めの大地震に見舞われる。




昨日の前震では動かなかった身体。



昨日の今日で、シミュレーションは出来ている。



揺れに耐えながら嫁と息子に覆いかぶさる。




停電。




長い長い揺れ。




家がミシミシときしむ。




家が壊れたら終わりだ。



このまま死ぬのは嫌だ。




たまらなくなって嫁と息子の名前を叫んだ。







揺れが収まった。



「昨日よりひどいんじゃない?」




テレビもつかない。



「そうだね。」



そう言って息子が寝ている布団をめくった。









そこに息子はいなかった。









あれ?



背筋がぞっとした。

息子がいない。





嫁が


「息子くんは!?」



と大きな声で叫ぶ。





一か八か、机の下に手をやると、暖かい感触があった。



引っ張ると息子だった。



セーフ。





「若鶏くんが息子くんを机の下に入れてくれたと?」



嫁が涙目になりながら僕に聞いた。







僕は静かに頷いた。














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8回生の角川先輩が大学を辞めたと聞いたのは、

その後のことだった。



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数日前、

角川先輩が突然家に来た。

「今まで、ごめんな。ありがとね。」

ダンボール二箱分のエロ本を置いていった。

そしていつもの様に僕の家の灰皿から長いシケモクを5本ほど選んで、

持っていった。

僕はこの時、それが最後の別れになるとは、思っていなかった。




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「角ちゃん知らない?」

木田先輩から連絡があった。

「携帯掛けても全然出ない、おっかしいんよ。」

「そうですか、僕も見かけたら連絡するように言っときます。」

「ありがとう」


角川先輩の行動パターンはだいたい分かる。

朝起きて、まず俺の家に来る。

そして、うちのシケモクを回収する。

そして次は田原先輩の家にいき、シケモクを回収する。

そうやって知り合いの家を周り

一日分のシケモクが集まったら、遊びに行く。



こんなスケジュールだ。

だから探すまでもなく、ただ待てばいいのだ。

でも、それにしても2週間くらい見ていない。

何故だろうか。


少し心配になった。


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僕は、角川先輩がよく出入りしているボックス棟の

将棋部の部室を訪ねた。

将棋部にも角川先輩がシケモクを貰いに行く

将棋の学生名人がいるのだ。

だが将棋部は何やら総出で大掃除をしているらしく、

とても角川先輩の事を聞き出せる状態では無かった。



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僕は、角川先輩がよく出入りしている、

今では珍しいブー麻雀の雀荘にも足を運んだ。

だがそこにも角川先輩の姿は無かった。



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一体どこにいるんだろう。

もちろん自宅にもいないし、

パチンコ屋などなど行けるところは全て探した。

もう探す所なんてなかった。


あきらめて自宅でゆっくりしている時、

将棋部の名人から電話がかかってきた。


「若鶏くん、おつかれ。今ちょっといいかな。」


「名人、なんでしょう?」


「ちょっと聞きたいんだけど

 将棋部にモーニング娘。のDVD置いてた?」



「いえ、確かにモーニング娘。のDVDは何本か家にありますけど

 将棋部には持っていってないと思います。」



「そうか、確認だけど今家にそのDVDはあるかな?」


「ちょっと待って下さい。」


僕は家の中を探した。









無い!



僕のモーニング娘。の
DVDが1本も無い!








「名人!無いです!」





「そうか、わかった、ありがとう。また連絡する。」



僕は名人からの電話を待った。




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名人に呼ばれて将棋部の部室に行く。

将棋部は大掃除をした後できれいになっていた。


名人が話し始める。

「若鶏くん、将棋部には皆で遊べるようにいろいろなゲーム機を

 置いていたんだけど、ソフトが誰かに盗まれたんよ。」


「え、そうだったんですか。」


「犯人はすぐにわかったよ。角川さん。」


「うわ、そうだったんですね。」


「いっとき牢屋に入ってたみたい。」


「まじすか。」


探してもいなかった理由がわかった。


「総額8万円の被害。お母さんが泣いて返していったんだけど

 このモーニング娘。のDVDだけ、誰のかわからなかったんだけど。」


「あ、これ僕のです。でも全部じゃないですね。」


「誰のかわからなかったから、買い戻さなかったんだよ。

 ごめんけど、許してもらえるかな。」


「僕もどこにあるかわからなかったくらいだから、全然だいじょうぶです。」



「じゃあ、3000円渡すから、これで許してほしい。」


「あ、じゃ、頂きます」


財布の中身は少し増えたものの、寂しい気持ちになった。


まさか牢屋にいたなんて。



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角川先輩は何故そんなことをしたのだろう。


僕はいなくなった2週間前の事を思い出した。









そういえば角川先輩は僕と麻雀して
2万程借金を増やし、




累計が8万に到達していた。



何かわかったような気がした。



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角川先輩が置いていったダンボールを開けると

殆どが僕が貸したエロ本だった。


いつのまにか盗んでいってたんだ。



懐かしいエロ本を手に取り、パラパラとめくると

大事な場面でページとページが張り付いて見れなくなっていた。






借りたエロ本に掛けるのは
人間として終わっていると思った。





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高校生の時、西くんという気の合う友達がいた。

帰る方向は違ったので、一緒に遊んだりということは無かったのだが、

学校ではいつもランチを一緒に食べていた。

この西くんをいかに笑わせるか。

それが僕の、クラスでの最大の関心事だった。

そして西くんはいつも笑ってくれた。

西くんも僕のことを友達だと思ってくれていたと思う。



ある日、西くんが大事な話があると言い出した。

ははーん、さては好きな人でも出来たのかな?

友達としてここは協力してあげたいな。

なんて思いながら、

「お、何だね西くん、早くいいなさい」

と話ししやすそうな軽い感じで聞いてみた。






「お、よかった。ちょっとこれを見てくれ」






西くんが、カバンから取り出したのは











紫色のブラジャーだった。







「ちょ、これどうしたん!?」




「しーっ!声が大きい」


西くんは静かにするように求め、



「これね、向かいの家の女子大生のブラジャーをパクってきた。」


とニヤリと笑いながら小さい声でカミングアウトした。

突然の告白に、呆然としながらもかろうじて

「お、おう」

とだけ返事をすると、西くんの口から興奮冷めやらぬ様子で

溢れんばかりの言葉が紡ぎ出された。


「いつもは風呂を少し覗いて、そこでシコって帰るんだけど

 昨日はブラジャーが干してあって、それでこのブラジャーに

 掛けるとどうなるのかと思って持って帰ってきたんだよ。

 みんなに言わないでよ!」


何から突っ込んでよいかわからずに、少し考えた後、


「犯罪や」


と一言いうと、西くんは残念そうに


「若鶏くんならわかってくれると思ったのに。」


とつぶやかれた。

そしてこの話は、無かったことになって普通の生活が始まった。



半年くらいたったある日、

朝から西くんの様子がおかしい、

顔色が悪く落ち着かない。

気になって声をかけた。


「西くん、何か今日元気ないね、どうしたの?」

「うん、まあね。そうだ、若鶏には言っとかなくちゃいけないな。」

「どうした?」

「若鶏、あの話覚えてる?」

「あの話って、ブラジャーパクってきた話?」

「しーっ!声が大きい!そう、その話。





 俺はあの後、パンツも盗んだんだ。」



「お前まだそんなことしてたのか!」



「声がでかいんだよ、若鶏!

