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日記だったり、ネタだったり、備忘録だったり。 若鶏のからあげ先生が日常をユーモラスに描きます。
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小学4年生の若鶏のからあげは

毎週木曜の夕方にスイミングスクールに通っていた。


帰りはスクールバスに乗るか、たまに親父かおふくろかが

仕事帰りに車で迎えに来たりしていた。


ある日のこと、水泳も終わってさあ帰ろうと支度をしていると



「おーい!からあげ!迎えに来たぞー!」


と声が聞こえた。

親父だ。


今日は家に誰も居ない為、

仕事を早めに切り上げて弟と一緒に迎えに来てくれたらしい。


「夕飯はレストランにいくぞー!」

「やったぁ!」


社内でそんな会話をしながら

ファミレスに到着。



僕はハンバーグセット。

親父は日替わりセット。

弟は迎えに来るときに何か食べたらしく、

チョコレートパフェを注文。



コーンスープとサラダが運ばれてきたので

僕と親父は食べ始める。



弟がじっと僕達が食べるのを見ている。

「コーンスープ飲む?」

と僕が勧めても、

「チョコレートパフェがくるからいいよ。」

と答える。






「おーい!」




親父が店員を呼ぶ。

「チョコレートパフェはすぐに持って来い」

何故か半ギレで注文する。

「かしこまりました!」



しばらくして、ハンバーグとご飯が運ばれてくる。

僕はすぐに食べ始めた。


弟が少し涙目になりながら、僕を見ている。

「ハンバーグ食べる?」

と聞いてみても

「チョコレートパフェを食べるもん。」

と返ってくる。



親父が弟に、

「まだパフェ来てないのか?」

と確認する。

「きてない」

弟は即答。


すると親父はにっこりと笑って

「わかった、ならちょっと待っといてな。」



というとみるみる般若のような形相になり


「ちょっとこーい!」


と店員を呼ぶ。


「コラ、お前、どういうことや?

 さっきなんて言ったんかコラ。」


と絡み始めた。



「いや、その。」



「パフェ持ってくるっていったよな?」



「はい。」


「じゃあ何で持ってこないんだ!」


「ただいまお作りしておりまして・・・」



「お前、話にならん、店長だせ。」



このやり取りが始まった瞬間。

僕達兄弟は表情がなくなり、お地蔵様状態に。


こんなことは1度や2度の話ではなく、

ファミレスいった時はほぼ毎回。

何かほんの少し落ち度があると

そこをガンガンについていくスタイル。

これが終わるまでひたすら周りの客からの

視線やヒソヒソ話に耐えなくてはいけない。



「私が店長をしております。○○です。」

店長が登場。


「子供がね、

 お腹をすかせて死にそうになっているのに

 すぐに持ってくると言ったり、

 今作ってますと言ったり、


 どんな教育してるんですか!」


子供を出しにしながら、自分で言ったことを

相手の発言にすり替え、その揚げ足取りをするという

スーパークレームを炸裂させる。


「お客様、大変申し訳ございません。

 今急いで作らせてますので、でき次第すぐにお持ちします。」


「すぐとは何分後か。」


「5分以内です。」


「わかった。」


店長が下から行ったのが功を奏し、

親父の溜飲を下げることに成功。


すぐにパフェが弟に届けられた。

「ごめんなー、ちゃんとお父さんが怒っておいたから

 許してね。」

親父が優しい声で弟に話しかけていた。

弟もやっと食べ物にありついたからか、あるいは

親父が落ち着いたからか、少し笑顔になった。



しばらくして、僕たちのテーブルに

カレーが運ばれてきた。


僕たちは頼んでいないカレーだ。


親父の顔がみるみる般若のような顔になる。







「何だ!これはッ?」

親父がブチ切れながら立ち上がり、店員に怒声を浴びせる。





「お客様、これは先ほどのお詫びで、サービスでございます。」

「サービス!?タダなのか。」


「さようでございます。」


「わかった。」



サービスとわかった瞬間スッと席についた。




そして僕達兄弟に

いたずらっこな笑みを浮かべ

小声で






「カレーが来たな?」



と語りかけた。




拍手[4回]

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虎田主任という先輩と一緒に

北海道に2泊3日の研修旅行に行くことになった若鶏のからあげ。


1日目は移動日として、九州から北海道へ。

初めて北の大地に降り立つ!

16時ごろに札幌のホテルに到着。

17時頃に駅ビルの中の居酒屋で早めのディナーを取る。


さすが札幌。

何気なく入った居酒屋にもいくら丼がある。

普段なら絶対に食べないのだが、

虎田主任から熱心に進められ、流れに身を任せて

いくら丼を食べてみる。





うまい。



プチプチ感は苦手だが、相当うまい。

そして他のつまみもうまい。


美味しい料理とビールですっかり気持よくなった僕たちは

次の店を何処にしようかの腹のさぐり合いを始めた。


ここは札幌やぞ。

そりゃすすきのに行きたい。

だからといって自分から言うのは、違う気がする。

自分はそんなキャラじゃないし。



「いやー、まじで、次、どこいきます?」


お互いがずっとこの調子で膠着状態。


なんとか打開しないといけない。


何かないか、何かないか。

ふと居酒屋メニューに目をやる。


それはひらめきだった。



「虎田さん、では、すすきのに味噌ラーメン食べに行きましょう。」



虎田さんも、それや!という顔をしながら

「行きましょう!味噌ラーメン!」

と答えた。



「あ、ちょっと待って下さい。」

僕は携帯でお店を検索した。





「虎田さん、携帯で検索してみたんですが、


 どうやら


 ナースステーション

 というお店があるみたいです。」




虎田さんがニヤリと笑い、

「キましたね」

とミスターマリックばりのキテる感じで答えた。




「続報です。



 そのナースステーションなんですが、なんと




 クーポンを発見しました。」





虎田さんはニヤリと笑い。

「いや、キましたね。」

とミスターマリックばりに

何がキているのかわからない感じで答えた。



「どうです?


 
 えっと・・・





 ここのナースステーションは

 クーポン使えますか?


 という感じで携帯を見せながら入店するというのは」



虎田さんはニヤリと笑い、


「その作戦で行きましょう。」

と答えた。





地下鉄ですすきのに向かう。



若鶏、初めて北の大地に降り立つ!



「いやー虎田さん、ネオンが眩しいですね。」

「そうですね、ネオン焼けしますね。」


そんな小粋な冗談を言いつつ。


僕達の足取りは軽やかに、ナースステーションへ向かった。




店のある通りに到着。


「では、そろそろナースコールを。」


「そうですね。」


お店の入り口が閉まっている気がする。



「えっ!?もしかして定休日!?」



携帯のお気に入りに登録していた

ナースステーションを呼び出す。



定休日ではない。



ではなぜ?





営業時間:20時から


只今の時刻:19時30分







「早すぎたんだ!」


クロトワ(風の谷のナウシカより)のモノマネをしながら叫んだ!





そんな時だった。


二人組の男が近づいてきた。


男たちは、声をかけた。



「大丈夫ですか?お困りじゃないですか?」


客引きの兄ちゃんだ。


「いやーナースステーションに行こうとしたら

 まだ空いてなかったんよ」


「あらあら、それはいけませんね。

 でもあそこはボッタクリですよ。

 5000円で女の子も飲み放題のことありますよ。」


「そうなの?」



「お兄さん、



 ナースじゃないとだめなんですか?



この蓮舫論法に何も言えなくなってしまい、

虎田主任に助けを求める。



「いや、ナースじゃなくっていいっすよ」




さすが虎田主任。得点圏打率が高いなぁと感心する。




そうやって僕たちは兄ちゃんたちの思うがまま


悪戯なKISS


というお店に連れてこられる。



前金で5000円ほど支払う。



奥の席に案内された。





虎田主任の方に清楚系ギャルがつく。


若鶏の方に黒ギャルがつく。



「失礼しまーす!」

するとこのギャルたちがいきなり脚を乗せてきた。


おや?

そういえば、お師匠様が言っていたな。




(回想)

「若鶏、北海道に行くなら、教えにゃならんことがある。」

「なんでしょう、お師匠様」

「北海道は何でも1ッコ上なんだ。」

「お師匠様、それはどういうことでしょうか。」

「時が来たら分かる。」




お師匠様、僕は今、はっきりとわかりました。



北海道でキャバクラといったら

若鶏の地元で言う○○パブに相当するということですね。



とりあえず、お酒を注文する。



「わたしたちも、お酒飲んでいーい?」


「いいよ、飲み放題でしょ?」



「わたしこっちの飲み物が飲みたーい!」


飲み放題以外のメニューを指差してる。



なるほど。こういう仕組みか。

僕はどうしようか迷って、虎田主任の方を見た。



「いきましょう!」

虎田主任が快諾したため、

女の子たちにも飲み物が振る舞われた。



10分ほど経って、女の子たちが

「時間なんで交代でーす!」

と言いながら去っていった。



「虎田さん、どうすっか?」

「いいっすね!」

次の女の子が来る間、小ミーティング。

次はもっとタッチ多めで積極的にいく作戦を立てた。




「こんばんはー!」

さっきのとは違う黒ギャルが虎田さんの方につく。


「こんばんはー!」

次は俺の番だなと思い、見上げると




高見盛似の女の人が立っていた。


「しつれいしまーす!」

と言いながら脚を乗せてきた。


「おうふ」


振分親方の脚の重さに思わず声が出た。


靴のサイズが合ってないのか、靴に隙間が空いている。

そこから裸足で履いた後の運動靴の激臭がする。


「おうふ」

振分親方の足の臭さに思わず声が出た。


「どこから来たんですか―?」

「へー!お仕事なんですねー!すごーい!」

「えー!いくつに見えますー?」


などと受け答えをする度に、乗せている脚を組み替えてくる。

その度に足と靴に微妙な隙間が生まれ、激臭が漂ってくる。


助けてください!



