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日記だったり、ネタだったり、備忘録だったり。 若鶏のからあげ先生が日常をユーモラスに描きます。
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高校3年のころ、
柔道部に所属していた僕は
毎日毎日厳しい練習を行っていた。

試合に勝つためではない。

そんなのは二の次だ。

先生に怒られないようにするための練習だ。

顧問の先生は、木村祐一にそっくりで、
見た目、態度、言動
どれをとっても立派なヤクザです。


まずは準備運動、基礎練習をして
打ち込みという技を掛ける練習を終える。
そして乱取りという実戦形式で練習しているときに
柔道場のドアがガラガラガラガラと大きな音を立てて開く。

木村祐一の入場である。

このとき、木村祐一が柔道着を着ていると
ボーナス確定。

乱取りに参加しバッタバッタとなぎ倒し
僕たちはメシが喉を通らない程の疲労に襲われる。


柔道着を着ていなくても安心はできない。
ジャージ姿でも潜伏している可能性がある。

気が付かないうちに乱取り用のタイマーを触り、
3分の8本休憩1分→4分の10本休憩30秒とかになっている。

この時もかなりきつかった。



大会1ヶ月前くらいになると
他県の高校と合同練習が組まれることになっていた。

木村祐一が合同練習の相手として呼んできたのは
隣の県の国体強化選手がいる○○高校
県2位の実力だ。

それを聞いたうちの柔道部最強の部長が
1年生の野中君に

「なんで国体強化選手とか連れてくるんだよ!」

と八つ当たりしていた。


合同練習が始まった。
いつもの練習を始める。
すると○○高校の連中がついてこれない。

向こうの国体強化選手とうちの部長だと
うちの部長のほうが強い。


確かに僕達の県は柔道のレベルがかなり高い県だが、
まさか、ここまで張りあうとは。

木村祐一はここまで考えていたのか。
僕たちは隣の県NO2の高校をばったばったとなぎ倒し

甲羅を脱いだ悟空のような気持ちで乱取りをしていた。


ところが相手の高校は面白く無い。
無名の高校にベコベコにされるのが気に入らないようだ。


だんだんとうちの1年の野中君がターゲットになっていく。

そして、相手の高校の一人が野中君と対戦。


野中君の背負投げを返すときに、肩を強く極めた。








野中君の




「ああああああああああ」




という叫び声が聞こえた。


みんな練習をやめ、野中君の方をみる。

すぐに木村祐一が肩を抑えて倒れている野中君に駆け寄る。





「肩か?」

「・・・はい。」

「どうなった?」

「背負いをした時に肩が後ろに曲がりました。」


「どうや?できそうか?」


「痛いです!」








「・・・できるのか、できないのか、どっちだ?」











「痛いです!」











「てめぇ!ふざけんな!」







バキッ!








痛みに震えている野中君の顔面に

木村祐一の拳がクリーンヒット。




どうやら
できるのか、できないのか?という二択に対し
痛いです、という選択外の答えを出したことに
腹がたったらしい。

















「できます!」









野中君は殴られるとすぐに元気よくそう答え、
再び乱取りに参加。





次の日、病院に行った野中君は
肩の靭帯断裂で全治3ヶ月。




その次の日、木村祐一に報告に行った野中君は
なんで痛いならすぐに病院に行かなかったんだと
めちゃくちゃ殴られたらしい。






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無題
うん、逃げ場なしだね!
バッカム 2015/01/20 (Tue) 09:19 編集
無題
バッカムさん
相手高校は震え上がっていたよ
若鶏のからあげ 2015/01/20 (Tue) 09:24 編集
無題
からあげさんの不屈の精神力と威圧感は
こういった環境で形成されたんですねー
beck 2015/01/20 (Tue) 10:41 編集
無題
beckさん
始動時、道場の扉が開くときに一瞬見えるキム兄の服が柔道着ならプレミア演出
若鶏のからあげ 2015/01/20 (Tue) 11:39 編集
プロフィール
HN:
若鶏のからあげ
性別:
男性
趣味:
料理
自己紹介:
時は来た!それだけだ!

HNの由来:
好きな食べ物から

ブログ名の由来:
僕の国という意味です。

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