 で、そのパンツの当たる部分に掛けて、

 また元の干してある所に戻しといたんだよ。」


「なんでそんなことするん!」


「いや、パンツに掛けたらどうなるかと思って・・・」


「そこじゃない!元に戻す意味がわからんのよ。」


「いや、戻したらどうなるかと思って。」


「もう思うなよ!思考を止めろ!実行に移すな!」


「でさ、今日の出来事なんだけど、

 その女子大生のお腹が大きかったんよ。




 俺の子だったらどうしよう?うわーん」




「何の話やねん!そんなんで生まれるかい!」



「でも、我慢汁でも妊娠するって」



「何の話やねん?空気に触れたら死ぬ、
 そんなんで生まれるかい!」





「そうなの!?ありがとう若鶏!」



そして、この話は無かったことになって、普通の生活が始まった。






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僕達はとにかく、その「玄人」というのに憧れた。

くろうととは読まない。

玄人と書いて「ばいにん」と読む。

高校生の時、坊や哲という麻雀マンガが流行った。

麻雀で生計を立てる博打打ちのことを玄人と呼び
玄人が使うイカサマを玄人技と呼んだ。

哲、房州、ドサ健、みんなカッコよかった。

麻雀のことなんか全然知らない真面目高校生なのに
玄人になった気がして、
俺は麻雀の才能があるかもしれないと思い始めた。


大学生の時、
実際に麻雀を打ち始めると、そのルールの複雑さに度肝を抜かれた。
そしてルール違反のペナルティが重い。

ペナルティはチョンボと言って、
ルール違反やゲーム続行不可能になった場合に発生する。

ルールが複雑なため、
新しく麻雀を覚えようとした時には必ず何らかのチョンボをしてしまう。

チョンボのペナルティは重く、殆どの場合、
他の参加者に満貫分という単位の点数を支払わなくてはいけない。

だから麻雀を新しく覚えようと思った人は
ある程度負けることが前提となってくる。

これが初心者にはハードルが高いと言われる理由だろう。



実際私もルールを把握し点数計算ができるまで3年くらいかかった。
興味があってもそれぐらいかかる。

この初心者がよくやるペナルティをどうにか柔らかくして
もっと初心者を呼びたい。麻雀人口を増やしたい。

大学生のときに所属していた麻雀サークルの藤木君が
そのように考えペナルティを柔らかくするルールを考案した。


それは、
「倒牌以外のチョンボは原則として続行」
「倒牌した場合も罰符ではなくトータルポイントからマイナスするだけ。
 同卓者の順位に影響しない」


そのルールの甲斐あってか、女性の部員も増えてきた。


そして女性の部員が同卓している最中、事件は起こった。

女性1人と男性3人でスタート。
その女性が親番だった。

1巡目、全員の打牌が完了。
親の2巡目、その女性がツモ番でゴリっと2トン持ってきた。

その2トンを手牌で展開。

総勢17牌の多牌に。




「あれ~?何か多い~?」


通常ルールだと即チョンボのこの場面。

藤木くんの裁定は


「え~、ゲーム続行」



驚きを隠せない同卓者。

その女性はもうどうやっても和了れないので、
真ん中の牌をガンガン切り始める。

対面から立直が入る。


「うわ~い!安牌がいっぱいある!」

字牌を連打する女性。

流局する。


対面が抗議する。


「こんなん立直したら4枚ずつ持っていけば誰でも流局まで持っていけるやろ!」



それもそうだ。


だが、そもそも何故、2トン持っていったのか、そこを確認しなければいけない。
恐る恐る聞いてみた。


Question:あの、何でもう1巡目終わってるのに
     2トン取っていったんですか?


Answer:え?だってかゆみ止め飲んで来たっちゃもん



藤木、初心者はサークルに入れてもええけど、
頭おかしいやつはいれるなよ。







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人は、あり得ないと思っていることが実際に起きた時、
また自分の力ではどうしようもない巨大な力を前にした時、
その現象、力に対して、まずは恐怖し、そして畏敬の念を抱く。

今までニュースでしか知らなかった巨大地震。
今回、実際経験した事で、地震に対する考え方も変わった。

どこかで地震が起きる度、その地域の人の事を考えられるようになった。

震災を経験して、わかったこと。
それは謙虚になるしかないのだ。

あり得ないこと、と切り捨て、想定外にすることは容易い。

だが、無いとは言い切れないのできちんと準備をする。

こういう謙虚な気持ちを持たなくてはいけない。
それが畏敬の念を抱くという気持ちだろう。


熊本地震を経験して改めてそう思った。


「改めて」と書いたのは、
僕は昔この畏敬の念を1度、抱いたことがあるからだ。



時は大学生のときまで遡る。

女にはモテなかったけどこの時期に酒と煙草とギャンブルを覚えた。

友達のヨウヘイと毎日パチンコに出かけて
勝ったら焼肉、負けたら吉野家。

そんな生活だった。


その日もヨウヘイに朝から
「今日はどこに打ちに行こうか」
と電話入れたら、

ヨウヘイが
「それじゃあ、昨日、角川先輩が言っていたパチ屋に行ってみようか」
と言ったのでその店に行くことになった。

車で20分、店に到着。

随分とレトロな店構えだった。
入口は引き戸。
このデジタルな時代にすごい店だった。
だがきれいなパチ屋しらない僕達には新鮮だった。

ガラガラガラ。
店のドアを開ける。

隣でヨウヘイが「オスイチ、オスイチ」と呟きながら入店した。


入ってすぐ違和感を感じる。

そうだ天井が低いんだ、そして店が暗い。


そして客が僕達しかいない。


気を取り直してとりあえず打つことにした。

5000円札を全て500円玉に両替する。

天才バカボンの台に座った。


お金を入れ打ち始める。

玉が全て流れていく。
真ん中の方に寄っていかない。

ハンドルを微調整しながら玉を発射するも、
風車が玉を全部下に弾いていく。



ここでピーンと来た。


この天才バカボンという台は釘が左右対称な台なわけで、
左側の釘は調整してあるけど、右側が攻略ルートのときがままあるわけなんですよ。

さすがパチンコの申し子。
と自画自賛しながらハンドルをフルに右に切る。








まったく効果無し。




一度も入賞口どころか、その周辺にさえ近づけない。


と、思った瞬間、

1発の跳弾が入賞口目掛けて飛び込んだ。


きたぞ!










ガキィッ!













何が起きたのかわからなかった。











ヘソ釘に玉が乗ったのだ。


スタートチャッカーまでたどり着けないこの糞台。



若鶏は激怒した。
必ず、邪智暴虐の玉を除かねばならぬと決意した。


急いで呼び出しボタンを押す。


店員が来る。


「これ見てみぃ!どうなっとるんこれ、店長出せぇ!」


玉を指差しながら叫ぶ。

店員が店長を呼びに行った。









すると数分後







ヤクザが来た。










ヤクザが話し出す。


「お客様。」


ドスの利いた野太い声だった。


「はい。」


僕は言葉遣いを丁寧にしようと心がけた。


「台を開けてもよろしいでしょうか。」

「はい。」


ヤクザが台を開ける。






「お客様、見ててください。」




そう言うと




玉を指でグッと押し込んだ。




そして、こちらを振り返りながら








「お客様。入るじゃないですか。」



と言い始めた。










「はい。」


僕は、謙虚に元気よく返事をした。





人は、あり得ないと思っていることが実際に起きた時、
また自分の力ではどうしようもない巨大な力を前にした時、
その現象、力に対して、まずは恐怖し、そして畏敬の念を抱く。

これを経験して、わかったこと。
それは謙虚になるしかないのだ。


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あの夏、僕たちは麻雀に命を賭けていた。


賭けない、飲まない、吸わない。

この3つの掟を守って麻雀をする。
所謂健康マージャンというやつである。

人によっては
「賭けない麻雀では強くならない」
「賭けないと面白くない」

そういう人もいる。
それは博打としての考え方、面白さだろう。

賭けずに麻雀をする面白さとは、純粋な勝負ということに尽きる。
真剣に打てば打つほど、勝ちが純粋なのだ。


そんな真剣に競技麻雀に取り組んでいる僕達の元に
後輩の藤木くんから連絡があった。

「今年の夏、千葉でいろんな大学の麻雀サークル集めて 
 麻雀合宿があるみたいだけど行きますか?」

(…今まで、いろいろな大会に参加したけど合宿は初めてだな)