そう思った、その瞬間、






バン!とすべての音が止み、
部屋が真っ暗になった。




そしてけたたましい店内音声とともに

高見盛が俺の膝の上にまたがり始めた。



「うおおおおおおい!」


制止するまもなくグイグイとがぶり寄ってくる。

そして耳元で

「私、ヘルニアで激しくできないの、ごめんね」

とささやいてきた。


斜め上の発言に、

「えっ?あ、うん。ほどほどに。」

と普通に答える。


真っ暗な部屋の中、あちこちで楽しそうな音が聞こえるが、

僕の席は、高見盛がカブトムシのようにしがみついているだけ。



そういえば、虎田主任はどうしているだろうか。

ふと、虎田主任の様子が気になり、

高見盛越しに奥のテーブルみると、

そこはもう混沌とした世界が広がっていました。


テツandトモのなんでだろうの動きみたいになっていましたからね。

女の子を乗せたまま。



そうこうしているうちに、このダウンタイムと呼ばれる

一連の儀式が済みまして、


次の女の子たちがくることになりました。



コツコツコツ


すごいハイヒールの音が聞こえる。









「芦田愛菜です!」



エンカウントしたのは、身長180cm、体重100kgほどの
マツコ・デラックス級の巨人。自称芦田愛菜。



さっきまでハッスルしていた虎田主任も、

笑いながら俺の方を見ている。


そしてその芦田愛菜(マツコ・デラックス)が

当然のように俺のテーブルにくる。


なぜだ。



そうだった。

俺は昔から化物を呼び寄せやすい体質だったっけ。


合コンでもモンスターハンターと呼ばれるポジションに

いることが多かったな。



マツコ・デラックスの脚が僕の腿に乗せられる。


重い。


血が止まる。




でもまあ足が臭いのよりかはマシだった。






すっと、黒い服の男性が入ってきた。






「お時間ですが、延長されますか?」








「しません!」

するわけがない。




「かしこまりました。お客様お帰りです。
 
 ありがとうございましたー!」



ドン!




マツコ・デラックスが転びながらぶつかってきた。

「すいませーん、足しびれちゃって!」


自分の重さでしびれたらしい。

最後にそういうのいらない。




お会計はお二人で1万円です。


虎田さんと5000円ずつ出し合う。




「ありがとうございましたー!」


札幌に戻る地下鉄の中で、僕たちは考えた。

何でこんなことにお金を使っているんだろう。



今 負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうな僕は

誰の言葉を信じ歩けばいいの?

ひとつしかないこの胸が何度もばらばらに割れて

苦しい中で今を生きている。


拝啓三十四の君へ伝えたい事があるのです。

負けないで 泣かないで 消えてしまいそうなときは

自分の声を信じ歩けばいいの

いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど

笑顔を見せて 今を生きていこう






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今年、城田部長が県の偉い人達200人と一緒に
東南アジアのある国に1週間視察に行った。

城田部長は結構重要なポジションで、
現地で説明などをしなければならないらしい。

大きなホテルで何日にもわたって開かれるレセプション。
城田部長もいつもの調子でしっかりと会社をPR。

仕事を終え、現地最後の夜。

ホテルのオーナーが視察団メンバーを特別にバーに招待。

「さあいきますよ!」

オーナーが声を掛けると、
視察団のメンバーでハッピーバースデーの歌を歌い始めた。

城田部長はこの日誕生日だった。

最後のプロジェクトはこのサプライズだった。

みんなにおめでとうと言われ、
プレゼントされた花を着ていた赤のポロシャツに入れ、
胸からはみ出させご満悦のご様子。

バーの従業員が声をかけてくる。
通訳によると、
「握手してほしい」とのこと。

「ありがとう!」

城田部長もにこやかな笑顔で答える。

すると、バーの従業員がどんどんどんどん城田部長に集まってくる。

「握手してくれ」
「握手おねがい」

最初は笑顔で握手していた城田部長も何で
誕生日にこんなに握手を求められるかわからないので、

通訳に「なぜ僕と握手をしたいのか聞いてほしい」とお願いした。


すると、通訳から








「彼らは








『ジャッキー・チェンと握手ができてうれしい』







 と言っています。」





そうだった。
城田部長はジャッキーにそっくりだった。



たぶんこうだ。

「今日オーナーが連れて来た人は外国の人らしいぞ。」
「今日お祝いされている人、どっかで見たことあるぞ。」
「ジャッキーチェンじゃない?」
「そうだ!格好も一番派手だし。間違いない。」
「握手してもらってくる。」
「握手してくれたよ!」
「ずるい!俺も、俺も!」












「俺はジャッキーじゃねぇぇ!」





東南アジアのその国の夜にジャッキー似の男の咆哮が響き渡った。





東方的威風

ロンジョィダィディジュィ ムンジンヘィギン
シンドンフォン ジュィモン
ジョンワナーミィ ブッファッジヘィ
ダィガーホェィチョン
サゥジュナッザッ ガイワァッ
サゥジュヨンチョッ メイモン
ロンジョッハゥユィ
サイゥホェィヒン
ドンフォンデ ワイフォン 
バーッゴィコンデイ
バッパー ナフォンボ ホンヨン
サンー ジョンガンゲイ
ロンジョン ドンフォンデ ワイフォン


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「からあげさん、見てくださいよ!」


そういうと後輩の池中が、iPhoneを取り出した。



「俺の彼女、超優しいんすよ。」





「え、お前、彼女いたっけ?」





「いますよ!この前の飲み会で言ったじゃないですか。」






「あ、出会い系の大阪の50歳のBOOWYのおっかけの人?」




「そうそう!」






「その人、彼女なの?」






「そうですよ。」





そういえば、池中は熟女好きということを忘れていた。



そう言いながら池中はiPhoneを操作している。





「ほら!見てください!」




写メには

池中くんお誕生日おめでとう

と書かれたケーキが映し出されていた。




「すげえ!お誕生日ケーキじゃん。」



「この前の僕の誕生日の時に送ってきてくれたんですよ。

 しかも手作り。」




「すげえ!おいしかった?」







「?」













「いや、美味しかった?」











「写メですよ。」










「えっ?」







「ケーキ作ったよ―って

 写メ送ってきてくれたんですよ。」








「ケーキは?」








「向こうで彼女が食べてましたよ。

 食べてる様子も送ってきてくれました。」










「食べてないの?」








「食べれるわけないじゃないですか、写メですよ。」




「・・・お前、さすがだな。」






「でしょ、やさしいんですよ。

 こうやって誕生日とか気を使ってくれるんですよ」








「お前がいいなら、いいんじゃない。」







「ありがとうございます!」






もしもピアノが引けたなら
思いの全てを歌にして
きみに伝えることだろう

雨が降る日は雨のよに
風吹く夜には風のよに
晴れた朝には晴れやかに

だけど ぼくにはピアノがない
きみに聴かせる腕もない
心はいつでも半開き
伝える言葉が残される

あああーああー
残される









まとめ
手作りケーキの写メ送ってきて「優しい」はおかしいやろ。

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誤フー事件(記事:風にきえないで)を起こした、水田君。
麻雀の強さは本物だった。
まさに怪物と呼ぶにふさわしい強さだった。

麻雀サークルに入るやいなや、周りのサークルメンバーを食い荒らし、
お金を巻き上げていく。

徐々にサークルメンバーが麻雀サークルに顔を出さなくなっていく。


僕たちはお金を賭ける麻雀をするために麻雀をしているんじゃない。


ただこういう状況になったとき、より強い力で押さえつける必要がある。

そこで水田討伐メンバーが結成される。


会長、若鶏。

世界麻雀選手権日本代表、藤木。

学生プロ雀士、ヨウヘイ


現時点での最強のメンバーが集められた。


ただ、そのメンバーの力を持ってしても、
勝てるかどうかわからない。

そこで、ヨウヘイから、
飲んだ後に麻雀という作戦が提案された。


やまたのおろち作戦。


べろべろに酔わせたあとで、麻雀を打ち、
刈り取る。

という完璧な作戦だ。


決行は、サークルの定例会後の飲み会の後に決まった。

サークルの飲み会は、
大学内の学生会館内の会議室で、
飲み物持ち込みで行うことになった。

ヨウヘイが実家から送られて来たという
泡盛を片手に現れる。


「さすがだな、ヨウヘイ。」

「念には念をいれないと。」


ヨウヘイが水田君に泡盛をガンガンに進める。

水田君も特に何も考えず、ガンガンに飲む。


飲み会開始から30分で水田君がベロンベロンに酔っ払う。


「ちょっとトイレ行ってきます。」

案の定水田君がトイレに駆け込んだ。

「おいおい、大丈夫か?」

なんて言いながらトイレに送り出す。



トイレに入ったあと、水田君の体調を確認するために

トイレに向かう。








プッ・・



プリプリプリプリ・・


と怪音が聞こえた。





僕たちは震え上がった。

ヤツは気分が悪くてトイレに行ったのではなく
大をするために、トイレに行ったのだ。



ヤツは酒も飲めるのか・・・・

やまたのおろち作戦も通用しないなんて、
これはいよいよガチの麻雀を打たなければいけない。



そう腹をくくった時、
僕の体の中からありえないほどの熱を感じた。

いつもそうだ。

大きな勝負をするとき、僕の体温は1~2度、
時には4~5度ほど体温が上昇する。

僕はこれを勝負熱と呼んでいる。



5分後、
トイレから












オロロロロロロロロ!
ウエェェェェェェ!








