日記だったり、ネタだったり、備忘録だったり。
若鶏のからあげ先生が日常をユーモラスに描きます。
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■■注意■■
この話は、前回の続きです。
先に前回を読まれる場合は下記リンクからどうぞ。
ザナルカンドにて1
前回までのあらすじ
片玉が、3倍になり、病院へ。
診察室に呼ばれる。
牧瀬里穂ではなく、おじいちゃん先生が出てきた。
「じゃ、ちょっとエコーとるから、
下半身出してタオルで隠しといて。」
「はい。」
下半身を出して、タオルを乗せる。
どっちかなあ。
鞘から出しといたほうがいいのかなあ。
その気になれば人指し指と中指でへその方にシュッと
神速で抜刀できる飛天御剣流奥義
「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」
という技が使えるでござるが、
この技はいささか疲れるでござるよ。
なんて考えていると、
おじいちゃん先生が、ヒラリとタオルをめくり、
玉にローションを塗り始めた。
「おろ!?」
僕の剣心が驚いた。
エコーが始まる。
「これ、わかります?」
とモニターを指さす。
オレンジの影が放射状に映し出されている。
「これが、右と左違うでしょ。」
確かに右の玉のエコーだと、影が小さい。
「これは血管が逆流してるね。」
診察の結果、
病名:精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)
血管の弁が壊れて、血が逆流しているとのこと。
それと、進行性の病気だということ。
玉は熱で生殖能力がやられる。
血液が玉の周りに集まっているため、
このままでは、だんだんと、
そして確実に生殖能力がなくなっていくそうだ。
では、今の時点で、能力があるのか、無いのか。
それは検査をしてみないとわからない。
「若鶏さんの場合は、まだ結婚して半年ということですが
心配なら検査をされますか?」
「そうですね、検査をします。」
「では、あとでお呼びしますので、出られてお待ちください。」
どうしよう。
とんでもないことになった。
検査ってことは、出すということだろ?
出すってことは、おかずがいるってことだろ。
果たしてここには僕の気に入るおかずがあるのだろうか。
もしよければちょっと○○書店に寄らせてほしいのだが。
そのシモの問題と、あとは嫁に何て言うかだ。
子供が大好きな嫁だ。
僕には君との未来が見えるんだ。その未来を信じてほしいんだ。
もし君にも同じ未来が見えるのなら、今、僕の手を握ってくれますか?
そう誓って結婚した。
その未来には僕達の子供がいて、
僕達の生きた命の記憶を永久に伝えてくれる。
そう思っていた。
もし最悪の状況だった時、果たして嫁は僕を受け入れてくれるだろうか。
牧瀬里穂に別室に呼ばれる。
「若鶏さん、これに採取してきてください。」
牧瀬里穂はシャーレを手渡してきた。
シャーレなんてみるのは中学生以来久しぶりだった。
よかった。
銀色のトレイみたいなのだったらどうしようかと思っていた。
「で、どこで採取すればいいでしょう。」
「あ、今日じゃなくて結構です。家でも結構です。
但し、採取して30分以内に持ってきてください。
それと、採取した時間をこの紙に記入してください。」
「わかりました。」
要約すると、
出して30分以内のフレッシュなやつを持ってくればOK
ということか。
これでおかずの問題は解決。
新しい問題が、「出して30分以内。」
病院まで車で20分かかる。
出したらすぐに運転して、向かわなければならない。
これは、なんとかなるかな。
痛み止めをもらい、会社に戻り、
2日後に休みを入れてもらった。
家に帰り、夕食の支度をしてる嫁の手を止めさせ、
座らせた。
「今日病院に行ってきました。そこで病気が分かりました。」
「それって、聞いたほうがいい?」
「最後になるかもしれないだろ、だから全部話しておきたいんだ。」
そう言って僕は今日起きた全てを話した。
嫁は泣いていた。
「その日私も休みだけど、一緒にはいかない、からあげ一人で行って。」
「わかった、検査が終わったら話そう。」
若鶏家の未来に暗雲が立ち込めた。
検査当日。
病院は10時から。
9時55分に準備を始めた。
PCを立ち上げ、ブラウザの
お気に入り⇒仕事⇒仕事デザイン関係⇒新しいフォルダ(2)
の中にある、本当のお気に入りサイトにアクセス。
左手にシャーレをスタンバイ。
ズボンを降ろそうとしたところで、
嫁が隣でその一部始終を正座して見ているのに気がついた。
「ちょっ、見るのやめてもらえますか、恥ずかしいので」
「えっ?あ、分かった、私トイレに隠れとく。」
嫁がトイレに入ったのを確認。
急いでおかずを探す。
シャーレに採取完了。
9時58分と記入。
「おーい、終わったよー」
「早っ!!」
「よし、すぐに行ってくるから。」
「いってらっしゃい」
車を走らせる。
平日の10時台は渋滞もなく、かなりスムーズに病院に到着。
受付にはカマキリしかいなかったので、
仕方なくカマキリにシャーレを提出。
「えっと、これは精子ですよね。」
「はい。一番搾りです。」
「・・・・これ、時間は合っていますか?」
「はい、9時58分間違いないです。」
時計をみると、10時4分。
めちゃくちゃ早く着いた。
おそらくカマキリに
こいついったいどこで出してきたんだと
疑われているのだと思ったが、
「すぐに検査をお願いします。」
と強引に受付を済ませた。
診察室に呼ばれる。
おじいちゃん先生が神妙な顔で出てくる。
「若鶏さん、あなた、5日禁欲されました?」
「へぁ!?」
「前回から2日しか経ってないけど、
5日間、禁欲されてないですよね」
「はい。」
ちょっとまて、そんなこと一言もいわれなかったぞ。
「本来なら、5日禁欲した状態で検査するのですが。」
「はい」
「2日でこの状態なら全然大丈夫です」
「あ、ありがとうございましたー」
おじいちゃん先生のお墨付きをもらった僕は
すぐに○○書店に向かった。
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プロフィール
HN:
若鶏のからあげ
性別:
男性
趣味:
料理
自己紹介:
時は来た!それだけだ!
HNの由来:
好きな食べ物から
ブログ名の由来:
僕の国という意味です。
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