「よし、皆で行こうか。」

「わかりました!メンバー集めときます!」


そうやって、千葉の麻雀博物館隣の道場で麻雀合宿が始まった。

麻雀、麻雀、麻雀、ずっと麻雀だらけの時間を過ごす中で

異変に気がついたのは1日目、午後8時過ぎだった。

風呂に入るために着替えを準備しようとしたところ







無いのだ。





パンツが。





着替えのパンツを1枚も持ってきていないことに気がついた。

あるのは今履いている、このトランクスだけ。


流石に藤木くんのパンツは借りれない。
また、借りれても履けない。


千葉までの長旅でダメージを受けたパンツをずっと履くわけにもいかないので
しかたなく、脱衣所の洗面台でパンツをしゃぶしゃぶ洗った。

直接ジャージを履き、中はノーパンで風呂からでる。

みんなが寝る大部屋に戻ると、誰にも気づかれないように、
窓にパンツを挟んで干した。

次の日、ノーパンの僕は、何食わぬ顔をして麻雀を打ち、
そしてお昼の時間に大部屋に戻って何食わぬ顔をしてパンツを履く。

そして、何食わぬ顔をして風呂でしゃぶしゃぶパンツを洗い、
何食わぬ顔をして、パンツを干し、ノーパンで寝る。

そして次の日…







これが後に、ノーパンしゃぶしゃぶ事件として後世に伝わっている。






拍手[3回]

その昔、中路主任がレストランで中路くんと呼ばれ、
バイトリーダーとして働いていた時のこと、

お客様に長い間呼び止められていた後輩の女の子が
青い顔をして戻ってきた。



セクハラでもされたのか。
その後輩がちょっぴり気になっていた中路くんは、
心配になり声をかけた。

「大丈夫か?何か変なことでも言われたか?」

すると、後輩は首を横にふる。


「いえ、何か、掛け声とか、ナントカ言われているんですけど、
 ちょっとわからないので、中路さん行ってもらえますか?」


ここは後輩にいいところを見せたいところ。


「ふーん、何かわからないけど、ちょっと行ってみるわ」

そう応え、先ほどのお客様の方に向かった。


お客様と目が合う。


「お!君ならわかりそうだな!」


すかさず応える。


「なんなりと、お申し付けください」



「あのさー、ドラゴンボールでさー、
 神龍呼び出す時の掛け声ってなんだったっけ?」















「タッカラプト ポッポルンガ 
 プッピリット パロでございますか?」









「そう!!それ!!
 お前良く知ってるな!いやーすっきりした!
 ありがとう!」



「ありがとうございます。それでは失礼致します。」



後輩と目が合う。

「中路さん、すごい、すごい!
 お客様すごいよろこんでるじゃないですか!」


中路さんもまんざらではない様子。

「中路さん、どうやったんですか?」


「いやね、ドラゴンボールの神龍を呼び出すときの掛け声を聞かれたので
 タッカラプトポッポルンガプッピリットパロって答えたんだよ。」



「うわー、さすが中路さん!すぐに答えられるなんて
 キモチワルイですね。」




がんばれ、中路主任。
まけるな、中路主任。


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小高い丘に建つ、私立もえぎの高校・・・。
丘のふもとに、普段の通学路とは別に、
今では使われなくなった一本の旧道があります。

旧道の入り口にひっそりと建つのが、男社と呼ばれる古いお社。
それは、学校の裏に建つ女社と対になるように建てられたと言われています。

そして2つのお社を結ぶ旧道の途中に素敵な伝説があります。
運命のその日、桜舞い散る中で愛を誓い合った二人は永遠に結ばれる・・・
これが、もえぎの高校に伝わる坂の伝説です。



この伝説を聞いて、私立もえぎの高校に入学した若鶏のからあげ。

期限は3年間。


高校3年間のうちに、女の子と仲良くなり、
伝説の坂で告白されればクリアという




そんな伝説のゲーム

ときめきメモリアル3を一生懸命やっていた

大学2年の冬。


サークルの後輩の北室君が
僕の一人暮らしのアパートに毎日、
弁当持参で遊びに来るようになった。

僕のプレイしているときめきメモリアルを見る為だ。


「うわー、まっきーのほっぺがもう真っ赤になってる!」

「若鶏さん、これはいける。Aまでならいける!」

と僕の実況を楽しそうに見ている、北室君。


僕が1週間くらいかけて、2人くらいクリアした頃。

北室君が貸してほしいと言い始めたので貸してあげた。




それから2週間ほど、北室くんの姿を見なかった。





サークル活動をしていたある日、
久しぶりに北室君が、顔を出した。


「おー、北室君、ときメモどうだった?」


「いやー、若鶏さん、死ぬかと思った。」



「どういうこと?」


「僕って、ゲームは絶対アンプ繋いで大音量でやるんですよ。」


「はぁ」


「で、いつもは、僕が普通のゲームを始めると、

 隣のアパートのヤツが大音量で音楽を掛けてくるんですよ。」



「それは、お互い様やな。」



「で、今回ときメモをやるじゃないですか、大音量で。」



「そうですね。」



「で、ゲームの女の子と仲良くなると


 きたむ~って呼ばれるじゃないですか。」


「はぁ。」



「そうすると、隣のやつがちょうどベランダに出てて


 はぁ~?って言い出したんですよ。



 僕が、女の子を連れてきたとでも思ったんでしょうね。


 その日は壁を殴られました。」




「さすがですね。」




「で、次の日も画面の女の子が


 きたむ~って呼ぶじゃないですか。


 するとすぐに壁を殴られるんですよ。


 でも壁殴られるのもだんだん慣れてきて



 結局、クリアしたんですよ、ときメモ3を。」



「お、さすがです。」



「で、クリアしたのは嬉しかったんだけど、

 健全なゲームだったんで、フラストレーションが貯まるじゃないですか。」



「はい?」



「で、パソコンでエッチなゲームをやり始めたんです。」



「さすがです。」




「で、パソコンから、アンアンと大音量で流したら、

 また隣のヤツがベランダに出てて、



 はぁ~?って言い出したんですよ。」




「(笑)」



「多分、女の子を連れて来て、そして何かを始めたと思ったんでしょうね。


 壁を殴られるのはなくなりました。






 その代わりに、クラリネットの演奏が始まったんです。



 昼夜問わず。


 流石に楽器の音はすごいですよ。


 寝れないですもん。死ぬかと思いましたよ。」




僕はそんなことをしているから配牌が悪くなるんだよ!
と言いたい気持ちをこぶしを握りしめながらぐっとこらえた。



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小学4年生の若鶏のからあげは

毎週木曜の夕方にスイミングスクールに通っていた。


帰りはスクールバスに乗るか、たまに親父かおふくろかが

仕事帰りに車で迎えに来たりしていた。


ある日のこと、水泳も終わってさあ帰ろうと支度をしていると



「おーい!からあげ!迎えに来たぞー!」


と声が聞こえた。

親父だ。


今日は家に誰も居ない為、

仕事を早めに切り上げて弟と一緒に迎えに来てくれたらしい。


「夕飯はレストランにいくぞー!」

「やったぁ!」


社内でそんな会話をしながら

ファミレスに到着。



僕はハンバーグセット。

親父は日替わりセット。

弟は迎えに来るときに何か食べたらしく、

チョコレートパフェを注文。



コーンスープとサラダが運ばれてきたので

僕と親父は食べ始める。



弟がじっと僕達が食べるのを見ている。

「コーンスープ飲む?」

と僕が勧めても、

「チョコレートパフェがくるからいいよ。」

と答える。






「おーい!」




親父が店員を呼ぶ。

「チョコレートパフェはすぐに持って来い」

何故か半ギレで注文する。

「かしこまりました!」



しばらくして、ハンバーグとご飯が運ばれてくる。

僕はすぐに食べ始めた。


弟が少し涙目になりながら、僕を見ている。

「ハンバーグ食べる?」

と聞いてみても

「チョコレートパフェを食べるもん。」

と返ってくる。



親父が弟に、

「まだパフェ来てないのか?」

と確認する。

「きてない」

弟は即答。


すると親父はにっこりと笑って

「わかった、ならちょっと待っといてな。」



というとみるみる般若のような形相になり


「ちょっとこーい!」


と店員を呼ぶ。


「コラ、お前、どういうことや?