というさらに恐ろしい怪音が聞こえてきた。





これはいかん。
普通に吐いてる。



せっかくの泡盛が台無しじゃあないか。






と思っていたら、更にありえない音が聞こえた。














ジャボン!











そのなにか水しぶき系の音の後、
トイレの中から音が全く聞こえなくなった。






僕は、怖くなって



「おーい、水田ー?」


と恐る恐る声をかけた。



返事がない。



トイレのドアをトントンと叩いてみる。

「水田ー?」



返事がない。






僕は、そして、
ジャボンの意味を考えていた。



どう考えても水しぶき関係の音。

最悪、顔面からダイレクトの可能性がある。



麻雀サークルを潰さないためにやった飲み会で
麻雀サークルを潰しかねない事態だ。



咄嗟に隣のトイレの個室に入る。

便座に飛び乗り、トイレ上空から水田君の状態を確認する。




セーフ!



便器に入っていたのは右手だった。
顔ではなかった。

最悪の事態は回避された。





僕はすぐに掃除用具室からデッキブラシを取り出し、

それを使ってトイレ上空から鍵を開けることに成功。








トイレのドアを開ける。








パンドラボックスを開いたように、
世界に様々な災いが降りかかる。





便器に突っ込んだヤツの右手は自分の放出した
シチューとカレーがカルボナーラのように絡みついている。

口から喉にかけてシチューのようなものが
こびりついている。

おそらく大をしている時に、吐き気を催したのだろう。
下半身は完全露出。

その下半身の穴からは未だにマグマが噴出され
ジュクジュクと湯気を立て、
床に流れ込んでいる。













「な゛ん゛でだよ゛お゛お゛ぉぉぉ」






僕は藤原竜也ばりの咆哮を上げ、

ヨウヘイと藤木を呼ぶ。


3人で水田を全裸にし、

汚れた服を用具入れにあったバケツにいれて回収。

ホースを取り出し、
水田に直接水をかけてゲロとクソを洗い流す。

多目的トイレに新聞紙を引き、
とりあえず水田を安置、汚れたトイレを掃除し始める。


途中水田の様子を見に行くと、

さらに上からと下からで土石流が見られたが、一旦放置。


トイレの掃除が完了。



全裸で安置の水田の様子を見に行くと、
土石流の上で寝返りを打っており、
激しく自打球。



多目的トイレも汚れてしまったため、
さらに水をかけ、水田ごと洗い始める。


水田君が、寒さでガタガタ震え始める。


新聞紙でグルグル巻きにして安置


コインランドリーに向かう。




コインランドリーで1時間かけ服を選択し、戻る。

多目的トイレのドアを開けると、ヤツがいない。





新聞紙の抜け殻だけがある。


ヨウヘイが新聞紙を触りながら、

「この様子だと、まだ遠くにはいっていないはずだ。」

と大まじめに言い出す。

服を着ていないのに遠くに行っていたら
それはもう変質者です。



注意深く、床を調べると、

茶色い足あとが廊下の奥まで伸びている。






ゴクリ。






すると奥からヒタッヒタッと足音が近づいてきた。






「若鶏さん!どこいってたんですかー!」





水田が、泣きそうな顔で駆け足で近づいてきた。

全裸で。





「起きたら服がないんですよ。」


「ほら、これ」

洗いたての服を渡す。




「あ、ありがとうございます!」






こうして、麻雀サークルは潰れずに済んだ。

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大学3年のころ
麻雀の世界大会が日本で開かれることになり、
麻雀サークルに所属している僕たちは
一生懸命ルールを勉強していた。

というのも麻雀世界大会のルールは、
日本の麻雀と違う中国式というルールで行われるからだ。

個人的に、特に違うな、と感じるのは発声だ。

日本では和了(あがり)のときに

「ロン」とか「ツモ」とか言うのだが、

中国式では

「フー」と発声する。

他にも点数計算や役など、日本とは違う点がたくさんあるため、
僕たち麻雀サークルのメンバーは日々、研究を行っていた。

3ヶ月ほど練習したあと、日本代表選考会に出場。
努力が実り、人一倍研究熱心だった後輩の藤木君が
日本代表選考会に出場し、日本代表に選ばれる。

人一倍あきっぽい僕は、この時点で中国式麻雀を引退。

でもその後の藤木君がことある毎に

「中国式ならやる」

「中国式が本当の麻雀だ」

「もう俺は中国式しかしない」

「俺はもってる。」

などと発言し始め、うざきことこの上なし。


その後日本代表として、世界大会に出場し、
完全に中国式かぶれになった藤木くんは

麻雀サークルの代表という立場を利用し、

最高にめんどくさいことに
皆の反対を押し切り、
雀荘で中国式の大会を開催する。



「こいつ自分で大会開いて、優勝するつもりだ!」


そんな声の上がる中、
なんとか中国式のルールがわかる12人が集まった。

4回戦の合計ポイントで決まる大会だ。

ゲームは進んで3回戦。

トータルトップの北室くんと
4位の水田君と直接対決の場面。

4位の水田君の優勝はこのゲームでトップを取ることで
ぐっと近づく。

緊張のゲーム展開の中、
水田くんが勝負牌を「ポン」

大事な勝負牌を鳴けた水田君は緊張から開放され
大きな溜息をつく。







「ふぅ~」






その瞬間、全員フリーズ。

中国式の和了の発声である「フー」と
水田くんの溜息の発声が同じだった。

みんな和了だと思っているため、
ゲームがストップ。


「えっ!?えっ!?」


「いや、和了だろ?」



「違いますよ!溜息ですよ」


麻雀サークルはマナーも重要視しているため、
今回の溜息は、「発声、またはそれに準ずる行為」
に該当し、発声の通りの行為が出来ないため
あがり放棄という裁定が下された。


主催者の藤木君から
「水田くん、あがり放棄だからね?」
と指導。

「いや、溜息ですよー。」

と言い始める。


ともあれ、ゲームは再開する。












再開1分後







「カン!」






水田君が、あがり放棄中に大明カンをしようとして、
全員がフリーズ。



「お前、あがり放棄やろ!」


「いや!溜息ですよ!」



水田、あがり放棄中に大明カンを行い、
チョンボの罰符を払う。



これが麻雀研究会に伝わる、
誤フー事件である。



大会はそのまま北室君が優勝。
藤木くんは部誌の作成で大量の仕事を振られ
いつの間にか、おとなしくなりました。
よかった。




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途中まで書いていたうどんの日記を紛失し、
すっかりやる気がなくなっていましたが
少し復活しました。

おかしいのねん!ここ数ヶ月の記憶がないのねん!

ネタ帳はまだ健在でしたので、
ここから出していこうと思います。

ではでは。

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いつも大変お世話になっております。
若鶏のからあげでございます。

今回、讃岐うどんツアーということで、
香川県に行ってまいりました!



