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日記だったり、ネタだったり、備忘録だったり。 若鶏のからあげ先生が日常をユーモラスに描きます。
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会社の組織変更で、
僕達の部署は社長の直轄になった。

獅子舞だの和太鼓だの、社長の思いつきにより
仕事が増えていく恐ろしい部署だ。

そんな社長がふらっと年末の事務所に訪れた。

「忘年会しなきゃなぁ。若鶏君、君そういうの得意だろ?」


ちらっと上司の清田部長を見ると、目があった途端、深く頷いたので、

「社長、お任せください。」

と返事をしておいた。


社長が事務所から出て行った後、
清田部長と小声で緊急ミーティングが開かれた。

「若鶏、社長の忘年会ってどんな感じでやる?」

「え、どんな感じというと?」

「どこまで声かけるかとか、いろいろあるじゃん。」

「ああ、そうですね、社長のあの感じだと、うちらの部署だけじゃないすか?」

「そうかなあ。とりあえずさ、社長にどんなお店がいいかとメンバーだけ聞ける?」

「聞けますよ。」

「じゃあ、頼むよ」

「はい。」


仕事では細かい指示など一切ないが、飲み会の段取りとなると
恐ろしいくらいきめ細やかな指示を放ってくる清田部長。

勉強になります。


次の日社長のデスクに行き、忘年会の件について切り出す。


「あの、社長、忘年会の件ですが・・・」

「しーっ!こらこら、誰かに聞かれたらどうするんだ。」

二人小声になる。

「シークレットですか?」

「あたりまえじゃないか、君たちの部署だけでやるんだから。」

「あ、そうだったんですね。お店はどんな感じがいいですか。」

「どこでもいいけど、でも気取らない感じのところがいいな。」

「社長、おでんなんかいかがですか?」

「いいねぇ!おでん最高だよ。」

「実は社長行きつけの、会社正面の店、予約すると
 おでんが出るんですよ。」

「ええええ!あそこ、おでんでるの?」

「そうなんです、なので一番安心して飲めるかと。」

「くー!若鶏、さすがだな。近いし、そこにしよ?」

「かしこまりました。では失礼します。」


社長を前に完璧なミッションをこなす。



清田部長に報告に行く。

「そうか!若鶏、よくやった!後は、我々が忘年会を盛り上げるだけだな」

と、久しぶりにお褒めの言葉を頂いた。



忘年会の日、

今年一番の勝負の顔をした、僕と清田部長。

6時に店集合なので、5時50分くらいに様子を見に行くと、

社長はすでに店で飲んでいた。

すぐに合流し、忘年会が始まった。


「今年はね、獅子舞の話がよかった。あの話は最高だった。」

「ありがとうございます。」

清田部長が社長からお褒めの言葉をいただく。



「でもね、清田、やっぱ来年はゆるキャラだな。」

「と、いいますと?」

「すごいんだよ、今、ゆるキャラの人気。」

「そうですね、結構テレビで見ますよね。」

「だからさー、うちの会社のゆるキャラを作るんだよ。お前作れよ?」


いきなり清田部長へ社長からの無茶ぶりが来た。

清田部長はどう答えるのか?








「私ですか?わかりました。

















キヨッシー!」












店内の全員が清田部長を見る。

発音は完全にふなっしー。




社長が笑いながら、


「いや、君がやるんじゃくてさ・・・」


と言いかけたところで








「キヨッシー!








僕、キヨッシー!」








ここが勝負どころと決めたのか、ものすごい精度でかぶせてくる。

何の迷いもなく、大声で。



店員もカウンターの中から何事かとこちらを見てくる。



社長も爆笑しながら

「じゃ、もう君がやれよ!キヨッシーを。」






「キヨッシー!
 



 僕、ふなっしーより飛びます!」








「じゃあもう、決定!」








「キヨッシー!!」







キヨッシーはその後ことあるごとにキヨッシーと言い続け、

忘年会は1次会で5時間を超え、解散となりました。

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