 さっきなんて言ったんかコラ。」


と絡み始めた。



「いや、その。」



「パフェ持ってくるっていったよな?」



「はい。」


「じゃあ何で持ってこないんだ!」


「ただいまお作りしておりまして・・・」



「お前、話にならん、店長だせ。」



このやり取りが始まった瞬間。

僕達兄弟は表情がなくなり、お地蔵様状態に。


こんなことは1度や2度の話ではなく、

ファミレスいった時はほぼ毎回。

何かほんの少し落ち度があると

そこをガンガンについていくスタイル。

これが終わるまでひたすら周りの客からの

視線やヒソヒソ話に耐えなくてはいけない。



「私が店長をしております。○○です。」

店長が登場。


「子供がね、

 お腹をすかせて死にそうになっているのに

 すぐに持ってくると言ったり、

 今作ってますと言ったり、


 どんな教育してるんですか!」


子供を出しにしながら、自分で言ったことを

相手の発言にすり替え、その揚げ足取りをするという

スーパークレームを炸裂させる。


「お客様、大変申し訳ございません。

 今急いで作らせてますので、でき次第すぐにお持ちします。」


「すぐとは何分後か。」


「5分以内です。」


「わかった。」


店長が下から行ったのが功を奏し、

親父の溜飲を下げることに成功。


すぐにパフェが弟に届けられた。

「ごめんなー、ちゃんとお父さんが怒っておいたから

 許してね。」

親父が優しい声で弟に話しかけていた。

弟もやっと食べ物にありついたからか、あるいは

親父が落ち着いたからか、少し笑顔になった。



しばらくして、僕たちのテーブルに

カレーが運ばれてきた。


僕たちは頼んでいないカレーだ。


親父の顔がみるみる般若のような顔になる。







「何だ!これはッ?」

親父がブチ切れながら立ち上がり、店員に怒声を浴びせる。





「お客様、これは先ほどのお詫びで、サービスでございます。」

「サービス!?タダなのか。」


「さようでございます。」


「わかった。」



サービスとわかった瞬間スッと席についた。




そして僕達兄弟に

いたずらっこな笑みを浮かべ

小声で






「カレーが来たな?」



と語りかけた。




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虎田主任という先輩と一緒に

北海道に2泊3日の研修旅行に行くことになった若鶏のからあげ。


1日目は移動日として、九州から北海道へ。

初めて北の大地に降り立つ!

16時ごろに札幌のホテルに到着。

17時頃に駅ビルの中の居酒屋で早めのディナーを取る。


さすが札幌。

何気なく入った居酒屋にもいくら丼がある。

普段なら絶対に食べないのだが、

虎田主任から熱心に進められ、流れに身を任せて

いくら丼を食べてみる。





うまい。



プチプチ感は苦手だが、相当うまい。

そして他のつまみもうまい。


美味しい料理とビールですっかり気持よくなった僕たちは

次の店を何処にしようかの腹のさぐり合いを始めた。


ここは札幌やぞ。

そりゃすすきのに行きたい。

だからといって自分から言うのは、違う気がする。

自分はそんなキャラじゃないし。



「いやー、まじで、次、どこいきます?」


お互いがずっとこの調子で膠着状態。


なんとか打開しないといけない。


何かないか、何かないか。

ふと居酒屋メニューに目をやる。


それはひらめきだった。



「虎田さん、では、すすきのに味噌ラーメン食べに行きましょう。」



虎田さんも、それや!という顔をしながら

「行きましょう!味噌ラーメン!」

と答えた。



「あ、ちょっと待って下さい。」

僕は携帯でお店を検索した。





「虎田さん、携帯で検索してみたんですが、


 どうやら


 ナースステーション

 というお店があるみたいです。」




虎田さんがニヤリと笑い、

「キましたね」

とミスターマリックばりのキテる感じで答えた。




「続報です。



 そのナースステーションなんですが、なんと




 クーポンを発見しました。」





虎田さんはニヤリと笑い。

「いや、キましたね。」

とミスターマリックばりに

何がキているのかわからない感じで答えた。



「どうです?


 
 えっと・・・





 ここのナースステーションは

 クーポン使えますか?


 という感じで携帯を見せながら入店するというのは」



虎田さんはニヤリと笑い、


「その作戦で行きましょう。」

と答えた。





地下鉄ですすきのに向かう。



若鶏、初めて北の大地に降り立つ!



「いやー虎田さん、ネオンが眩しいですね。」

「そうですね、ネオン焼けしますね。」


そんな小粋な冗談を言いつつ。


僕達の足取りは軽やかに、ナースステーションへ向かった。




店のある通りに到着。


「では、そろそろナースコールを。」


「そうですね。」


お店の入り口が閉まっている気がする。



「えっ!?もしかして定休日!?」



携帯のお気に入りに登録していた

ナースステーションを呼び出す。



定休日ではない。



ではなぜ?





営業時間:20時から


只今の時刻:19時30分







「早すぎたんだ!」


クロトワ(風の谷のナウシカより)のモノマネをしながら叫んだ!





そんな時だった。


二人組の男が近づいてきた。


男たちは、声をかけた。



「大丈夫ですか?お困りじゃないですか?」


客引きの兄ちゃんだ。


「いやーナースステーションに行こうとしたら

 まだ空いてなかったんよ」


「あらあら、それはいけませんね。

 でもあそこはボッタクリですよ。

 5000円で女の子も飲み放題のことありますよ。」


「そうなの?」



「お兄さん、



 ナースじゃないとだめなんですか?



この蓮舫論法に何も言えなくなってしまい、

虎田主任に助けを求める。



「いや、ナースじゃなくっていいっすよ」




さすが虎田主任。得点圏打率が高いなぁと感心する。




そうやって僕たちは兄ちゃんたちの思うがまま


悪戯なKISS


というお店に連れてこられる。



前金で5000円ほど支払う。



奥の席に案内された。





虎田主任の方に清楚系ギャルがつく。


若鶏の方に黒ギャルがつく。



「失礼しまーす!」

するとこのギャルたちがいきなり脚を乗せてきた。


おや?

そういえば、お師匠様が言っていたな。




(回想)

「若鶏、北海道に行くなら、教えにゃならんことがある。」

「なんでしょう、お師匠様」

「北海道は何でも1ッコ上なんだ。」

「お師匠様、それはどういうことでしょうか。」

「時が来たら分かる。」




お師匠様、僕は今、はっきりとわかりました。



北海道でキャバクラといったら

若鶏の地元で言う○○パブに相当するということですね。



とりあえず、お酒を注文する。



「わたしたちも、お酒飲んでいーい?」


「いいよ、飲み放題でしょ?」



「わたしこっちの飲み物が飲みたーい!」


飲み放題以外のメニューを指差してる。



なるほど。こういう仕組みか。

僕はどうしようか迷って、虎田主任の方を見た。



「いきましょう!」

虎田主任が快諾したため、

女の子たちにも飲み物が振る舞われた。



10分ほど経って、女の子たちが

「時間なんで交代でーす!」

と言いながら去っていった。



「虎田さん、どうすっか?」

「いいっすね!」

次の女の子が来る間、小ミーティング。

次はもっとタッチ多めで積極的にいく作戦を立てた。




「こんばんはー!」

さっきのとは違う黒ギャルが虎田さんの方につく。


「こんばんはー!」

次は俺の番だなと思い、見上げると




高見盛似の女の人が立っていた。


「しつれいしまーす!」

と言いながら脚を乗せてきた。


「おうふ」


振分親方の脚の重さに思わず声が出た。


靴のサイズが合ってないのか、靴に隙間が空いている。

そこから裸足で履いた後の運動靴の激臭がする。


「おうふ」

振分親方の足の臭さに思わず声が出た。


「どこから来たんですか―?」

「へー!お仕事なんですねー!すごーい!」

「えー!いくつに見えますー?」


などと受け答えをする度に、乗せている脚を組み替えてくる。

その度に足と靴に微妙な隙間が生まれ、激臭が漂ってくる。


助けてください!