いつもブログを読んでくださている皆さんには
大変申し訳無いのですが、
今回のシリーズはガチで讃岐うどんのすばらしさをいかに伝えられるか
という内容です。

いつもの、中学生レベルのうんこやゲロの話や
社長に媚び諂い、太鼓持ちをしている話なんてありません。
はっきり言うと僕もいつもの汚い話とか正直、書きたくないんですよ。
書けば書くほど僕が思い出を忘れないように
備忘録として立ち上げたこのブログが汚れていってるんです。
これは悲しいですよ。
ただ何故だかわからないけどそういった類のエピソードが僕の周りに
集中しているだけなんです。だから僕はしょうがなくですね・・

・・・話がそれましたが、早速レポートをしていきましょう。


讃岐うどんを食べにいくのは3回目なので
美味しかったお店を中心に、香川出身の友達の声を取り入れて
行きたいリストを作成。

店名 オススメ 開始 終了 店休 住所
がもう ぶっかけ 8:30 13:30 日曜 坂出市加茂町420-1
一福 ぶっかけ 10:00 14:00 金曜 高松市国分寺町新居169-1
山越 釜玉 9:00 13:30 日曜 綾歌郡綾川町羽床上602-2
はりや かしわざる 11:00 14:00 日曜 高松市郷東町587-174
田村 コロッケぶっかけ 9:00 13:00 日曜 綾歌郡綾川町陶1090-3
山下 ぶっかけ 9:30 18:30 火曜 善通寺市余北町284-1
長田 釜揚げ 10:00 17:30 木曜 仲多度郡まんのう町吉野1290-1
はゆか ぶっかけ 10:00 17:00 月曜 綾歌郡綾川町羽床上2222-5
兵郷 かけうどん 8:45 13:30 日曜 坂出市寿町3-2-9


この店をgoogleマップ上に配置していき、ルートを作成。
はりやに並んだ記憶があるので、はりやに11:00くらいに到着できることを
想定し、だいたい開くのが早い店から終了が遅い店にルートを作成。

がもう(8:30)

山越(9:08)

田村(9:50)

一福(10:33)

はりや(11:16)

山下(0:35)

はゆか(13:23)

長田(14:07)

よし!我ながら完璧な計画が出来た。
今回のツアーのパートナー千石君と堀口君に伝える。


「8件かあ、行けるかな?」


不安そうに聞いてくる。


「今回ナビがあるから大丈夫!」


と自信を持って答えると、







「いや、胃がさ。」






と返ってきた。


完全にうっかりしてた。


胃のことを全く想定していなかったスケジュール。



讃岐うどんツアーが幕を開けた。


つづく。

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どうも若鶏のからあげです。

今日はバレンタインデーでしたね。
クリーニング屋さんのおばちゃんからチョコレートをもらいました。
キットカットうまかったです。

2/17から2/18まで香川にうどんを食べる旅行に行ってきます。
今回は8店舗周る予定です。

旅行の様子をこのブログで紹介する予定です。

お楽しみに!
ではでは。

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時間は12時ジャスト。
僕の体内時計が早く社員食堂に行けと告げる。
朝一に確認した本日の献立は、親子丼。

数ある社員食堂のメニューの中でも
上位にランクインするメニューだ。


「ちょっと親子丼食べてきます!」


忙しそうな清田部長にそう高らかに宣言し、
社員食堂に向かう。

社員食堂の扉を開けると

いつもの食堂のおばちゃん(村松さん)の姿はなく
代わりに65歳くらいのおじいさんがいた。


「いらっしゃいませ」


どうやら今日はこのおじいさんが料理をつくるらしい。


「親子丼!ねぎ無し!」


「あいよ!」


おじいさんは、注文を受けるとすぐにフライパンに向かい
親子丼をを作り始めた。


3分後、親子丼が完成。


が、


違和感を感じる。


よく見ると、親子丼の上に、


大根の葉っぱが乗っている。


「これ、なんですか?」


おじいさんに聞いてみる。



「それね、




 彩り!





確かに、ねぎを抜いた分彩りが悪くなるのは分かる。
だが、代用で大根の葉っぱはいかがなものか。


と思ったが大根の葉っぱの漬物は
結構好きなのでおかずになればと思い食べて見る。




無味。



これは
塩漬けとか何もしていない、加工ゼロの
無味の大根の葉っぱだ。


ムカついて、全て別皿に避ける。


「たはっ!やーっぱダメだったか!」


厨房の奥でおじいさんが嬉しそうにつぶやいた。




怒りに震えながら、大根の葉っぱを避けて
綺麗になった親子丼を眺めると


パラパラときざみ海苔が乗っていることに気がついた。


普通はきざみ海苔なんか乗らないのに、

まあ、今回はこの海苔に免じて許してやろう。



ようやく親子丼をいただく。







ガチィ!





歯に強烈に硬いものが当たった。




なんやこれは!?



口の中のものを吐き出す。















節子、


これはきざみ海苔やない!










フライパンや!











フライパンのカスや!







僕は心のなかでそう思いながら、
とりあえず、完食した。






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若鶏のからあげ、27歳

仕事が終わった後、

千石君と遊びに行こうと思い電話をする。

千石君は会社が休みだったらしく

パチンコをしているらしい。


千石君から

「遊びに行きたいなら車で迎えに来てください」

と上から来られたが、グッと我慢して迎えに行くことにした。


パチンコ屋に到着。


千石君がたくさんの景品をもって待っていた。


「うーい」


と言いながら僕の車の後部座席に景品を積み込んでいく。



「うお、千石、これどうした?」


「いやー、今日勝ったんですよ。

 飯食いにいきましょう。」



千石君は勢い良く、

「今日はおごりますよ!」

助手席に乗り込んできた。


千石君は

車の中で、今日の激アツストーリーを展開。


「いや、今日は引きが強くてですね、

 30回転くらいで、ロンギヌスの槍が出て

 引き戻したけど単発で、また時短中に

 格納庫が来たんですよ。」


「へぇ~、引きが良かったね~。」



「でしょ!で、ちょうどキリがいいところで

 若鶏さんから電話があったんですよ。」


「止め時やな」


「で、ちょっとトイレに行っておこうって思って、

 トイレに行ったら、そのパチ屋のトイレの便座の前が

 鏡張りなんですよ。」


「まじか。」


「自分の踏ん張る顔を見ながらするんですよ。

 なんか自分の踏ん張っている時の顔イケてないじゃないですか。

 だから、こう、顔を上目遣いとかして、なんとか

 イケてる顔にするじゃないですか。」


「切ってる途中の床屋みたいやな。」


「そうそう!で、用も済んだので、

 ウォシュレットを押すじゃないですか、



 そしたら




 ブー・・・・・・・・ン







 ドババババババババババ!






 びっくりしましたよ。





 最初、お尻に










 包丁が刺さった。






 
 と思いましたからね。



 
 もう、あまりの痛さに何が起きたか

 わからなくて



 
 便器から包丁が出てきた。




 どうしよう。



 と思ってましたからね。




 しかも熱湯ですよ。

 熱湯が暴徒を鎮圧するくらいの勢いで

 ピンポイントで穴を狙ってきよるんですよ。


 


 イデデデデデデデデ




 と叫びながら飛び上がったら



 
 バババババババババババ




 と背中にも熱湯を浴びせてくるんですよ。




 そしたら、




 「ウィーン、シュゴーーーーー」





 と何事もなかったかのように収まっていくわけですよ。




 ケツも血だらけになるし、



 若鶏さんも、ウォシュレットするときは、


 水流の強さを確かめたほうがいいですよ。



 っていうか、




 まだ背中ビチョビチョですけどね。






 「うぉい!ちゃんと拭いてこんかい!!」

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僕は映画をよく見ます。

今まで結構いろいろなジャンルの映画を見ています。

好きなのは、ざっくりと言うと

拳精
ハンニバル
スーパーの女
影武者
プラダを着た悪魔
CUBE
SAW
2001年宇宙の旅
耳をすませば

でしょうか。




特に耳をすませばは
中学生の時に映画館で見て
衝撃を受けました。




俺は今まで何をやっていたんだ!と。


世の中の中学生はこんな恋愛してるぞ!と。


初めて感じるこの危機感、焦燥感。


やばいと思った僕は、








「俺もバイオリン職人になるー!」





といいながら家を飛び出した。


地元の本屋で、バイオリンの本を探す。


もちろんそんなおしゃれな本はなく、

大正琴の本は何冊も置いてある。





多摩と九州では住む世界が違う・・・




すぐにバイオリン職人は諦めて、家に戻ってきたんですが、



耳をすませばを見て、心底
好きな人と一緒の時間を過ごせるのっていいなぁと思いました。





僕にとっては素晴らしい映画だったので、

大学に入ってからも、
耳をすませばの衝撃がすごかったと
よく話題に挙げていました。


ところが、
同じ大学のサークルの後輩の藤木君に、
耳をすませばの衝撃がすごかったという話をしたところ、



「知らない、見たことない。」



という返事が。



「ありえんやろ!」



と言うと、



「いやー、ジブリ自体みたことない」



と言い出す。




「ラピュタは?」




「わからん。」




「魔女の宅急便は?」




「あー、知らんけど、ちょっと分かるかも!」





今どきそんな人いるんかい。
知らないふりしてるんじゃないかと思い



「じゃー、藤木くん問題。


 魔女の宅急便でキキがトンボを助けるために


 ほうきじゃないもので空を飛びますが、


 それは何でしょう?」




「えー!?むずいなー!?」




「全然むずくないよ!」



「ほうき以外でしょ?」



「そうだよ」



「ちりとり!」



「あーちょっと違うな―!いい線いってるけどなー。」








「あ!」







「それでは藤木さん、正解をどうぞ!」








「フランスパン!」






回答が斜め上になったため、
クイズ終了。


このクイズ以来フランスパンを見る度に
魔女の宅急便を思い出します。





「あのフランスパンはわしが貸したんじゃ!」



セリフも間違ってリフレインされます。





僕はバイオリン職人にはなれなかったけど
太鼓持ちにはなれそうです。













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いつもからあげの国をご覧いただきありがとうございます。

若鶏のからあげでございます。


早いもので1月も今日で終わりです。
相変わらず頭のおかしな人達の話を書いていますが
仕事では追い込まれています。

でもきついとかそんなことは言っていられません。
周りをみるともっときつい人がたくさんいる。

今日も中路主任が夜勤明けに
一生懸命2月のシフトを作っていました。

僕は一生懸命仕事をしている姿を見るのが好きです。

中路主任はみんなのために残ってでも
シフトを完成させようとしていました。

そんな中路主任の一生懸命さに元気をもらった僕は、
そのことを伝えようと思い。





「僕は人が苦しんでいる姿を見るのが好きだ!」



と声をかけました。


















露骨に嫌な顔をされました。










これじゃただのドSじゃないか。





言葉を間違えました。

反省しています。










ドMです。








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古本おさむ、20歳

給料が入ったら即、○○書店。
新作のアダルトDVDを購入し
PS2に入れる生活をしていた。

そんなおさむを見兼ねて
職場の先輩がアドバイス。




「そんな家でシコってないで、

 風俗に行ったらいいじゃない!」



その気になったおさむ、
勇気を出して風俗に行ってみることにした。

先輩にオススメのお店を聞き、
給料日を待つ。


待ちに待った給料日、
おさむは高鳴る鼓動を抑えながら、
お店に向かった。


足が震える。


コンビニでペットボトルの烏龍茶を購入。


準備OK!


