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日記だったり、ネタだったり、備忘録だったり。 若鶏のからあげ先生が日常をユーモラスに描きます。
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その日、若鶏家一同は泊まりがけで親戚の家の法事にいくことになっていた。

親戚の家は県外にあるため若鶏家では
近くのリゾートホテルに宿泊することが定番になっている。
朝食が美味しいのと、海が近くて窓から眺める景色が綺麗だからだ。

そして僕は家族に内緒で早起きして
一人海岸を散歩するのを密かに楽しみにしている。

今日もいつものようにそっと早起きして、部屋を抜けだした。

ホテルの裏から歩きにくい坂道をどんどん降りて行くと、
急に目の前に広がる水平線。
朝日に照らされてキラキラの海、そして心地よい潮風。

「地球に生まれてよかったー!」

僕は思わず、織田裕二のモノマネをする山本高広のモノマネをしながら
海に向かって叫んでいた。

小一時間程いただろうか、潮風が強くなってきたせいか
だんだんと体が冷えてきた。
そういえば、起きてすぐ部屋をでたので浴衣のまま来ていた。

このままだと、とても寒い。

もう戻ろかと引き返したとき、突然、突風が吹いてきた。

冷た!と思った、その途端、急にお腹が痛くなってきた。

なんで、すぐお腹痛くなるんだよ・・・と思いながら

トイレを探した。








ない。





ここは海岸線。トイレなどない。


"ここは最前線 まさに大接戦 勝利 手にすることが大前提"

頭のなかで、尊敬する 俺がジブラ・ザ・イルスキルのリリックと
海岸線が絶妙にシンクする。

僕のHIPHOP解放戦線はもう限界です。


ホテルへ戻るか、でも、間に合うのか。

トイレを我慢しながら様々な感情が僕の中で渦巻いている。
この砂浜、穴を掘れば便器になるんじゃないか。
海に入ってすれば魚の餌になるんじゃないか。
流木の影は便器にならないか。

目の前にある全てのものが便器に見える。

しかし、このままではジリ貧だ。
意を決して僕はホテルへと戻り始めた。

一歩一歩確実に、歩みを進める。
大切なのは前に出る姿勢。

・・・やばい。脂汗が出てくる。

これは、いよいよ危ない。


と思った時に、

ホテルに続く坂道の手前に小さい小屋を発見。

「便所」

と書いてあるのを確認、と同時に、陣痛クラスの波が押し寄せる。


「ぐおおおおおおおおおおおおおお」


最後の力を振り絞り、便所に駆け込む。


ドアを開ける。


チッ!和式か。

洋式ウォシュレット派の僕としては、少し抵抗があったが、
背に腹は替えられん。

すぐに便器にまたがる。

パンツが下がるのが先か、中身が出るのが先か。

ここまで来たら後は勝負。



「間に合ええええええええええ」

















ビビビビビビビビビビビ







・・・ふぅ。

セーフ。

間に合った。

パンツが勝ったのだ。

自分自身に勝ったのだ。

全身が安堵感に包まれる。



痛みに耐えてよく戦った、感動した!

自分で自分を褒めたいです。

とっても楽しい42.195kmでした。



どこからともなく有名スポーツ選手の勝利の声が響いてきた。

よかった。

危なかった。

本当によかった。




勝利に酔いしれながら、紙をカラカラ巻き上げ、下を見ると

不思議なことに気がついた。


・・・無い。



今出したものが無い。

これは、おかしい。

今出したのってもしかして、おなら?




なんだ、おならかよ。

数多の星空のように煌めく幾千の腹痛に勝利してきた私が

まさかおならと間違えるとは。


弘法も筆の誤り。

俺の括約筋もたまには人間らしいミスをするなぁ。がはは。



そう思いながらスッと立ち上がると


腰と尻に、ぬるりと生暖かいものが。









どうやら、パンツだけ下ろして浴衣をまくりあげていなかったようです。










この後、さらに事件が起きたようですが、
それはまた別のお話。

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