そう思った、その瞬間、






バン!とすべての音が止み、
部屋が真っ暗になった。




そしてけたたましい店内音声とともに

高見盛が俺の膝の上にまたがり始めた。



「うおおおおおおい!」


制止するまもなくグイグイとがぶり寄ってくる。

そして耳元で

「私、ヘルニアで激しくできないの、ごめんね」

とささやいてきた。


斜め上の発言に、

「えっ?あ、うん。ほどほどに。」

と普通に答える。


真っ暗な部屋の中、あちこちで楽しそうな音が聞こえるが、

僕の席は、高見盛がカブトムシのようにしがみついているだけ。



そういえば、虎田主任はどうしているだろうか。

ふと、虎田主任の様子が気になり、

高見盛越しに奥のテーブルみると、

そこはもう混沌とした世界が広がっていました。


テツandトモのなんでだろうの動きみたいになっていましたからね。

女の子を乗せたまま。



そうこうしているうちに、このダウンタイムと呼ばれる

一連の儀式が済みまして、


次の女の子たちがくることになりました。



コツコツコツ


すごいハイヒールの音が聞こえる。









「芦田愛菜です!」



エンカウントしたのは、身長180cm、体重100kgほどの
マツコ・デラックス級の巨人。自称芦田愛菜。



さっきまでハッスルしていた虎田主任も、

笑いながら俺の方を見ている。


そしてその芦田愛菜(マツコ・デラックス)が

当然のように俺のテーブルにくる。


なぜだ。



そうだった。

俺は昔から化物を呼び寄せやすい体質だったっけ。


合コンでもモンスターハンターと呼ばれるポジションに

いることが多かったな。



マツコ・デラックスの脚が僕の腿に乗せられる。


重い。


血が止まる。




でもまあ足が臭いのよりかはマシだった。






すっと、黒い服の男性が入ってきた。






「お時間ですが、延長されますか?」








「しません!」

するわけがない。




「かしこまりました。お客様お帰りです。
 
 ありがとうございましたー!」



ドン!




マツコ・デラックスが転びながらぶつかってきた。

「すいませーん、足しびれちゃって!」


自分の重さでしびれたらしい。

最後にそういうのいらない。




お会計はお二人で1万円です。


虎田さんと5000円ずつ出し合う。




「ありがとうございましたー!」


札幌に戻る地下鉄の中で、僕たちは考えた。

何でこんなことにお金を使っているんだろう。



今 負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうな僕は

誰の言葉を信じ歩けばいいの?

ひとつしかないこの胸が何度もばらばらに割れて

苦しい中で今を生きている。


拝啓三十四の君へ伝えたい事があるのです。

負けないで 泣かないで 消えてしまいそうなときは

自分の声を信じ歩けばいいの

いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど

笑顔を見せて 今を生きていこう






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今年、城田部長が県の偉い人達200人と一緒に
東南アジアのある国に1週間視察に行った。

城田部長は結構重要なポジションで、
現地で説明などをしなければならないらしい。

大きなホテルで何日にもわたって開かれるレセプション。
城田部長もいつもの調子でしっかりと会社をPR。

仕事を終え、現地最後の夜。

ホテルのオーナーが視察団メンバーを特別にバーに招待。

「さあいきますよ!」

オーナーが声を掛けると、
視察団のメンバーでハッピーバースデーの歌を歌い始めた。

城田部長はこの日誕生日だった。

最後のプロジェクトはこのサプライズだった。

みんなにおめでとうと言われ、
プレゼントされた花を着ていた赤のポロシャツに入れ、
胸からはみ出させご満悦のご様子。

バーの従業員が声をかけてくる。
通訳によると、
「握手してほしい」とのこと。

「ありがとう!」

城田部長もにこやかな笑顔で答える。

すると、バーの従業員がどんどんどんどん城田部長に集まってくる。

「握手してくれ」
「握手おねがい」

最初は笑顔で握手していた城田部長も何で
誕生日にこんなに握手を求められるかわからないので、

通訳に「なぜ僕と握手をしたいのか聞いてほしい」とお願いした。


すると、通訳から








「彼らは








『ジャッキー・チェンと握手ができてうれしい』







 と言っています。」





そうだった。
城田部長はジャッキーにそっくりだった。



たぶんこうだ。

「今日オーナーが連れて来た人は外国の人らしいぞ。」
「今日お祝いされている人、どっかで見たことあるぞ。」
「ジャッキーチェンじゃない?」
「そうだ!格好も一番派手だし。間違いない。」
「握手してもらってくる。」
「握手してくれたよ!」
「ずるい!俺も、俺も!」












「俺はジャッキーじゃねぇぇ!」





東南アジアのその国の夜にジャッキー似の男の咆哮が響き渡った。





東方的威風

ロンジョィダィディジュィ ムンジンヘィギン
シンドンフォン ジュィモン
ジョンワナーミィ ブッファッジヘィ
ダィガーホェィチョン
サゥジュナッザッ ガイワァッ
サゥジュヨンチョッ メイモン
ロンジョッハゥユィ
サイゥホェィヒン
ドンフォンデ ワイフォン 
バーッゴィコンデイ
バッパー ナフォンボ ホンヨン
サンー ジョンガンゲイ
ロンジョン ドンフォンデ ワイフォン


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「からあげさん、見てくださいよ!」


そういうと後輩の池中が、iPhoneを取り出した。



「俺の彼女、超優しいんすよ。」





「え、お前、彼女いたっけ?」





「いますよ!この前の飲み会で言ったじゃないですか。」






「あ、出会い系の大阪の50歳のBOOWYのおっかけの人?」




「そうそう!」






「その人、彼女なの?」






「そうですよ。」





そういえば、池中は熟女好きということを忘れていた。



そう言いながら池中はiPhoneを操作している。





「ほら!見てください!」




写メには

池中くんお誕生日おめでとう

と書かれたケーキが映し出されていた。




「すげえ!お誕生日ケーキじゃん。」



「この前の僕の誕生日の時に送ってきてくれたんですよ。

 しかも手作り。」




「すげえ!おいしかった?」







「?」













「いや、美味しかった?」











「写メですよ。」










「えっ?」







「ケーキ作ったよ―って

 写メ送ってきてくれたんですよ。」








「ケーキは?」








「向こうで彼女が食べてましたよ。

 食べてる様子も送ってきてくれました。」










「食べてないの?」








「食べれるわけないじゃないですか、写メですよ。」




「・・・お前、さすがだな。」






「でしょ、やさしいんですよ。

 こうやって誕生日とか気を使ってくれるんですよ」








「お前がいいなら、いいんじゃない。」







「ありがとうございます!」






もしもピアノが引けたなら
思いの全てを歌にして
きみに伝えることだろう

雨が降る日は雨のよに
風吹く夜には風のよに
晴れた朝には晴れやかに

だけど ぼくにはピアノがない
きみに聴かせる腕もない
心はいつでも半開き
伝える言葉が残される

あああーああー
残される









まとめ
手作りケーキの写メ送ってきて「優しい」はおかしいやろ。

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誤フー事件(記事:風にきえないで)を起こした、水田君。
麻雀の強さは本物だった。
まさに怪物と呼ぶにふさわしい強さだった。