勇気を出してお店に入った。



待合室で待つ。

緊張で喉がカラカラ。

烏龍茶をちょうど飲み干したところで
個室に案内された。


お姉さんに

風俗も初めてだけど
女性とこんなことするのも初めて

ということを告げる。


お姉さんに

「だったらいろいろ教えてあげる」

と言われ、期待MAXに。


最初お風呂に案内される。


おさむの緊張をほぐそうとお姉さんが

いろいろと話しかけてくれる。


イソジンの使い方を教わったり

ボディソープを付けて洗いっこしたり


そうこうしているうちに

おさむの下半身は絶好調!中畑清です!状態へ。


お姉さんに、まだダメ!とさんざん焦らされながら

ようやく、お風呂タイム終了。



横になり、お姉さんのサービスタイムが始まる。

ここでもお姉さんの焦らしテクニックが炸裂。


全身リップの後、ようやく本丸御殿へ進軍。


・・・・あれ?何か気持よくない。


想像していたよりも、全然気持ちよくない。




何か違和感がある。






そしてわかった。



違和感の正体が。







僕は今、激しい尿意に襲われている。





烏龍茶を飲み過ぎた。




初めての風俗だ。



どうせなら気持ちよくなりたい。



でも、このままおしっこ我慢してると



全然気持ちよくならない。




そこでおさむは勇気を出して、



「すいません、急におしっこに行きたくなって、


 ちょっとトイレにいっていいですか?」



と聞いてみた。




「我慢できない?」



ここでも若干の焦らしが発生。


「もう限界です。」



「えー、トイレはドアを出て、

 左の廊下をまっすぐ突き当りにいって

 階段を降りて右にあるんだけど。」



おさむ、ちょっと考える。


その間にも、尿意が限界に近づく。



「いや、やばいっす。漏れるっす。」



「えっ!えっ!じゃあ、ここでして!」



お姉さんにバスタブを指さされる。



限界に達したおさむは、





「あーーー!」






と叫びながら


バスタブに放尿








ドボドボドボドボ




と激しい音を立てながら



湧き上がる湯気、飛び散るしぶき。




お姉さんもドン引きしながら



「いっぱい出たねー。」



とリップサービス。



ここで部屋の電話が鳴りタイムリミット。



初めての風俗で、射尿。


これがおさむのデビュー戦である。





哀 ふるえる哀
それは別れ唄
ひろう骨も 燃えつきて
ぬれる 肌も 土にかえる
荒野をはしる 死神の列
黒くゆがんで 真赤に燃える


哀 生命の哀
血の色は 大地にすてて
新たな 時をひらくか
生き残る 哀 戦士たち
荒野をはしる 死神の列
黒くゆがんで 真赤に燃える


死にゆく男たちは 守るべき女たちに
死にゆく女たちは 愛する男たちへ


何を賭けるのか 何を残すのか
I pray, pray to bring near the New Day


哀 かなしみの哀
いまは 残るだけ
名を知らぬ 戦士を討ち
生きのびて 血へど吐く
疾風のごとき 死神の列
あらがう術は わが手にはない


死にゆく男たちは 守るべき女たちに
死にゆく女たちは 愛する男たちへ


戦う男たちは 故郷の女たちに
戦う女たちは 信じる男たちに


何を賭けるのか 何を残すのか
I pray, pray to bring near the New Day






おさむ「気持ちよさの種類が違った。」

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若鶏のからあげ、33歳

嫁さんが出産の準備で実家に帰ったため
久しぶりに一人暮らしに戻ることになった。

3年ぶりの一人暮らしに、僕は何故か嬉しくなって

久しぶりに○○書店に行って、
台の上に置いて、腰を使うことのできる最新型の
ホールを購入した。

家に帰ってさっそく台に置いて使ってみる。





全然、気持よくない。





結局、ホールを手を動かしてフィニッシュを迎えた。




次の日、

ロッカーで中路主任に会ったので、

中路主任がそのホールを間違って買わないように

アドバイスをした。



「中路さん、昨日●●●という

 台の上に置けるホールを使ったんだけど、

 全然ダメだったよ。気をつけなよ。」




すると中路主任は驚いた顔をして、




「若鶏さん、その●●●って結構売り出し中のヤツですよね?

 俺も持ってますよ。」



さすが中路主任。

もう手に入れておったか。




「中路主任はどうだった?」





「若鶏さん、あれはですね、



 中にもう一個ホールを入れるんですよ。」





「へあっ?」




ホールの中にホールを入れる。


中路主任が見つけた最適解がこれだ。

さすがプロである。



「そうすると、かなりイイですよ。

 俺は中をアロンアルファで固定してるんですよ。


 でも、若鶏さん、気をつけてください。






 俺、一回失敗して




 アロンアルファで切れてあそこ血だらけ


 になったことありますんで。」



「もういい!痛い!痛い!俺が悪かった。」



中路主任、お前がナンバー1だ!



その日の帰り道、僕は文房具屋に向かった。



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若鶏のからあげ、29歳

職場に企業研修で西岡さんという
学校の先生が派遣されてきた。

西岡さんは県内の中学の英語の先生をしており
今回、民間企業に1年間研修ということで
僕達の会社で働くことになったそうだ。

会社のいろいろな部署を経験したいとのことで
4ヶ月交代くらいで部署を異動していき、
最後の3ヶ月に僕達の部署に到着しました。

机とパソコンは用意したものの
僕達の部署は専門性が高く、
すぐに業務に入ることは出来ません。

そこで、上司と何をさせようか考えた結果、

英語の先生という職業を活かし、
うちのウェブサイトの英訳をさせてみてはどうか
という話になった。

そのことを西岡さんに言うと

「まかせてください!」

と快く引き受けてくれました。



僕もどうやって翻訳するか興味があったので
この機会に翻訳テクニックを盗んでやろうと考え

西岡先生の様子をずっと観察することにしました。


西岡先生はまず、ノートに全ての文章を書き写しました。
そして、単語を英語に変換して
ノートに書き込んでいきます。


なんだ、普通のやり方だな。
この調子なら、明後日には終わるな、と思っていると

先生がFAXの送信方法を聞いてきました。

なんでかな?と思いましたが、
FAXの送り方を教えてあげました。






2日後


西岡先生宛にFAXが届いています。
先生の学校のALT(外国人)の先生からです。

そして、FAXから送られてきた文章を
1日かけてワードに打ち込み、




「できました!」



と僕の前に持ってきました。






いやいや、できましたじゃないよ。


やったのはALTの先生や!


お前はこの研修で一体何を学んだんだ!


これじゃあ手柄の横取りじゃないか!



と口から出そうになって、思いとどまった。















おや?









手柄の横取り?








そういえば
それがうちの会社で一番出世する方法だった。



研修の成果が出てるじゃないか。



西岡先生は完璧に仕上がった翻訳を見せながら


「若鶏さん、この元々英語の部分がイギリス英語だったんで
 アメリカの表現に変えておきましたけどよかったですか?」


という、自分がやったアピール。


「さすがですね。」


というと、



「いやー、まだまだです。」



と人の仕事にケチをつける。






この研修で
いつ正社員にしてもおかしくない、
立派なうちの社員が育ちました。




この研修の成果を存分に活かして
生徒を導いてやってください。


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若鶏のからあげ、22歳

友達の藤木君に誘われ、
毎週土曜日の朝に公民館で開催する
麻雀教室の先生として
生徒に麻雀を教えることになった。

生徒はもう会社を定年退職した
60~80歳のおじいちゃん、おばあちゃんがほとんど。

役もわからないし、手が震えてるし
牌を持ってきて捨てるまで2、30秒かかるし
1半荘に2回はチョンボが出る。

かと言ってそんな歳の人に教えて直るわけは無いので
ほんと、牌を触ってもらうボランティアのような感覚で
指導していた。


そんなある日、
麻雀教室に一人の熟女マダムが入会してきた。

そのマダムは、
麻雀は全くわからないが、
主人がいつも楽しそうに麻雀をしているのを見て
私もやってみたい!と思って入会したそうだ。

ご主人のために麻雀を覚えたいなんて、
何てご主人想いの素敵な人なんだと感動した。


そうだよ、思い出したよ。
麻雀を始めたあの頃を。


麻雀っていうのはコミニュケーションなんだ!
麻雀をお金を刈り取る理由にしてはいけないんだ!


