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日記だったり、ネタだったり、備忘録だったり。 若鶏のからあげ先生が日常をユーモラスに描きます。
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虎田主任という先輩と一緒に

北海道に2泊3日の研修旅行に行くことになった若鶏のからあげ。


1日目は移動日として、九州から北海道へ。

初めて北の大地に降り立つ!

16時ごろに札幌のホテルに到着。

17時頃に駅ビルの中の居酒屋で早めのディナーを取る。


さすが札幌。

何気なく入った居酒屋にもいくら丼がある。

普段なら絶対に食べないのだが、

虎田主任から熱心に進められ、流れに身を任せて

いくら丼を食べてみる。





うまい。



プチプチ感は苦手だが、相当うまい。

そして他のつまみもうまい。


美味しい料理とビールですっかり気持よくなった僕たちは

次の店を何処にしようかの腹のさぐり合いを始めた。


ここは札幌やぞ。

そりゃすすきのに行きたい。

だからといって自分から言うのは、違う気がする。

自分はそんなキャラじゃないし。



「いやー、まじで、次、どこいきます?」


お互いがずっとこの調子で膠着状態。


なんとか打開しないといけない。


何かないか、何かないか。

ふと居酒屋メニューに目をやる。


それはひらめきだった。



「虎田さん、では、すすきのに味噌ラーメン食べに行きましょう。」



虎田さんも、それや!という顔をしながら

「行きましょう!味噌ラーメン!」

と答えた。



「あ、ちょっと待って下さい。」

僕は携帯でお店を検索した。





「虎田さん、携帯で検索してみたんですが、


 どうやら


 ナースステーション

 というお店があるみたいです。」




虎田さんがニヤリと笑い、

「キましたね」

とミスターマリックばりのキテる感じで答えた。




「続報です。



 そのナースステーションなんですが、なんと




 クーポンを発見しました。」





虎田さんはニヤリと笑い。

「いや、キましたね。」

とミスターマリックばりに

何がキているのかわからない感じで答えた。



「どうです?


 
 えっと・・・





 ここのナースステーションは

 クーポン使えますか?


 という感じで携帯を見せながら入店するというのは」



虎田さんはニヤリと笑い、


「その作戦で行きましょう。」

と答えた。





地下鉄ですすきのに向かう。



若鶏、初めて北の大地に降り立つ!



「いやー虎田さん、ネオンが眩しいですね。」

「そうですね、ネオン焼けしますね。」


そんな小粋な冗談を言いつつ。


僕達の足取りは軽やかに、ナースステーションへ向かった。




店のある通りに到着。


「では、そろそろナースコールを。」


「そうですね。」


お店の入り口が閉まっている気がする。



「えっ!?もしかして定休日!?」



携帯のお気に入りに登録していた

ナースステーションを呼び出す。



定休日ではない。



ではなぜ?





営業時間:20時から


只今の時刻:19時30分







「早すぎたんだ!」


クロトワ(風の谷のナウシカより)のモノマネをしながら叫んだ!





そんな時だった。


二人組の男が近づいてきた。


男たちは、声をかけた。



「大丈夫ですか?お困りじゃないですか?」


客引きの兄ちゃんだ。


「いやーナースステーションに行こうとしたら

 まだ空いてなかったんよ」


「あらあら、それはいけませんね。

 でもあそこはボッタクリですよ。

 5000円で女の子も飲み放題のことありますよ。」


「そうなの?」



「お兄さん、



 ナースじゃないとだめなんですか?



この蓮舫論法に何も言えなくなってしまい、

虎田主任に助けを求める。



「いや、ナースじゃなくっていいっすよ」




さすが虎田主任。得点圏打率が高いなぁと感心する。




そうやって僕たちは兄ちゃんたちの思うがまま


悪戯なKISS


というお店に連れてこられる。



前金で5000円ほど支払う。



奥の席に案内された。





虎田主任の方に清楚系ギャルがつく。


若鶏の方に黒ギャルがつく。



「失礼しまーす!」

するとこのギャルたちがいきなり脚を乗せてきた。


おや?

そういえば、お師匠様が言っていたな。




(回想)