麻雀サークルに入るやいなや、周りのサークルメンバーを食い荒らし、
お金を巻き上げていく。

徐々にサークルメンバーが麻雀サークルに顔を出さなくなっていく。


僕たちはお金を賭ける麻雀をするために麻雀をしているんじゃない。


ただこういう状況になったとき、より強い力で押さえつける必要がある。

そこで水田討伐メンバーが結成される。


会長、若鶏。

世界麻雀選手権日本代表、藤木。

学生プロ雀士、ヨウヘイ


現時点での最強のメンバーが集められた。


ただ、そのメンバーの力を持ってしても、
勝てるかどうかわからない。

そこで、ヨウヘイから、
飲んだ後に麻雀という作戦が提案された。


やまたのおろち作戦。


べろべろに酔わせたあとで、麻雀を打ち、
刈り取る。

という完璧な作戦だ。


決行は、サークルの定例会後の飲み会の後に決まった。

サークルの飲み会は、
大学内の学生会館内の会議室で、
飲み物持ち込みで行うことになった。

ヨウヘイが実家から送られて来たという
泡盛を片手に現れる。


「さすがだな、ヨウヘイ。」

「念には念をいれないと。」


ヨウヘイが水田君に泡盛をガンガンに進める。

水田君も特に何も考えず、ガンガンに飲む。


飲み会開始から30分で水田君がベロンベロンに酔っ払う。


「ちょっとトイレ行ってきます。」

案の定水田君がトイレに駆け込んだ。

「おいおい、大丈夫か?」

なんて言いながらトイレに送り出す。



トイレに入ったあと、水田君の体調を確認するために

トイレに向かう。








プッ・・



プリプリプリプリ・・


と怪音が聞こえた。





僕たちは震え上がった。

ヤツは気分が悪くてトイレに行ったのではなく
大をするために、トイレに行ったのだ。



ヤツは酒も飲めるのか・・・・

やまたのおろち作戦も通用しないなんて、
これはいよいよガチの麻雀を打たなければいけない。



そう腹をくくった時、
僕の体の中からありえないほどの熱を感じた。

いつもそうだ。

大きな勝負をするとき、僕の体温は1~2度、
時には4~5度ほど体温が上昇する。

僕はこれを勝負熱と呼んでいる。



5分後、
トイレから












オロロロロロロロロ!
ウエェェェェェェ!








というさらに恐ろしい怪音が聞こえてきた。





これはいかん。
普通に吐いてる。



せっかくの泡盛が台無しじゃあないか。






と思っていたら、更にありえない音が聞こえた。














ジャボン!











そのなにか水しぶき系の音の後、
トイレの中から音が全く聞こえなくなった。






僕は、怖くなって



「おーい、水田ー?」


と恐る恐る声をかけた。



返事がない。



トイレのドアをトントンと叩いてみる。

「水田ー?」



返事がない。






僕は、そして、
ジャボンの意味を考えていた。



どう考えても水しぶき関係の音。

最悪、顔面からダイレクトの可能性がある。



麻雀サークルを潰さないためにやった飲み会で
麻雀サークルを潰しかねない事態だ。



咄嗟に隣のトイレの個室に入る。

便座に飛び乗り、トイレ上空から水田君の状態を確認する。




セーフ!



便器に入っていたのは右手だった。
顔ではなかった。

最悪の事態は回避された。





僕はすぐに掃除用具室からデッキブラシを取り出し、

それを使ってトイレ上空から鍵を開けることに成功。








トイレのドアを開ける。








パンドラボックスを開いたように、
世界に様々な災いが降りかかる。





便器に突っ込んだヤツの右手は自分の放出した
シチューとカレーがカルボナーラのように絡みついている。

口から喉にかけてシチューのようなものが
こびりついている。

おそらく大をしている時に、吐き気を催したのだろう。
下半身は完全露出。

その下半身の穴からは未だにマグマが噴出され
ジュクジュクと湯気を立て、
床に流れ込んでいる。













「な゛ん゛でだよ゛お゛お゛ぉぉぉ」






僕は藤原竜也ばりの咆哮を上げ、

ヨウヘイと藤木を呼ぶ。


3人で水田を全裸にし、

汚れた服を用具入れにあったバケツにいれて回収。

ホースを取り出し、
水田に直接水をかけてゲロとクソを洗い流す。

多目的トイレに新聞紙を引き、
とりあえず水田を安置、汚れたトイレを掃除し始める。


途中水田の様子を見に行くと、

さらに上からと下からで土石流が見られたが、一旦放置。


トイレの掃除が完了。



全裸で安置の水田の様子を見に行くと、
土石流の上で寝返りを打っており、
激しく自打球。



多目的トイレも汚れてしまったため、
さらに水をかけ、水田ごと洗い始める。


水田君が、寒さでガタガタ震え始める。


新聞紙でグルグル巻きにして安置


コインランドリーに向かう。




コインランドリーで1時間かけ服を選択し、戻る。

多目的トイレのドアを開けると、ヤツがいない。





新聞紙の抜け殻だけがある。


ヨウヘイが新聞紙を触りながら、

「この様子だと、まだ遠くにはいっていないはずだ。」

と大まじめに言い出す。

服を着ていないのに遠くに行っていたら
それはもう変質者です。



注意深く、床を調べると、

茶色い足あとが廊下の奥まで伸びている。






ゴクリ。






すると奥からヒタッヒタッと足音が近づいてきた。






「若鶏さん!どこいってたんですかー!」





水田が、泣きそうな顔で駆け足で近づいてきた。

全裸で。





「起きたら服がないんですよ。」


「ほら、これ」

洗いたての服を渡す。




「あ、ありがとうございます!」






こうして、麻雀サークルは潰れずに済んだ。

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大学3年のころ
麻雀の世界大会が日本で開かれることになり、
麻雀サークルに所属している僕たちは
一生懸命ルールを勉強していた。

というのも麻雀世界大会のルールは、
日本の麻雀と違う中国式というルールで行われるからだ。

個人的に、特に違うな、と感じるのは発声だ。

日本では和了(あがり)のときに

「ロン」とか「ツモ」とか言うのだが、

中国式では

「フー」と発声する。

他にも点数計算や役など、日本とは違う点がたくさんあるため、
僕たち麻雀サークルのメンバーは日々、研究を行っていた。

3ヶ月ほど練習したあと、日本代表選考会に出場。
努力が実り、人一倍研究熱心だった後輩の藤木君が
日本代表選考会に出場し、日本代表に選ばれる。

人一倍あきっぽい僕は、この時点で中国式麻雀を引退。

でもその後の藤木君がことある毎に

「中国式ならやる」

「中国式が本当の麻雀だ」

「もう俺は中国式しかしない」

「俺はもってる。」

などと発言し始め、うざきことこの上なし。


その後日本代表として、世界大会に出場し、
完全に中国式かぶれになった藤木くんは

麻雀サークルの代表という立場を利用し、

最高にめんどくさいことに
皆の反対を押し切り、
雀荘で中国式の大会を開催する。



「こいつ自分で大会開いて、優勝するつもりだ!」


そんな声の上がる中、
なんとか中国式のルールがわかる12人が集まった。

4回戦の合計ポイントで決まる大会だ。

ゲームは進んで3回戦。

トータルトップの北室くんと
4位の水田君と直接対決の場面。

4位の水田君の優勝はこのゲームでトップを取ることで
ぐっと近づく。

緊張のゲーム展開の中、
水田くんが勝負牌を「ポン」

大事な勝負牌を鳴けた水田君は緊張から開放され
大きな溜息をつく。







「ふぅ~」






その瞬間、全員フリーズ。

中国式の和了の発声である「フー」と
水田くんの溜息の発声が同じだった。

みんな和了だと思っているため、
ゲームがストップ。


「えっ!?えっ!?」


「いや、和了だろ?」



「違いますよ!溜息ですよ」


麻雀サークルはマナーも重要視しているため、
今回の溜息は、「発声、またはそれに準ずる行為」
に該当し、発声の通りの行為が出来ないため
あがり放棄という裁定が下された。