よし。


デヴィ夫人にそっくりなそのマダムに
本当に麻雀を教えてあげたい。


そう思った僕は、麻雀初心者用テキストを渡し、
毎週毎週デヴィ夫人に
マンツーマンで指導を始めた。

3回程、授業をしたころ
デヴィ夫人から、

「先日、主人と麻雀をしてみたんですが、
 まだまだだと言われてしまったので
 実践形式での練習がしたいです。」

と申し出があった。


それならばと、
お手伝いで参加している友達の北室君に
指導対局を準備してもらった。


デヴィ夫人と北室君と教室のおばあちゃん二人で
対局が始まる。


デヴィ夫人の様子を後ろから見ていたが、
手つきもおぼつかないが、一生懸命頑張っていた。


僕が後ろからあれこれ言うのもデヴィ夫人の成長を
妨げると思い、

「何かわからないことがあったら聞いてください」

といい、離れた椅子に座って、様子を見守っていた。



教室にはいろいろな麻雀のテキストがあり、
その一つを読みながら、次はこれを教えよう、
あれも教えなきゃと思っていると


デヴィ夫人の声が聞こえた。









「チー!」




お、積極的に頑張ってるな、と思い、

本を伏せ、卓の方に視線をやる。



すると北室君が






「あ、あ、あ!」




と口をパクパクさせながら、


デヴィ夫人が晒している牌を指さしている。





何が起きたのか、卓に確認しに行く。











六索六索九索 











カオス!



北室君はこの晒された牌の
何から突っ込めばよいかわからずに、
パニックに陥っていた。



しかも、その間、同卓したおばあちゃん二人は
この違和感に全く気づかず、
打牌が完了。


デヴィ夫人はアガリ放棄に。


今まで教えていたのは何だったんだ!
心底落ち込んだ僕は何がいけなかったのだろうと
デヴィ夫人の持っていた麻雀初心者用のテキストを
パラパラと眺めてみた。


そこにはこう書かれていた。


和了った時、
ロンの場合・・・その人からお祝い
ツモの場合・・・みんなからお祝い



うーん、このテキストがおかしい気がする。






まとめ

麻雀をお金を刈り取る理由にしてはいけないよ、千石君。









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いつもからあげの国にお越しくださいましてありがとうございます。
若鶏のからあげでございます。

またいつもコメントして頂いてありがとうございます。
大変嬉しく思っております。


11月12日から始めたこのブログも2ヶ月が経ち
日記以外の30話の実話
記事にすることが出来ました!

すぐに飽きる僕にとっては、
頑張っている方だと思いますemoji


さて、このお話30話の内訳ですが

・ネタ帳から22話
・リアルタイムに進行する事件から8話

となっております。


またネタ帳の話のストックは、
以前お伝えした時から少し増え、全59話となり、

・消化済み22話
・記事にするだけのものが12話
・オチや組み立てを考えなければいけないもの25話

となり、ネタ帳消化率は約37%(22/59)です。


ま、一言でいうと、まだお話はたくさんありまぁす!
ということです。


今後ともよろしくお願いいたします。



さてさて今回は記事のまとめということで、
過去記事を時系列順に整列させてみようと思います。


年代 年齢 記事タイトル カテゴリー
1991 10歳 勇者よ、目覚めなさい 下ネタ、親父
1992 11歳 勇者の挑戦 下ネタ
1993 12歳 そして伝説へ 下ネタ、親父
1994 13歳 ココロオドル 汚物
1996 15歳 ネガティブチェイン 暴力、親父
1997 16歳 グランドスラム 親父
1999 18歳 顧問の先生 暴力
2000 19歳 じょいふる 暴力
2001 20歳 カラオケとオールバック 暴力
2002 21歳 炎の八索 麻雀
2005 24歳 空と君の間に 汚物
2006 25歳 ヒカリへ 社長、上司
2006 25歳 永遠ブルー 中路主任
2008 27歳 ペーパーボードコア 汚物
2008 27歳 目の前にある全てのものが 汚物
2009 28歳 チキン南蛮物語 下ネタ、食堂
2010 29歳 オートロックが開かない 親父
2010 29歳 サニタリー 千石君、汚物
2012 31歳 ザナルカンドにて1 下ネタ、汚物
2012 31歳 ザナルカンドにて2 下ネタ、汚物
2013 32歳 コラボレーション 上司
2013 32歳 サムライドライブ 千石君
2014 33歳 視察団 上司
2014 33歳 GOサイン 社長、上司
2014 33歳 Wi-Fiが来た日 中路主任
2014 33歳 空気をください 社長、上司
2014 33歳 チキン南蛮物語2 食堂
2014 33歳 もう一曲遊べるドン 社長、上司
2014 33歳 インフルエンザの予防接種 社長、上司
2014 33歳 ゆるキャラ 社長、上司





















































並べてみてわかったんですが
昔の話を中心に書いていたつもりでしたが、
こうして一覧で眺めてみると、最近の記事が多いですね。

次回はネタ帳から記事を書きたいと思います。
希望のカテゴリーなどあればコメント欄に書いてもらうと
反映するかもしれません。
「汚物の話を頼むわ!」とか「千石君の奴」とか。


ではでは。





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高校3年のころ、
柔道部に所属していた僕は
毎日毎日厳しい練習を行っていた。

試合に勝つためではない。

そんなのは二の次だ。

先生に怒られないようにするための練習だ。

顧問の先生は、木村祐一にそっくりで、
見た目、態度、言動
どれをとっても立派なヤクザです。


まずは準備運動、基礎練習をして
打ち込みという技を掛ける練習を終える。
そして乱取りという実戦形式で練習しているときに
柔道場のドアがガラガラガラガラと大きな音を立てて開く。

木村祐一の入場である。

このとき、木村祐一が柔道着を着ていると
ボーナス確定。

乱取りに参加しバッタバッタとなぎ倒し
僕たちはメシが喉を通らない程の疲労に襲われる。


柔道着を着ていなくても安心はできない。
ジャージ姿でも潜伏している可能性がある。

気が付かないうちに乱取り用のタイマーを触り、
3分の8本休憩1分→4分の10本休憩30秒とかになっている。

この時もかなりきつかった。



大会1ヶ月前くらいになると
他県の高校と合同練習が組まれることになっていた。

木村祐一が合同練習の相手として呼んできたのは
隣の県の国体強化選手がいる○○高校
県2位の実力だ。

それを聞いたうちの柔道部最強の部長が
1年生の野中君に

「なんで国体強化選手とか連れてくるんだよ!」

と八つ当たりしていた。


合同練習が始まった。
いつもの練習を始める。
すると○○高校の連中がついてこれない。

向こうの国体強化選手とうちの部長だと
うちの部長のほうが強い。


確かに僕達の県は柔道のレベルがかなり高い県だが、
まさか、ここまで張りあうとは。

木村祐一はここまで考えていたのか。
僕たちは隣の県NO2の高校をばったばったとなぎ倒し

甲羅を脱いだ悟空のような気持ちで乱取りをしていた。


ところが相手の高校は面白く無い。
無名の高校にベコベコにされるのが気に入らないようだ。


だんだんとうちの1年の野中君がターゲットになっていく。

そして、相手の高校の一人が野中君と対戦。


野中君の背負投げを返すときに、肩を強く極めた。








野中君の




「ああああああああああ」




という叫び声が聞こえた。


みんな練習をやめ、野中君の方をみる。

すぐに木村祐一が肩を抑えて倒れている野中君に駆け寄る。





「肩か?」

「・・・はい。」

「どうなった?」

「背負いをした時に肩が後ろに曲がりました。」


「どうや?できそうか?」


「痛いです!」








「・・・できるのか、できないのか、どっちだ?」











「痛いです!」











「てめぇ!ふざけんな!」







バキッ!








