忍者ブログ
日記だったり、ネタだったり、備忘録だったり。 若鶏のからあげ先生が日常をユーモラスに描きます。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



■■注意■■
この話は、前回の続きです。
先に前回を読まれる場合は下記リンクからどうぞ。
ザナルカンドにて1





前回までのあらすじ
片玉が、3倍になり、病院へ。





診察室に呼ばれる。


牧瀬里穂ではなく、おじいちゃん先生が出てきた。


「じゃ、ちょっとエコーとるから、

 下半身出してタオルで隠しといて。」

「はい。」


下半身を出して、タオルを乗せる。




どっちかなあ。

鞘から出しといたほうがいいのかなあ。



その気になれば人指し指と中指でへその方にシュッと

神速で抜刀できる飛天御剣流奥義

「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」

という技が使えるでござるが、

この技はいささか疲れるでござるよ。



なんて考えていると、

おじいちゃん先生が、ヒラリとタオルをめくり、

玉にローションを塗り始めた。

「おろ!?」

僕の剣心が驚いた。



エコーが始まる。


「これ、わかります?」

とモニターを指さす。


オレンジの影が放射状に映し出されている。


「これが、右と左違うでしょ。」

確かに右の玉のエコーだと、影が小さい。


「これは血管が逆流してるね。」




診察の結果、



病名:精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)



血管の弁が壊れて、血が逆流しているとのこと。



それと、進行性の病気だということ。



玉は熱で生殖能力がやられる。

血液が玉の周りに集まっているため、

このままでは、だんだんと、

そして確実に生殖能力がなくなっていくそうだ。



では、今の時点で、能力があるのか、無いのか。



それは検査をしてみないとわからない。



「若鶏さんの場合は、まだ結婚して半年ということですが

 心配なら検査をされますか?」


「そうですね、検査をします。」


「では、あとでお呼びしますので、出られてお待ちください。」



どうしよう。

とんでもないことになった。


検査ってことは、出すということだろ?

出すってことは、おかずがいるってことだろ。

果たしてここには僕の気に入るおかずがあるのだろうか。

もしよければちょっと○○書店に寄らせてほしいのだが。



そのシモの問題と、あとは嫁に何て言うかだ。



子供が大好きな嫁だ。


僕には君との未来が見えるんだ。その未来を信じてほしいんだ。

もし君にも同じ未来が見えるのなら、今、僕の手を握ってくれますか?

そう誓って結婚した。


その未来には僕達の子供がいて、

僕達の生きた命の記憶を永久に伝えてくれる。

そう思っていた。


もし最悪の状況だった時、果たして嫁は僕を受け入れてくれるだろうか。




牧瀬里穂に別室に呼ばれる。

「若鶏さん、これに採取してきてください。」

牧瀬里穂はシャーレを手渡してきた。

シャーレなんてみるのは中学生以来久しぶりだった。


よかった。

銀色のトレイみたいなのだったらどうしようかと思っていた。


「で、どこで採取すればいいでしょう。」

「あ、今日じゃなくて結構です。家でも結構です。

 但し、採取して30分以内に持ってきてください。

 それと、採取した時間をこの紙に記入してください。」

「わかりました。」


要約すると、

出して30分以内のフレッシュなやつを持ってくればOK

ということか。


これでおかずの問題は解決。

新しい問題が、「出して30分以内。」


病院まで車で20分かかる。

出したらすぐに運転して、向かわなければならない。

これは、なんとかなるかな。



痛み止めをもらい、会社に戻り、

2日後に休みを入れてもらった。


家に帰り、夕食の支度をしてる嫁の手を止めさせ、

座らせた。




「今日病院に行ってきました。そこで病気が分かりました。」

「それって、聞いたほうがいい?」

「最後になるかもしれないだろ、だから全部話しておきたいんだ。」

そう言って僕は今日起きた全てを話した。

嫁は泣いていた。

「その日私も休みだけど、一緒にはいかない、からあげ一人で行って。」

「わかった、検査が終わったら話そう。」


若鶏家の未来に暗雲が立ち込めた。





検査当日。

病院は10時から。

9時55分に準備を始めた。



PCを立ち上げ、ブラウザの

お気に入り⇒仕事⇒仕事デザイン関係⇒新しいフォルダ(2)

の中にある、本当のお気に入りサイトにアクセス。


左手にシャーレをスタンバイ。


ズボンを降ろそうとしたところで、

嫁が隣でその一部始終を正座して見ているのに気がついた。



「ちょっ、見るのやめてもらえますか、恥ずかしいので」

「えっ?あ、分かった、私トイレに隠れとく。」



嫁がトイレに入ったのを確認。

急いでおかずを探す。



シャーレに採取完了。



9時58分と記入。




「おーい、終わったよー」

「早っ!!」



「よし、すぐに行ってくるから。」

「いってらっしゃい」



車を走らせる。

平日の10時台は渋滞もなく、かなりスムーズに病院に到着。


受付にはカマキリしかいなかったので、

仕方なくカマキリにシャーレを提出。


「えっと、これは精子ですよね。」

「はい。一番搾りです。」

「・・・・これ、時間は合っていますか?」

「はい、9時58分間違いないです。」


時計をみると、10時4分。

めちゃくちゃ早く着いた。

おそらくカマキリに

こいついったいどこで出してきたんだと

疑われているのだと思ったが、

「すぐに検査をお願いします。」

と強引に受付を済ませた。



診察室に呼ばれる。









おじいちゃん先生が神妙な顔で出てくる。











「若鶏さん、あなた、5日禁欲されました?」










「へぁ!?」









「前回から2日しか経ってないけど、

 5日間、禁欲されてないですよね」









「はい。」

ちょっとまて、そんなこと一言もいわれなかったぞ。












「本来なら、5日禁欲した状態で検査するのですが。」










「はい」














「2日でこの状態なら全然大丈夫です」











「あ、ありがとうございましたー」





おじいちゃん先生のお墨付きをもらった僕は

すぐに○○書店に向かった。

拍手[5回]

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
E-Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
若鶏のからあげ
性別:
男性
趣味:
料理
自己紹介:
時は来た!それだけだ!

HNの由来:
好きな食べ物から

ブログ名の由来:
僕の国という意味です。

Template by Emile*Emilie
忍者ブログ [PR]