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日記だったり、ネタだったり、備忘録だったり。 若鶏のからあげ先生が日常をユーモラスに描きます。
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これから先の旅も、

いままで以上に長く苦しい物になるだろう。

でもきみなら大丈夫だ。

正しいものと正しくないものとがいて、

それが戦ったとして、

正しいものが負けるときみは思うかね。


けっして失ってはならないもの、

それは勇気だ。

勇気は、最後の勝利を信じることから生まれる。




土曜の午後、昼までの授業を終え、

小学6年生の僕は一人、家にいた。

弟はもう友達と遊びに出かけていた。




権藤、権藤、雨、権藤

そのころ僕は家族の隙を見てはトイレに登板し、

自主トレに励んでいた。


シコシコではない。

シコシコと音がするのは普通のやり方だ。

僕の発見した、

竹とんぼを飛ばすようにする火起こしスタイルだと

キュッキュッとバッシュのような音がする。



そして登板過多による慢性的な根本の怪我。

棒の根本にかさぶたができているが、キュキュットする度に

かさぶたが剥げ、血がにじみ出てくる。


僕は痛みに耐えながら、壮絶な自主トレを敢行していた。




それにしても今日は、家自体に誰もいない。

こんな事は初めてだった。



今日は、誰にも見つかることなく、

自分の部屋で思いっきり出来る。


初めてのメジャーリーグに

僕は痛みも忘れて、勢い良く半ズボンを足首まで下ろした。



火起こしスタイルでは両手を使うため、

おかずを見ながらすることが難しい。

トイレではおかずを持ち込む事はできても

フィニッシュの瞬間はおかずをトイレットペーパーの上に置き、

目をつぶっている。


しかし、今日は自分の部屋だ。


自分の学習机の引き出しを開け、

らんま1/2のエロいページをセットし、

引き出しを膝で抑えれば、簡易ブックスタンドの完成だ。



キュッキュッキュ!


ハエが手を合わせるように、一心不乱に種火を起こす。





「うおおおおお、シャンプゥゥゥ!」





初めておかずを見ながらのフィニッシュを迎える。







ドクンッ!






体の中で何かが爆ぜた。その瞬間――




僕のドモホルンリンクルが

一滴、また一滴と大切に抽出されてきた。



初めての射精。

その「初精」である。










苦い。










そう思った瞬間、

ミシっと、2階の部屋へ続く階段を誰かが登ってくる音が聞こえた。




誰?




ミシっ。




誰かが、のぼって来ている!




ミシっ。




あわてて、引き出しを閉じ、らんま1/2が引っかかる。




ミシっ。




らんま1/2を閉じる。何か、忘れてないか。




ミシっ。




そうだズボンを、




ミシっ。




上げなければ。







「お前何してんの?」







親父だ。

ズボンは、膝までしか上がっていなかった。

丸出しの中腰状態、まさに丸腰で親父と相対する。



「いや・・・・その・・・・・」




僕は見つかった衝撃で、何と言えばいいか、

どう言い訳しようか、どうしよう、どうしよう。





「お前、そんなもん出して

 何してんの?」





何故かキレている親父。

言わなくちゃ、

何か言わなくちゃ。

何で出してるか言わなくっちゃ。

あわあわとなりながら、声を絞り出す。










「お、お、お、おしっこー!!」










おしっこなわけあるかい。部屋でおしっこなんてするかい。

言ってすぐ、自分で心のなかでツッコむ。



親父は、「ふーん」というと、自分の部屋に消えていった。




見られてはいないが、この自分の受け答えの恥ずかしさに

どうやって死のうか考えていると、

親父の部屋から大声で呼ばれた。





親父の前に正座をする。





「若鶏、勉強もしなさい。」





「も」ってなんだよ!

何を含んだ「も」なんだよ!


その時に感じた、絶望。

今ならサトラレの気持ちが分かる。

これからこの十字架を背負って僕は生きるんだ。



冒頭の詩には続きがある。


けっして失ってはいけないもの。
それは勇気だ。
勇気は最後の勝利を信じることから生まれる。

苦しいこともつらいことも、
まだまだたくさんあるだろうが
そんなことを楽しむくらいの
ユーモアも持っているのがきみたちだ。



僕は勇気を持ってこの一連の話を告白することとする。






そして伝説がはじまった。






関連記事(ロト3部作)
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そして伝説へ



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