主催者の藤木君から
「水田くん、あがり放棄だからね?」
と指導。

「いや、溜息ですよー。」

と言い始める。


ともあれ、ゲームは再開する。












再開1分後







「カン!」






水田君が、あがり放棄中に大明カンをしようとして、
全員がフリーズ。



「お前、あがり放棄やろ!」


「いや!溜息ですよ!」



水田、あがり放棄中に大明カンを行い、
チョンボの罰符を払う。



これが麻雀研究会に伝わる、
誤フー事件である。



大会はそのまま北室君が優勝。
藤木くんは部誌の作成で大量の仕事を振られ
いつの間にか、おとなしくなりました。
よかった。




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時間は12時ジャスト。
僕の体内時計が早く社員食堂に行けと告げる。
朝一に確認した本日の献立は、親子丼。

数ある社員食堂のメニューの中でも
上位にランクインするメニューだ。


「ちょっと親子丼食べてきます!」


忙しそうな清田部長にそう高らかに宣言し、
社員食堂に向かう。

社員食堂の扉を開けると

いつもの食堂のおばちゃん(村松さん)の姿はなく
代わりに65歳くらいのおじいさんがいた。


「いらっしゃいませ」


どうやら今日はこのおじいさんが料理をつくるらしい。


「親子丼!ねぎ無し!」


「あいよ!」


おじいさんは、注文を受けるとすぐにフライパンに向かい
親子丼をを作り始めた。


3分後、親子丼が完成。


が、


違和感を感じる。


よく見ると、親子丼の上に、


大根の葉っぱが乗っている。


「これ、なんですか?」


おじいさんに聞いてみる。



「それね、




 彩り!





確かに、ねぎを抜いた分彩りが悪くなるのは分かる。
だが、代用で大根の葉っぱはいかがなものか。


と思ったが大根の葉っぱの漬物は
結構好きなのでおかずになればと思い食べて見る。




無味。



これは
塩漬けとか何もしていない、加工ゼロの
無味の大根の葉っぱだ。


ムカついて、全て別皿に避ける。


「たはっ!やーっぱダメだったか!」


厨房の奥でおじいさんが嬉しそうにつぶやいた。




怒りに震えながら、大根の葉っぱを避けて
綺麗になった親子丼を眺めると


パラパラときざみ海苔が乗っていることに気がついた。


普通はきざみ海苔なんか乗らないのに、

まあ、今回はこの海苔に免じて許してやろう。



ようやく親子丼をいただく。







ガチィ!





歯に強烈に硬いものが当たった。




なんやこれは!?



口の中のものを吐き出す。















節子、


これはきざみ海苔やない!










フライパンや!











フライパンのカスや!







僕は心のなかでそう思いながら、
とりあえず、完食した。






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若鶏のからあげ、27歳

仕事が終わった後、

千石君と遊びに行こうと思い電話をする。

千石君は会社が休みだったらしく

パチンコをしているらしい。


千石君から

「遊びに行きたいなら車で迎えに来てください」

と上から来られたが、グッと我慢して迎えに行くことにした。


パチンコ屋に到着。


千石君がたくさんの景品をもって待っていた。


「うーい」


と言いながら僕の車の後部座席に景品を積み込んでいく。



「うお、千石、これどうした?」


「いやー、今日勝ったんですよ。

 飯食いにいきましょう。」



千石君は勢い良く、

「今日はおごりますよ!」

助手席に乗り込んできた。


千石君は

車の中で、今日の激アツストーリーを展開。


「いや、今日は引きが強くてですね、

 30回転くらいで、ロンギヌスの槍が出て

 引き戻したけど単発で、また時短中に

 格納庫が来たんですよ。」


「へぇ~、引きが良かったね~。」



「でしょ!で、ちょうどキリがいいところで

 若鶏さんから電話があったんですよ。」


「止め時やな」


「で、ちょっとトイレに行っておこうって思って、

 トイレに行ったら、そのパチ屋のトイレの便座の前が

 鏡張りなんですよ。」


「まじか。」


「自分の踏ん張る顔を見ながらするんですよ。

 なんか自分の踏ん張っている時の顔イケてないじゃないですか。

 だから、こう、顔を上目遣いとかして、なんとか

 イケてる顔にするじゃないですか。」


「切ってる途中の床屋みたいやな。」


「そうそう!で、用も済んだので、

 ウォシュレットを押すじゃないですか、



 そしたら




 ブー・・・・・・・・ン







 ドババババババババババ!






 びっくりしましたよ。





 最初、お尻に










 包丁が刺さった。






 
 と思いましたからね。



 
 もう、あまりの痛さに何が起きたか

 わからなくて



 
 便器から包丁が出てきた。




 どうしよう。



 と思ってましたからね。




 しかも熱湯ですよ。

 熱湯が暴徒を鎮圧するくらいの勢いで

 ピンポイントで穴を狙ってきよるんですよ。


 


 イデデデデデデデデ




 と叫びながら飛び上がったら



 
 バババババババババババ




 と背中にも熱湯を浴びせてくるんですよ。




 そしたら、




 「ウィーン、シュゴーーーーー」





 と何事もなかったかのように収まっていくわけですよ。




 ケツも血だらけになるし、



 若鶏さんも、ウォシュレットするときは、


 水流の強さを確かめたほうがいいですよ。



 っていうか、




 まだ背中ビチョビチョですけどね。






 「うぉい!ちゃんと拭いてこんかい!!」

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僕は映画をよく見ます。

今まで結構いろいろなジャンルの映画を見ています。

好きなのは、ざっくりと言うと

拳精
ハンニバル
スーパーの女
影武者
プラダを着た悪魔
CUBE
SAW
2001年宇宙の旅
耳をすませば

でしょうか。




特に耳をすませばは
中学生の時に映画館で見て
衝撃を受けました。




俺は今まで何をやっていたんだ!と。


世の中の中学生はこんな恋愛してるぞ!と。


初めて感じるこの危機感、焦燥感。


やばいと思った僕は、








「俺もバイオリン職人になるー!」





といいながら家を飛び出した。


地元の本屋で、バイオリンの本を探す。


もちろんそんなおしゃれな本はなく、

大正琴の本は何冊も置いてある。





多摩と九州では住む世界が違う・・・




すぐにバイオリン職人は諦めて、家に戻ってきたんですが、



耳をすませばを見て、心底
好きな人と一緒の時間を過ごせるのっていいなぁと思いました。





僕にとっては素晴らしい映画だったので、

大学に入ってからも、
耳をすませばの衝撃がすごかったと
よく話題に挙げていました。


ところが、
同じ大学のサークルの後輩の藤木君に、
耳をすませばの衝撃がすごかったという話をしたところ、



「知らない、見たことない。」



という返事が。



「ありえんやろ!」



と言うと、



「いやー、ジブリ自体みたことない」



と言い出す。




「ラピュタは?」




「わからん。」




「魔女の宅急便は?」




「あー、知らんけど、ちょっと分かるかも!」





今どきそんな人いるんかい。
知らないふりしてるんじゃないかと思い



「じゃー、藤木くん問題。


 魔女の宅急便でキキがトンボを助けるために


 ほうきじゃないもので空を飛びますが、


 それは何でしょう?」




「えー!?むずいなー!?」




「全然むずくないよ!」



「ほうき以外でしょ?」



「そうだよ」



「ちりとり!」



「あーちょっと違うな―!いい線いってるけどなー。」








「あ!」







「それでは藤木さん、正解をどうぞ!」








「フランスパン!」






回答が斜め上になったため、
クイズ終了。


このクイズ以来フランスパンを見る度に
魔女の宅急便を思い出します。





「あのフランスパンはわしが貸したんじゃ!」



セリフも間違ってリフレインされます。





僕はバイオリン職人にはなれなかったけど
太鼓持ちにはなれそうです。













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古本おさむ、20歳

給料が入ったら即、○○書店。
新作のアダルトDVDを購入し
PS2に入れる生活をしていた。

そんなおさむを見兼ねて
職場の先輩がアドバイス。




「そんな家でシコってないで、

 風俗に行ったらいいじゃない!」



その気になったおさむ、
勇気を出して風俗に行ってみることにした。

先輩にオススメのお店を聞き、
給料日を待つ。


待ちに待った給料日、
おさむは高鳴る鼓動を抑えながら、
お店に向かった。


足が震える。


コンビニでペットボトルの烏龍茶を購入。


準備OK!