「若鶏、北海道に行くなら、教えにゃならんことがある。」

「なんでしょう、お師匠様」

「北海道は何でも1ッコ上なんだ。」

「お師匠様、それはどういうことでしょうか。」

「時が来たら分かる。」




お師匠様、僕は今、はっきりとわかりました。



北海道でキャバクラといったら

若鶏の地元で言う○○パブに相当するということですね。



とりあえず、お酒を注文する。



「わたしたちも、お酒飲んでいーい?」


「いいよ、飲み放題でしょ?」



「わたしこっちの飲み物が飲みたーい!」


飲み放題以外のメニューを指差してる。



なるほど。こういう仕組みか。

僕はどうしようか迷って、虎田主任の方を見た。



「いきましょう!」

虎田主任が快諾したため、

女の子たちにも飲み物が振る舞われた。



10分ほど経って、女の子たちが

「時間なんで交代でーす!」

と言いながら去っていった。



「虎田さん、どうすっか?」

「いいっすね!」

次の女の子が来る間、小ミーティング。

次はもっとタッチ多めで積極的にいく作戦を立てた。




「こんばんはー!」

さっきのとは違う黒ギャルが虎田さんの方につく。


「こんばんはー!」

次は俺の番だなと思い、見上げると




高見盛似の女の人が立っていた。


「しつれいしまーす!」

と言いながら脚を乗せてきた。


「おうふ」


振分親方の脚の重さに思わず声が出た。


靴のサイズが合ってないのか、靴に隙間が空いている。

そこから裸足で履いた後の運動靴の激臭がする。


「おうふ」

振分親方の足の臭さに思わず声が出た。


「どこから来たんですか―?」

「へー!お仕事なんですねー!すごーい!」

「えー!いくつに見えますー?」


などと受け答えをする度に、乗せている脚を組み替えてくる。

その度に足と靴に微妙な隙間が生まれ、激臭が漂ってくる。


助けてください!



そう思った、その瞬間、






バン!とすべての音が止み、
部屋が真っ暗になった。




そしてけたたましい店内音声とともに

高見盛が俺の膝の上にまたがり始めた。



「うおおおおおおい!」


制止するまもなくグイグイとがぶり寄ってくる。

そして耳元で

「私、ヘルニアで激しくできないの、ごめんね」

とささやいてきた。


斜め上の発言に、

「えっ?あ、うん。ほどほどに。」

と普通に答える。


真っ暗な部屋の中、あちこちで楽しそうな音が聞こえるが、

僕の席は、高見盛がカブトムシのようにしがみついているだけ。



そういえば、虎田主任はどうしているだろうか。

ふと、虎田主任の様子が気になり、

高見盛越しに奥のテーブルみると、

そこはもう混沌とした世界が広がっていました。


テツandトモのなんでだろうの動きみたいになっていましたからね。

女の子を乗せたまま。



そうこうしているうちに、このダウンタイムと呼ばれる

一連の儀式が済みまして、


次の女の子たちがくることになりました。



コツコツコツ


すごいハイヒールの音が聞こえる。









「芦田愛菜です!」



エンカウントしたのは、身長180cm、体重100kgほどの
マツコ・デラックス級の巨人。自称芦田愛菜。



さっきまでハッスルしていた虎田主任も、

笑いながら俺の方を見ている。


そしてその芦田愛菜(マツコ・デラックス)が

当然のように俺のテーブルにくる。


なぜだ。



そうだった。

俺は昔から化物を呼び寄せやすい体質だったっけ。


合コンでもモンスターハンターと呼ばれるポジションに

いることが多かったな。



マツコ・デラックスの脚が僕の腿に乗せられる。


重い。


血が止まる。




でもまあ足が臭いのよりかはマシだった。






すっと、黒い服の男性が入ってきた。






「お時間ですが、延長されますか?」








「しません!」

するわけがない。




「かしこまりました。お客様お帰りです。
 
 ありがとうございましたー!」



ドン!




マツコ・デラックスが転びながらぶつかってきた。

「すいませーん、足しびれちゃって!」


自分の重さでしびれたらしい。

最後にそういうのいらない。




お会計はお二人で1万円です。


虎田さんと5000円ずつ出し合う。




「ありがとうございましたー!」


札幌に戻る地下鉄の中で、僕たちは考えた。

何でこんなことにお金を使っているんだろう。



今 負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうな僕は

誰の言葉を信じ歩けばいいの?

ひとつしかないこの胸が何度もばらばらに割れて

苦しい中で今を生きている。


拝啓三十四の君へ伝えたい事があるのです。

負けないで 泣かないで 消えてしまいそうなときは

自分の声を信じ歩けばいいの

いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど

笑顔を見せて 今を生きていこう






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無題
若干のブレがあるね。
若鶏のからあげ 2015/10/10 (Sat) 23:27 編集
無題
試される大地怖すぎ
北海道に対する憧れが無くなりました
35代beck庄之助 2015/10/11 (Sun) 02:30 編集
無題
久しぶりに最高の仕上がりですね!
若鶏はんに憧れマックス!
バッカム 2015/10/11 (Sun) 08:53 編集
無題
35代beck庄之助さん
コメントありがとうございます。
父さん、北海道はボッタクリの町です
若鶏のからあげ 2015/10/11 (Sun) 10:16 編集
無題
バッカムさん
長かった。計1週間ぐらいかかった。
この内容、憧れますか
若鶏のからあげ 2015/10/11 (Sun) 10:19 編集
無題
安心してください!
憧れますよ!

by とにかく振り込むバッカム
バッカム 2015/10/12 (Mon) 00:49 編集
プロフィール
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若鶏のからあげ
性別:
男性
趣味:
料理
自己紹介:
時は来た!それだけだ!

HNの由来:
好きな食べ物から

ブログ名の由来:
僕の国という意味です。

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