痛みに震えている野中君の顔面に

木村祐一の拳がクリーンヒット。




どうやら
できるのか、できないのか?という二択に対し
痛いです、という選択外の答えを出したことに
腹がたったらしい。

















「できます!」









野中君は殴られるとすぐに元気よくそう答え、
再び乱取りに参加。





次の日、病院に行った野中君は
肩の靭帯断裂で全治3ヶ月。




その次の日、木村祐一に報告に行った野中君は
なんで痛いならすぐに病院に行かなかったんだと
めちゃくちゃ殴られたらしい。






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いつもからあげの国をご覧いただき
ありがとうございます。

若鶏のからあげでございます。

最近このブログをよく見てくれている人から、

「よくこんな話思いつくね!すごいね!」

と褒められました。

ありがとうございます。
お褒めの言葉頂き、大変嬉しく思っております。


でもひとつだけ言っておきます。

思いついたわけではありません。








実際に起きた出来事です。




この話

あの話

このブログで書いたものは悲しいかな全て実話です。


早くこんなネタまみれの人生から抜け出さないといけない。

その思いは日に日に強くなるばかりです。


今日も「むこうぶち」を読みながら
そんなことを考えているわけですが、


むこうぶちの世界では一度全てを失っても
取り戻す方法があります。



マグロ漁船です。


遠洋漁業のマグロ漁船は一度漁に出ると
1年は帰ってこれません。
でも裸一貫で年300~600万稼げる仕事のようです。

でも最近はもっといい仕事がある。




ベーリング海のカニ漁。


これが月収500万~1000万。





このベーリング海のカニ漁のドキュメンタリーを見てるうちに
寝るのが最近のマイブームです。



カニ漁命がけ。



こういう仕事に憧れるなぁ。



おわり。





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今年、僕達が住んでいるこの地域は、
インフルエンザが大流行しているらしい。

学級閉鎖数が去年の1月に比べて2倍。

生まれて3ヶ月の赤ちゃんがいる我が家に
ウイルスを持ち込まないよう僕も注意している。

また会社ではインフルエンザにかかると、
1週間の出勤停止になる。

人数ギリギリで回している会社なので
一人休むだけで途端に回らなくなる。

かかった人もかからなかった人も等しくダメージを受ける。
むしろかからなかった人のほうが仕事きついかもしれん。

ギリギリの会社にはホントに恐ろしいウイルスである。


で、昨年社内でインフルエンザにかかった人の傾向を
分析した所

「予防接種を受けてない人の発症が8割」という結果だったので

今年はインフルエンザ予防接種が全社員義務付けられた。




ある日の夕方、


社長が僕達の事務所に入ってきた。

お疲れ様です!お疲れ様です!と事務所のあちこちから
声が上がる。

僕と清田部長も社長にお疲れ様です!と挨拶をする。


「おう!」


と社長が右手を上げて応える。

社長は空いているデスクに腰掛け、清田部長に話し始めた。


「あのさ、明日、インフルエンザの予防接種だよね?」

「左様でございます。」

「あれさ、僕も受けるんだよ。」

「社長、私ももう、毎年必ず受けてますよ。」





「でもさ、注射打つとさ、

 飲みにいけなくなっちゃうじゃない?




社長のこの一言で、
清田部長と僕という二人の太鼓持ちは
ピーンと来て顔を見合わせた。


これはあるぞ、と。

まずいぞ、と。








明日飲みに行けない




今日飲みに行く。







という方程式がすでに成り立つぞ、と。



清田部長が子供の写真を眺めながら、

首を横にふり、社長に話しかける。


「え?社長、何で飲みにいけないんですか?」


清田部長のいつものテクニックが出る。

バカのフリして聞くという高等テクニックだ。



「清田、注射のあとはお酒飲んだらダメなんだよ。」

「えー?私、注射のあといつも飲んでますよ!」

「それ、意味ないよ。」

「えー?初めて知った、何でですか?」

「熱で注射してるのが効かなくなっちゃうんだよ。」

「えー?私、ずっと飲んでましたよー。」



バカのフリして方程式をぶち壊しにいく清田部長。

さすがである。


僕は清田部長からアイコンタクトを受け、

3分ほど

なぜ、予防接種で病気にかからなくなるのか

というテーマで話を盛り上げ、本題に入らせない。


さすがにもう大丈夫だろうと清田部長は

「いやー、社長、勉強になりました。

 ありがとうございました。」


とお礼の言葉を述べ話を終わらせた。

すると社長から



「いやさ、俺が本当に言いたいのは、


 明日飲みに行けないから、

 今日飲みに行くよってことを言いたいんだけど

 遠回しに言うとお前らバカすぎて気が付かないから

 もう言っちゃったよ。先に行っとくから。」




二人の努力も虚しく、向かいの居酒屋に強制連行。
挙句の果てに気が利かないバカというレッテルを貼られる。


そんな扱いを受けた清田部長はなぜか満足気だった。



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若鶏のからあげ大学1年の冬。

冬休みに実家に帰って来た。

半年ぶりに中学の時の同級生、林君と菊池君と3人で
遊ぶためにあつまった。

前回遊んだ時のトラウマから
ジョイフルに行くのだけは禁止というルールで
どこに行くか考えてドライブしていたら、

林君が最近カラオケにハマっているという話になり、
それならばとみんなでカラオケに行くことになった。

となり町のカラオケ店に到着。
運転していた林君が

「車止めてくるから、先に受付しといて!」
と僕と菊池君を車から下ろした。



「よーし、俺イエモン歌っちゃうぞ!」


なんて言いながら僕と菊池君はカラオケ店の入り口に向かい
自動ドアを開いた。





ウィーン。





すると、奥からからヨレヨレのトレーナーを着たおっさんが
よろよろと歩いてきた。




酔っ払いかな?





そう思ってよく見る。





戦慄が走った。





おっさんは頭から大量出血しながら歩いていたのだ。





グレート・ムタに額を割られた対戦相手くらいの出血を確認。
明らかに事件の臭いがプンプンする。




「関わったらいけない!」




即座にそう判断し、おっさんをスッと避け、
呆然とそのおっさんを眺めている菊池君も無視し、受付に向かう。


早く、受付を済ませて、部屋に入らなければ。




するとカラオケ店受付に設置してあるスロットのゲーム機で遊んでいた

襟足の長い小学生が、そのおっさんを目撃したらしく、




「うわぁ!おじさん?


 血が出てるよ?




 血が出てるよ?」




とギャーギャー騒ぎ出した。



その様子を見た店員が受付カウンターの手前で
血だらけのおっさんのところに行こうか、
僕達の受付をしようか、まごついていたので、


「ごめん!こっち早くして!」



と催促した。


店員は血だらけのおっさんをチラチラ見ながらも、
入店手続きを進める。


早く!
何か変なのに巻き込まれる前に早く手続きをしてくれ!



すると、うしろの自動ドアがウィーンと開いた。


林君かな?と思い振り向く。




谷村新司のようなヒゲを生やした、
オールバックのテカテカのスーツを着た
いかにもその筋の人が入ってきた。



これはヤバイ。




しかもその人の目が、完全にイってる。

たのむ、早く手続きを済ませてくれ!




オールバックがこっちに歩いてくる。






そのオールバックを見た襟足の長い小学生が












「お父さん!」








と叫ぶ。




この小学生はオールバックの子供か!


さらに小学生が叫ぶ。





「お父さん!この人、血が出てるよ!」





するとオールバックが、血だらけの人を見て





「オイ、お前まだおったんかい?」





と言いながら、血だらけの人を更にボッコボコに殴り始めた。




お前が犯人かい!



と心のなかでつっこむ。
が、目を合わせたらやられるので受付を眺めていた。

音だけ聞こえる。




ボコ!ゴスッ!


うっ!


お父さん血が出てるよ?


ボコッ!ペッ!



手続きが終わったので、店員に部屋に案内される。




案内された部屋で
テンションガタ落ちの二人は一言も話さず、
その後テンションが回復することはなかった。


みなさんもカラオケに行くときは注意しましょう。

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若鶏のからあげ、32歳。
大学時代に所属していたサークルがOB会を開催するとの連絡があった。

久しぶりにOBのメンバーに会いたいと思ったが、
大学は山陰。
僕の住んでるところから車で7時間かかる。
また交通の便が悪く、JRも飛行機も結構お金がかかる。

メリットとデメリットを考えた。

車・・・高速代とガソリン代。
    7時間運転はできるが、眠くなった時が恐ろしい。
JR・・・8時間かかる、お高め。
飛行機・・・早い。高い。

うーん、なんかどれもイケてない。

なにかいい方法はないか本気出して考えてみた。




ポクポクポクポクポク


















チーン!

 


閃いた!


車ならあと一人連れて行けば、交通費を折半できる!(ゲス)


ということで、会社の後輩である千石君に
若鶏のからあげと行く山陰ぶらり旅という企画をプレゼンし、
快くOKを頂き、行けることになった。

千石君は僕の車の保険の関係上運転が出来ないので
道中は全て僕が運転。

仕事が終わってから出発する1泊3日のスケジュールだ。

そこで7時間ぶっ続けで運転は危険なので、
高速でちょこちょこと仮眠を取りながらの余裕を持ったスケジュールを立てた。



いよいよ出発の日。

千石君を迎えに行き、高速に乗る。
最初、3時間くらいは頑張って進む。
車の中でのおしゃべりも弾み、
本当に千石くんを連れてきてよかったと思った。


最初の休憩ポイントは下関にした。

ここで千石君が、ふぐの看板を見つける。

「若鶏さんふぐ食べて行きましょうよ!」

「いいねー!食べよう!」

二人、ふぐの天婦羅とおにぎりを食べる。


休憩もそこそこにすぐに出発した。


広島に入った当たりから、猛烈に眠くなる。

それもそうだ。


現在深夜3時。


普通に朝9時から仕事して、8時くらいに終わって、
そこから少し仮眠して11時に出発している。

で、ご飯を食べたし眠くなるのは当然だ。


とりあえず、仮眠をとるために
パーキングに入る。


「千石君、ちょっと仮眠をとるよ。」

「はーい。」


二人とも、寝る体制になる。


すると1分後、




「ぐおおおおおお、ぐおおおおおお」

ととんでもない音が聞こえ始めた。





工事?