勇気を出してお店に入った。



待合室で待つ。

緊張で喉がカラカラ。

烏龍茶をちょうど飲み干したところで
個室に案内された。


お姉さんに

風俗も初めてだけど
女性とこんなことするのも初めて

ということを告げる。


お姉さんに

「だったらいろいろ教えてあげる」

と言われ、期待MAXに。


最初お風呂に案内される。


おさむの緊張をほぐそうとお姉さんが

いろいろと話しかけてくれる。


イソジンの使い方を教わったり

ボディソープを付けて洗いっこしたり


そうこうしているうちに

おさむの下半身は絶好調!中畑清です!状態へ。


お姉さんに、まだダメ!とさんざん焦らされながら

ようやく、お風呂タイム終了。



横になり、お姉さんのサービスタイムが始まる。

ここでもお姉さんの焦らしテクニックが炸裂。


全身リップの後、ようやく本丸御殿へ進軍。


・・・・あれ?何か気持よくない。


想像していたよりも、全然気持ちよくない。




何か違和感がある。






そしてわかった。



違和感の正体が。







僕は今、激しい尿意に襲われている。





烏龍茶を飲み過ぎた。




初めての風俗だ。



どうせなら気持ちよくなりたい。



でも、このままおしっこ我慢してると



全然気持ちよくならない。




そこでおさむは勇気を出して、



「すいません、急におしっこに行きたくなって、


 ちょっとトイレにいっていいですか?」



と聞いてみた。




「我慢できない?」



ここでも若干の焦らしが発生。


「もう限界です。」



「えー、トイレはドアを出て、

 左の廊下をまっすぐ突き当りにいって

 階段を降りて右にあるんだけど。」



おさむ、ちょっと考える。


その間にも、尿意が限界に近づく。



「いや、やばいっす。漏れるっす。」



「えっ!えっ!じゃあ、ここでして!」



お姉さんにバスタブを指さされる。



限界に達したおさむは、





「あーーー!」






と叫びながら


バスタブに放尿








ドボドボドボドボ




と激しい音を立てながら



湧き上がる湯気、飛び散るしぶき。




お姉さんもドン引きしながら



「いっぱい出たねー。」



とリップサービス。



ここで部屋の電話が鳴りタイムリミット。



初めての風俗で、射尿。


これがおさむのデビュー戦である。





哀 ふるえる哀
それは別れ唄
ひろう骨も 燃えつきて
ぬれる 肌も 土にかえる
荒野をはしる 死神の列
黒くゆがんで 真赤に燃える


哀 生命の哀
血の色は 大地にすてて
新たな 時をひらくか
生き残る 哀 戦士たち
荒野をはしる 死神の列
黒くゆがんで 真赤に燃える


死にゆく男たちは 守るべき女たちに
死にゆく女たちは 愛する男たちへ


何を賭けるのか 何を残すのか
I pray, pray to bring near the New Day


哀 かなしみの哀
いまは 残るだけ
名を知らぬ 戦士を討ち
生きのびて 血へど吐く
疾風のごとき 死神の列
あらがう術は わが手にはない


死にゆく男たちは 守るべき女たちに
死にゆく女たちは 愛する男たちへ


戦う男たちは 故郷の女たちに
戦う女たちは 信じる男たちに


何を賭けるのか 何を残すのか
I pray, pray to bring near the New Day






おさむ「気持ちよさの種類が違った。」

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若鶏のからあげ、33歳

嫁さんが出産の準備で実家に帰ったため
久しぶりに一人暮らしに戻ることになった。

3年ぶりの一人暮らしに、僕は何故か嬉しくなって

久しぶりに○○書店に行って、
台の上に置いて、腰を使うことのできる最新型の
ホールを購入した。

家に帰ってさっそく台に置いて使ってみる。





全然、気持よくない。





結局、ホールを手を動かしてフィニッシュを迎えた。




次の日、

ロッカーで中路主任に会ったので、

中路主任がそのホールを間違って買わないように

アドバイスをした。



「中路さん、昨日●●●という

 台の上に置けるホールを使ったんだけど、

 全然ダメだったよ。気をつけなよ。」




すると中路主任は驚いた顔をして、




「若鶏さん、その●●●って結構売り出し中のヤツですよね?

 俺も持ってますよ。」



さすが中路主任。

もう手に入れておったか。




「中路主任はどうだった?」





「若鶏さん、あれはですね、



 中にもう一個ホールを入れるんですよ。」





「へあっ?」




ホールの中にホールを入れる。


中路主任が見つけた最適解がこれだ。

さすがプロである。



「そうすると、かなりイイですよ。

 俺は中をアロンアルファで固定してるんですよ。


 でも、若鶏さん、気をつけてください。






 俺、一回失敗して




 アロンアルファで切れてあそこ血だらけ


 になったことありますんで。」



「もういい!痛い!痛い!俺が悪かった。」



中路主任、お前がナンバー1だ!



その日の帰り道、僕は文房具屋に向かった。



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若鶏のからあげ、29歳

職場に企業研修で西岡さんという
学校の先生が派遣されてきた。

西岡さんは県内の中学の英語の先生をしており
今回、民間企業に1年間研修ということで
僕達の会社で働くことになったそうだ。

会社のいろいろな部署を経験したいとのことで
4ヶ月交代くらいで部署を異動していき、
最後の3ヶ月に僕達の部署に到着しました。

机とパソコンは用意したものの
僕達の部署は専門性が高く、
すぐに業務に入ることは出来ません。

そこで、上司と何をさせようか考えた結果、

英語の先生という職業を活かし、
うちのウェブサイトの英訳をさせてみてはどうか
という話になった。

そのことを西岡さんに言うと

「まかせてください!」

と快く引き受けてくれました。



僕もどうやって翻訳するか興味があったので
この機会に翻訳テクニックを盗んでやろうと考え

西岡先生の様子をずっと観察することにしました。


西岡先生はまず、ノートに全ての文章を書き写しました。
そして、単語を英語に変換して
ノートに書き込んでいきます。


なんだ、普通のやり方だな。
この調子なら、明後日には終わるな、と思っていると

先生がFAXの送信方法を聞いてきました。

なんでかな?と思いましたが、
FAXの送り方を教えてあげました。






2日後


西岡先生宛にFAXが届いています。
先生の学校のALT(外国人)の先生からです。

そして、FAXから送られてきた文章を
1日かけてワードに打ち込み、




「できました!」



と僕の前に持ってきました。






いやいや、できましたじゃないよ。


やったのはALTの先生や!


お前はこの研修で一体何を学んだんだ!


これじゃあ手柄の横取りじゃないか!



と口から出そうになって、思いとどまった。















おや?









手柄の横取り?








そういえば
それがうちの会社で一番出世する方法だった。



研修の成果が出てるじゃないか。



西岡先生は完璧に仕上がった翻訳を見せながら


「若鶏さん、この元々英語の部分がイギリス英語だったんで
 アメリカの表現に変えておきましたけどよかったですか?」


という、自分がやったアピール。


「さすがですね。」


というと、



「いやー、まだまだです。」



と人の仕事にケチをつける。






この研修で
いつ正社員にしてもおかしくない、
立派なうちの社員が育ちました。




この研修の成果を存分に活かして
生徒を導いてやってください。


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プロフィール
HN:
若鶏のからあげ
性別:
男性
趣味:
料理
自己紹介:
時は来た!それだけだ!

HNの由来:
好きな食べ物から

ブログ名の由来:
僕の国という意味です。

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