と思ったが違う。



これはヤバイ。
これはとんでもないいびきだ。
ぐおおおおという度、車の窓が震える。
共鳴だ。


すさまじいいびきのなか
全く寝ることが出来ず、30分。


逆に目が覚め、千石を起こす。



「時間だよ!」



やさしく起こす。

千石君がいなければ僕は出発すらしてないんだ。
千石君は僕のOB会に行きたい思いを
お金という形で具現化してくれた神様なのだ。

こんないびきぐらいで、怒ってはいけない。




出発する。

が、またすぐに眠気が襲ってくる。


千石君も、
「大丈夫っすか、休憩したほうがいいっすよ」

と声をかけてくれる。



「そうだな。」


と、次のパーキングでまた休憩することにした。






「じゃ、次は1時間後で」



と僕が言った途端、スッと寝始める千石君。

1分後にはぐごごごがごがおごといびきが始まる。









30分耐えて、千石君を起こす。







「あ、もう行きます?休憩大丈夫っすか?」





千石君に心配される。
君のせいなんだよ?という言葉をぐっと飲み込む。

1時間も耐えられない。




僕の立てた休憩しながら進むスケジュールは
この時点で不可能となる。

こうなったらノンストップで山陰まで進み、
どこかで仮眠をとるしかない。



時計は朝5時になっていた。


運転していると、だんだん夜が開けてきた。

目が痛い。

体がずっと寝ろというサインを出し続けてる。




もう限界だ。




限界ということは、いびきとか関係なく寝れるはず。

そう、最後の期待を胸に、車を止めて、

「じゃ、ちょっと休憩」

と目をつぶる。




ぐごごごごごごご




絶対に無理。
寝れない。
こんなに疲れてても寝れない。


千石君の肩を叩く。



「ん?」



と千石君が起きる。







「千石君、本当に申し訳ないけど、

 ちょっと外で寝てほしいんだけど!」








「ええええええ?」







「実はいびきがうるさくて寝てないんだよ。」






「えええええええ?」








「ごめんね。命に関わるんで。」







「・・・・分かりました。」









千石、先輩に金を払って、
知らない土地で野宿させられる。








2時間後、ちゃんと復活した僕は、無事に山陰に辿りつけ、
OB会にも出席できました。


やっぱり持つべきものは友達ですね。


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みなさんはあの地獄の苦しみを知っていますか?
牡蠣に当たった時の地獄の苦しみを。

昔はお腹の風邪とか言われていましたが、
最近はノロウイルスに感染というようです。
(ノロウイルスも正式名称ではないようですが・・・)

このノロウイルスに感染した時の症状がものすごくて
上から下から、垂れ流し状態になります。

またこのウイルスがなかなか死なない。

石鹸やアルコールでは死なず
乾燥にも強い。

次亜塩素酸ナトリウムというハイターの成分でやっと死ぬ。

そんな強い感染力を誇るため、

感染した人が絨毯に吐く
→綺麗に拭き取る。
→少しだけ残ったゲロが乾燥
→上から人が踏む。
→乾燥したゲロが舞う
→近くを通った人が感染

というテロみたいな感染を引き起こす。


で、数年前、
うちの会社ではこんなことが起きないよう、
社員全員に定期的に検便を義務付けた。


最近の検便は簡単で、
リップクリームの容器みたいなのを開けると
綿棒の先のようなプラスチックの棒があるので、
その棒を出した物に挿すだけというシンプルな作業になっている。

昔は、新聞紙の上に出したやつを割り箸で摘んで
コンタクトレンズの容器みたいなやつにきゅっと詰めていたんで、
それに比べれば楽な方なんですが、

それでも検便を出さない奴がいる。


僕の後輩の千石君も、わざとなのか、うっかりなのか
期限が近くなって名指しで言われないと検便を出さない。


可愛い後輩が怒られるのは偲びないので、
検便の度に、僕は

「千石、検便は出したか?」

と聞くのが定番になっていた。



「検便を出したか?」

と言い続けて1年。

千石が、僕の目を真っ直ぐに見て言い放った。


「若鶏さん、検便出しましたよ。」


「うおっ!マジか、おめでとう。

 ようやく一人で検便が出せるようになったな!」


と褒めた。


「いやー、若鶏さん、大変だったんですよ。」

「何が?」


「家で珍しく検便のことを思い出して、

 トイレに行こうとしたんですよ。」


「おう。」


「そしたら、妹の友達が遊びに来てたんで、

 恥ずかしくてなかなか入れないんですよ。」


「おう。」


「で、やっとの思いでトイレに入って、検便するじゃないですか。」


「おう。」



「絶対に忘れないように、

 みんなの目につくリビングのテーブルの上に

 置いておいたんですよ。」



「おう。ちょっと汚いけどな。」



「で、普段そこに置いたりしないんで、

 会社に来てから忘れたことに気がついたんですよ。」



「最悪だな。」



「で、仕事終わって、家に帰ったら

 検便が無いんですよ。」


「おう。」



「捨てられてると思ってゴミ箱とか探すじゃないですか。」


「そうだね。」








「そしたら母親が来て、検便ならここに入ってるよって













 冷蔵庫の卵ポケットから検便出してくるんすよ。

 


 やばくないですか?」







若鶏のからあげ、男子ロッカーで呼吸困難に陥る。











ちなみに、冷蔵庫に入れるは正しい保存方法の模様。


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会社の組織変更で、
僕達の部署は社長の直轄になった。

獅子舞だの和太鼓だの、社長の思いつきにより
仕事が増えていく恐ろしい部署だ。

そんな社長がふらっと年末の事務所に訪れた。

「忘年会しなきゃなぁ。若鶏君、君そういうの得意だろ?」


ちらっと上司の清田部長を見ると、目があった途端、深く頷いたので、

「社長、お任せください。」

と返事をしておいた。


社長が事務所から出て行った後、
清田部長と小声で緊急ミーティングが開かれた。

「若鶏、社長の忘年会ってどんな感じでやる?」

「え、どんな感じというと?」

「どこまで声かけるかとか、いろいろあるじゃん。」

「ああ、そうですね、社長のあの感じだと、うちらの部署だけじゃないすか?」

「そうかなあ。とりあえずさ、社長にどんなお店がいいかとメンバーだけ聞ける?」

「聞けますよ。」

「じゃあ、頼むよ」

「はい。」


仕事では細かい指示など一切ないが、飲み会の段取りとなると
恐ろしいくらいきめ細やかな指示を放ってくる清田部長。

勉強になります。


次の日社長のデスクに行き、忘年会の件について切り出す。


「あの、社長、忘年会の件ですが・・・」

「しーっ!こらこら、誰かに聞かれたらどうするんだ。」

二人小声になる。

「シークレットですか?」

「あたりまえじゃないか、君たちの部署だけでやるんだから。」

「あ、そうだったんですね。お店はどんな感じがいいですか。」

「どこでもいいけど、でも気取らない感じのところがいいな。」

「社長、おでんなんかいかがですか?」

「いいねぇ!おでん最高だよ。」

「実は社長行きつけの、会社正面の店、予約すると
 おでんが出るんですよ。」

「ええええ!あそこ、おでんでるの?」

「そうなんです、なので一番安心して飲めるかと。」

「くー!若鶏、さすがだな。近いし、そこにしよ?」

「かしこまりました。では失礼します。」


社長を前に完璧なミッションをこなす。



清田部長に報告に行く。

「そうか!若鶏、よくやった!後は、我々が忘年会を盛り上げるだけだな」

と、久しぶりにお褒めの言葉を頂いた。



忘年会の日、

今年一番の勝負の顔をした、僕と清田部長。

6時に店集合なので、5時50分くらいに様子を見に行くと、

社長はすでに店で飲んでいた。

すぐに合流し、忘年会が始まった。


「今年はね、獅子舞の話がよかった。あの話は最高だった。」

「ありがとうございます。」

清田部長が社長からお褒めの言葉をいただく。



「でもね、清田、やっぱ来年はゆるキャラだな。」

「と、いいますと?」

「すごいんだよ、今、ゆるキャラの人気。」

「そうですね、結構テレビで見ますよね。」

「だからさー、うちの会社のゆるキャラを作るんだよ。お前作れよ?」


いきなり清田部長へ社長からの無茶ぶりが来た。

清田部長はどう答えるのか?








「私ですか?わかりました。

















キヨッシー!」












店内の全員が清田部長を見る。

発音は完全にふなっしー。




社長が笑いながら、


「いや、君がやるんじゃくてさ・・・」


と言いかけたところで








「キヨッシー!








僕、キヨッシー!」








ここが勝負どころと決めたのか、ものすごい精度でかぶせてくる。

何の迷いもなく、大声で。



店員もカウンターの中から何事かとこちらを見てくる。



社長も爆笑しながら

「じゃ、もう君がやれよ!キヨッシーを。」






「キヨッシー!
 



 僕、ふなっしーより飛びます!」








「じゃあもう、決定!」








「キヨッシー!!」







キヨッシーはその後ことあるごとにキヨッシーと言い続け、

忘年会は1次会で5時間を超え、解散となりました。

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プロフィール
HN:
若鶏のからあげ
性別:
男性
趣味:
料理
自己紹介:
時は来た!それだけだ!

HNの由来:
好きな食べ物から

ブログ名の由来:
僕の国という意味です。

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